2026年9月25日(金)、東京・泉岳寺にて「第1回 介護のススメ 勉強会&交流会」を開催しました。
ケアマネジャー、施設運営者、現場の介護職員など、同じ「介護」の分野でもさまざまな立場の方が集まり、4組の登壇と交流タイムを通じて、日ごろなかなか話す機会のないテーマについて意見を交わしました。
イベント概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| イベント名 | 第1回 介護のススメ 勉強会&交流会 |
| 開催日時 | 2026年9月25日(金)14:30〜16:30 |
| 会場 | 東京・泉岳寺/オンライン同時開催 |
| 参加費 | 無料 |
| 参加者数 | 18名(会場15名・オンライン3名) |
「介護のススメ」のこれから ── 佐藤 章太(介護のススメ 事業責任者)

冒頭では、介護のススメ事業責任者の佐藤章太が、ポータルサイト「介護のススメ」の成り立ちと今後の展開についてお話ししました。
介護のススメは、介護離職問題をきっかけに約2年前に立ち上げたポータルサイトです。東京都中小企業振興公社の助成金を受け、「透明で公共性の高いサービス」をテーマに運営しています。
現在、東京都版として介護事業者13,738件(在宅9,360件・老人ホーム3,198件・ケアマネジャー1,184事業者)を掲載。事務局スタッフが各事業所の空き状況を一件ずつヒアリングし、リアルタイムで反映しているのが大きな特徴です。
また、ケアマネジャー一人ひとりを取材して発信する「ケアマネアンバサダー」の取り組みについてもご紹介。現在27名のアンバサダーが活動しており、目標の200名に向けて、個性的なケアマネジャーの紹介を募集していることをお伝えしました。
今後の展開として、以下の3つをご紹介しました。
1.全国版のリリース(2026年12月予定)
約25万件のデータを収録し、全国の介護サービスを検索可能に
2.AI機能「ススメちゃん」
サイト内データベースからケアマネジャーや利用者の質問に答えるレコメンド機能を開発中
3.相談員機能
作業療法士兼施設紹介専門アドバイザーの岩田さんを顧問に迎え、生活相談員・介護福祉士・理学療法士の知見を活かした相談窓口を年内に稼働予定
さらに、収益の一部をケアマネジャー志望者への奨学金や、利用者家族の支援に還元していく方針も語られました。
「後悔のない施設入所のために在宅ケアマネジャーができること」 ── 松木 哲也 さん

一般社団法人セラヴィフル・ケアマネジメント 代表理事の松木哲也さんにご登壇いただきました。
松木さんは、施設入所という大きな転換期において、在宅ケアマネジャーがどんな悩みを抱え、何ができるのかを、ご自身の十数年の経験をもとにお話しされました。
紹介料の構造的課題
在宅ケアマネジャーが施設を紹介しても加算はつかず、結果として紹介センターに頼りがちになる現状を指摘。利用者の要介護度や医療依存度によって紹介料が数十万円単位で変動する仕組みに問題意識を示しました。
施設見学で見るべきポイント
松木さんが施設見学の際に大切にしているのは、見学者への対応ではなく、職員が他の利用者にどう接しているかという点。「我々もお客さん扱いで迎えられるので、普段通りかどうかは分からない。だからこそ、自分以外の利用者さんへの立ち振る舞いを見ています」と語りました。
また、利用者の服装や髪の手入れ、施設の清掃状況、匂いへのケアなど、現場経験者ならではの視点を共有。参加者からも共感の声が上がりました。
入所スケジュールの見通し
施設への入所までに要する標準的な準備日数を事前に確認しておくことの重要性にも触れました。在宅サービスの終了タイミングと施設入所のスケジュールにずれが生じると、現場が混乱するケースがあるとのことです。
「囲い込み」批判への見解
サービス付き高齢者住宅への「囲い込み」批判について、松木さんは楽天やAmazonなどの企業努力を例に挙げ、「利用者さんのためにやっている。楽をしているのではなく、信頼関係の上に成り立っている仕事だ」と力強く語りました。
ニチイケアパレスの取り組み ── 中尾 光希 さん

株式会社ニチイケアパレスの中尾光希さんからは、会社紹介と運営事業者としての課題についてお話しいただきました。
グループ概要と3つのブランド
ニチイケアパレスは2024年6月より日本生命グループに加入。グループ全体で約85,000人が働く大規模な組織です。
介護付き有料老人ホーム「ニチイホーム」、住宅型有料老人ホーム・サービス付き高齢者向け住宅「ニチイメゾン」、自立向けサービス付き高齢者向け住宅「アイリスガーデン」の3ブランドで107施設を展開しています。
中でもアイリスガーデンは全室25㎡以上でキッチン・浴室付き。入居率95%、平均要介護度は要支援1程度で、バイクを運転して入居相談に来る方もいるほど自立度の高い方が中心とのこと。
紹介センター依存の課題
入居者の約7割が紹介センター経由という現状について、中尾さんは率直に語りました。「正直、もうちょっと控えていただきたい」としつつも、入居率が下がると頼らざるを得ない現実があると説明。
自社では要介護度や医療依存度による紹介料の変動は一切行っていないことを強調し、「紹介フィーの基準が統一されるべき」との思いを述べました。
「ケアマネジャーの皆さまに、私たち運営事業者を一つの資源として知っていただく時間になれば嬉しい」という言葉が印象的でした。
ショートステイのご案内
最後に、介護保険ショートステイ(1日5,728円)と、自費特別キャンペーン(1泊2日6,600円・最大30日利用可能)の情報も共有されました。
【対談】「ケアマネ受験するか迷ってます」 ── 西田 美歩 さん × 小元 佳祐 さん

イベント後半は、介護タレント・介護福祉士の西田美歩さんと、ケアマネジャー・産業ケアマネの小元佳祐さんによる対談セッション。デイサービスで働きながらケアマネジャーの受験を迷っている西田さんが、独立して事業所を営む小元さんにリアルな質問をぶつけました。
ケアマネジャーの日常
小元さんはケアマネジャーの仕事を「調整役」と定義。記録やケアプラン作成、モニタリング(自宅訪問・担当者会議)が主な業務で、1日の訪問件数は日によってまちまち。ない日もあれば、3件の担当者会議をこなす日もあるとのことです。
「のび太とドラえもん論」
小元さんのケアマネジャー論で会場が沸いたのが、「のび太とドラえもん論」です。
「自分はのび太くんで、仕事ができないポンコツだと思っている。でも、訪問看護のドラえもん、デイサービスのドラえもん、ヘルパーのドラえもんをたくさん知っていれば、ケアマネジャーの仕事はできちゃう」
各分野に頼れる専門家(ドラえもん)を持つことで、自分一人で抱え込まずにケアマネジメントを回していけるという考え方に、参加者からも大きな共感が寄せられました。
現場経験はケアマネに活きるか
西田さんの「現場の経験はケアマネの仕事に活きますか?」という問いに、小元さんは力強く「Yes」と回答。認知症の方の些細な変化への気づきや、声かけ一つで誘導がうまくいくかどうかが分かる観察力は、ケアマネジャーのアセスメントにそのまま直結すると語りました。
「人生の最後の1ページに出られるおいしいポジション」
小元さんがケアマネジャーのやりがいとして語った言葉が印象的でした。
「利用者さんの人生の小説があったとしたら、最後の1ページに急に出てくるのがケアマネジャー。その人の最後をハッピーにできるかもしれない可能性がある。それはすごくおいしいポジションだと思っている」
この言葉に西田さんも「ケアマネジャーってすごく大事なポジションだと思う。憧れの職業であるべき」と応じ、ケアマネジャーへの挑戦に前向きな姿勢を見せました。
交流タイム
登壇セッション終了後は、交流タイムへ。登壇者と参加者が直接話せる構成になっており、普段は立場が異なりなかなか話す機会のないケアマネジャー、施設職員、現場スタッフの方々が、自由に意見交換をする姿が見られました。

閉会の挨拶は、株式会社IRODORI 代表取締役の遠山直が務めました。
おわりに
第1回 介護のススメ 勉強会&交流会は、紹介料の構造的な課題や施設選びのリアルな視点、そしてケアマネジャーという仕事の魅力まで、幅広いテーマについて率直な意見が飛び交う場となりました。
介護のススメでは、今後もこうした勉強会や交流会を企画してまいります。次回の開催情報は、介護のススメのサイトやSNSでお知らせいたします。ぜひご参加ください。
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