「家族の介護が負担なのでサービスをもっと増やしたい」「定期巡回・随時対応型訪問介護看護の特徴を知りたい」などとお悩みの方はいませんか?定期巡回・随時対応型訪問介護看護は、24時間365日必要な時に必要なサービスが受けられる介護保険サービスです。 訪問介護と訪問看護を組み合わせて提供することで、高齢者などの在宅療養者の生活を支援します。
本記事では、定期巡回・随時対応型訪問介護看護のサービス内容やメリット、利用方法などについて解説します。ご家族の介護に負担を感じている方や定期巡回・随時対応型訪問介護看護について知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
定期巡回・随時対応型訪問介護看護は介護保険サービスの1つ
定期巡回・随時対応型訪問介護看護は、介護保険サービスの1つです。このサービスは、24時間365日対応可能な訪問介護・看護を実施しており、日中・夜間を通じて定期的な巡回訪問と利用者からの随時通報への対応などを行います。
定期巡回・随時対応型訪問介護看護は、利用者だけでなく家族にとっても安心を与えるサービスです。近年、地域包括ケアシステムの構築が進む中で、このサービスへの注目が高まっています。
目次
定期巡回・随時対応型訪問介護看護の事業所は2種類ある

定期巡回・随時対応型訪問介護看護を提供する事業所は、大きく分けて以下の2種類があります。
- 一体型事業所
- 連携型事業所
どちらの事業所も、定期巡回サービスと随時対応サービスを提供しますが、訪問看護サービスの提供方法が異なるのです。それぞれの事業所の特徴について詳しく説明します。
1.【一体型事業所】訪問看護も一体的に提供する
一体型事業所は、訪問介護と訪問看護を一体的に提供する事業所です。つまり、介護職員と看護師が同じ事業所に所属し、連携しながらサービスを提供します。利用者は、訪問介護と訪問看護のサービスを1つの事業所から受けられるため、サービス提供がスムーズに行われます。
また、介護職員と看護師間の情報共有がしやすいため、利用者の状況変化にも素早く対応できることがメリットです。
2.【連携型事業所】他の訪問看護事業所と連携して提供する
連携型事業所は、訪問介護サービスを提供する事業所が、他の訪問看護事業所と連携してサービスを提供する事業所です。訪問介護と訪問看護のサービスを別々の事業所から受けることになりますが、両事業所が密接に連携を取りながらサービスを提供します。
連携型事業所の場合、利用者は訪問看護事業所を自由に選べることがメリットです。しかし、介護職員と看護師間の情報共有には一体型に比べて手間がかかる場合があります。 (※連携型事業所と契約を結ぶ訪問看護事業所に対しては、24時間連絡体制が確保されているなどの条件が求められています)
定期巡回・随時対応型訪問介護看護のサービス事業内容は4つ
定期巡回・随時対応型訪問介護看護では、以下の4つのサービス事業内容が提供されます。
- 定期的に巡回する定期巡回サービス
- 利用者から24時間連絡を受け付ける随時対応サービス
- 緊急時に訪問する随時訪問サービス
- 看護師が訪問する訪問看護サービス
それぞれのサービスについて詳しく見ていきましょう。
1.定期的に巡回する定期巡回サービス
定期巡回サービスは、利用者の生活リズムに合わせて1日に複数回、訪問介護員等が自宅を訪問するサービスです。訪問介護員等が訪問する際には、食事や入浴、排泄などの身体介護や、掃除や洗濯などの生活援助を行います。
定期巡回サービスを利用することで、自宅での生活を継続しながら必要な介護を受けることが可能になります。しかし、利用回数が多くなると費用が高額になるケースもあるため注意が必要です。
2.利用者から24時間連絡を受け付ける随時対応サービス
随時対応サービスは、利用者やその家族から24時間365日いつでも連絡を受け付けるサービスです。定期巡回サービスの合間に体調の急変などがあった場合、オペレーターが状況を確認し、適切な対応方法をアドバイスします。
また、必要に応じて訪問介護員や看護師を派遣し、迅速な対応を行います。随時対応サービスにより、緊急時の不安を和らげ、在宅での生活を安心して送ることが可能です。
3.緊急時に訪問する随時訪問サービス
随時訪問サービスは、利用者の容態の急変など緊急時に訪問介護員等が自宅を訪問するサービスです。具合が悪くなった際や、転倒などのアクシデントがあった場合、迅速に訪問介護員等が駆けつけ、必要な処置や対応を行います。
随時訪問サービスにより、緊急時の不安が軽減され、自宅で安心して生活を送ることができます。
4.看護師が訪問する訪問看護サービス
訪問看護サービスは、医療的なケアが必要な利用者に対し、看護師が自宅を訪問し健康管理や医療的処置などを行うサービスです。例えば、バイタルサイン測定や褥瘡の処置、点滴、バルーンカテーテルの交換など、医療的な対応が求められる場合に利用します。
医療と介護の両面から支援を受けられるため、重度の要介護者の在宅での生活を継続することができます。また、訪問看護サービスを利用するには、主治医に訪問看護指示書を作成してもらうことが必要です。
定期巡回・随時対応型訪問介護看護を利用できる対象者
定期巡回・随時対応型訪問介護看護を利用できる対象者は、要介護認定を受け要介護1~5と認定された方です。そして、定期巡回・随時対応型訪問介護看護は地域密着型サービスであるため、事業所を指定している市区町村の住民の方が利用できる対象者となります。
定期巡回・随時対応型訪問介護看護の費用は月ごとの定額制
定期巡回・随時対応型訪問介護看護の費用は、月ごとの定額制となります。これは、利用者の要介護度に応じて設定された定額の利用料を、1ヶ月単位で支払う仕組みです。
介護度や利用事業所ごとの基本サービス費については、以下の通りです。
| 一体型事業所 | 連携型事業所 | |||
| 介護・看護利用者 | 介護利用者 | 介護費 | 訪問看護費 | |
| 要介護1 | 8,312円 | 5,697円 | 5,697円 | 2,954円 |
| 要介護2 | 12,985円 | 10,168円 | 10,168円 | 2,954円 |
| 要介護3 | 19,821円 | 16,883円 | 16,883円 | 2,954円 |
| 要介護4 | 24,434円 | 21,357円 | 21,357円 | 2,954円 |
| 要介護5 | 29,601円 | 25,829円 | 25,829円 | 3,754円 |
※令和6年12月時点の介護報酬より算定し1割負担の場合(1単位=10円として計算)
利用者負担は、介護保険の自己負担割合(1割~3割)に基づいて計算されます。また、基本サービス費の他にも利用者の状態に応じたサービス提供や事業所の体制に対して加算・減算がされるため、実際の負担額は利用者ごとに異なるのです。
サービス利用前には、必ずケアマネジャーに負担する費用について確認しましょう。
【令和3~5年度】定期巡回・随時対応型訪問介護看護の利用状況
厚生労働省が毎年実施している調査結果によると、定期巡回・随時対応型訪問介護看護の利用状況は以下の通りです。
| 令和4年4月審査分 | 令和5年4月審査分 | 令和6年4月審査分 | |
| 要介護1 | 25.3% | 24.6% | 24.1% |
| 要介護2 | 25.1% | 24.0% | 24.5% |
| 要介護3 | 18.7% | 19.0% | 18.6% |
| 要介護4 | 18.7% | 19.4% | 19.5% |
| 要介護5 | 12.3% | 13.0% | 13.2% |
3年間の推移をみると、全国的に要介護4・5といった介護度が高い方の利用者が増加傾向にあることがわかります。この結果から、定期巡回・随時対応型訪問介護看護が重度の要介護者の在宅生活を支える上で重要な役割を担っていると言えるでしょう。
定期巡回・随時対応型訪問介護看護のメリットは4つ

定期巡回・随時対応型訪問介護看護には、利用者やそのご家族にとって4つのメリットがあります。
- 24時間対応のため病院や施設等のような安心感が得られる
- 1日に複数回サービスを受けられる
- 利用者の生活リズムに合わせたサービスが受けられる
- 利用限度額を気にせず必要なサービスを受けられる
それぞれのメリットについて詳しく見ていきましょう。
1.24時間対応のため病院や老人ホームなどの施設のような安心感が得られる
1つ目は、24時間対応のため、病院や老人ホームなどの施設のような安心感が得られることです。利用者やそのご家族は、日中だけでなく夜間や早朝など、いつ体調の変化や介護の手助けが必要になっても、すぐに連絡をとり、訪問介護や看護を受けることができます。
このような24時間対応のサービスがあることで、まるで病院や介護施設にいるような安心感を得ることができるのです。在宅介護の不安を大きく軽減できるメリットと言えるでしょう。
2.1日に複数回サービスを受けられる
2つ目は、1日に複数回サービスを受けられることです。定期巡回・随時対応型訪問介護看護では、1日に複数回、決まった時間に訪問介護員や看護師が自宅を訪問してくれます。
例えば、朝は起床や着替えの介助、昼は食事の配膳や服薬の確認、夕方は入浴の手伝いや就寝の準備など、1日を通して必要なタイミングで必要なサービスを受けることが可能です。
このような定期的な訪問により、介護が必要な方もご家族も身体的・精神的な負担を軽減でき、住み慣れた自宅で安心した生活を送ることができるでしょう。
3.利用者の生活リズムに合わせたサービスが受けられる
3つ目は、利用者の生活リズムに合わせたサービスが受けられることです。定期巡回・随時対応型訪問介護看護では、事前に利用者の1日の生活リズムを把握し、それに合わせた訪問介護や看護の計画を立ててサービス提供を行います。
画一的なサービスではなく、利用者一人ひとりの生活に寄り添ったオーダーメイドのサービスを受けられるのが大きな魅力です。例えば、朝ゆっくり起きたい方には訪問時間を遅めに設定したり、習慣の入浴時間に合わせて訪問看護を行ったりと、利用者本位のサービス提供を心掛けてくれます。
4.利用限度額を気にせず必要なサービスを受けられる
4つ目は、利用限度額を気にせずに必要なサービスを受けられることです。介護保険における居宅サービスを利用する際には、利用できるサービスの量(支給限度額)が要介護度ごとに定められています。
そのため、限度額を超えてしまうと、超えた分を全額自己負担しなければなりません。 もっとサービスを利用したい、あるいは利用する必要性があっても、限度額を超えて自己負担が増えることを懸念して、必要なサービスが受けられないケースも少なくないのです。
しかし、定期巡回・随時対応型訪問介護看護では、1ヶ月の利用料金が定額で設定されており、サービスの利用限度額がありません。そのため、利用限度額を気にせずサービスを受けたい方向けのサービスとも言えます。
定期巡回・随時対応型訪問介護看護の注意点は3つ

定期巡回・随時対応型訪問介護看護は、介護が必要な方の自宅で24時間365日必要なサービスを受けられる画期的な介護保険サービスです。しかし、利用する際の注意点として、以下の3点が挙げられます。
- 併用できない介護サービスがある
- 利用回数によっては費用が割高になるケースもある
- 利用できる事業所が限られてしまう
1.併用できない介護サービスがある
定期巡回・随時対応型訪問介護看護は、24時間365日必要な介護や看護を受けられる便利なサービスですが、一方で併用できない介護サービスがあります。
例えば、訪問介護や訪問看護などは、定期巡回・随時対応型訪問介護看護と併用することができません。これは、定期巡回・随時対応型訪問介護看護が訪問介護や訪問看護と類似しているサービス内容もためです。
しかし、通所介護や短期入所生活介護、福祉用具の貸与などの介護保険サービスは、定期巡回・随時対応型訪問介護看護と併用することができます。利用する際は、ケアマネジャーや居住地の市区町村に相談して、併用できるサービスを確認しておくことが大切です。
2.利用回数によっては費用が割高になるケースもある
定期巡回・随時対応型訪問介護看護は、1ヶ月に何回利用しても定額の費用で利用できるのが特徴です。しかし、利用回数が少ない場合や要介護度が低い場合は、他の介護サービスと比べて費用が割高になるケースもあります。
例えば、1ヶ月に数回程度しか利用しない場合、訪問介護と訪問看護を個別に利用した方が費用対効果が高い可能性があります。そのため、サービス選択の際には、利用者の状況や介護・看護ニーズを十分に考慮し、ケアマネジャーと相談しながら、最適なサービスを選ぶことが重要です。
また、利用者の状況は時間とともに変化するため、定期的にサービス内容を見直し、必要に応じて変更を行うようにしましょう。
3.利用できる事業所が限られてしまう
定期巡回・随時対応型訪問介護看護は、まだ新しいサービスであるため、提供している事業所が限られています。そのため、利用したくても、自宅の近くに事業所がない、あるいは事業所の定員がいっぱいで利用できないといったケースも。
さらに、地域密着型サービスに該当することから、利用者は居住地の市区町村の事業所からサービスを受けることが定められています。利用を検討する際は、まずに問い合わせて、利用できる事業所があるかどうかを確認することが大切です。
利用できる事業所が見つからない場合は、他の介護保険サービスの組み合わせで、できるだけ定期巡回・随時対応型訪問介護看護に近いサービスが受けられないか、ケアマネジャーと相談してみることをおすすめします。
定期巡回・随時対応型訪問介護看護に関連した情報について知りたい・利用を検討している等はご相談ください
本記事では、定期巡回・随時対応型訪問介護看護のサービス内容やメリット、利用方法などについて解説しました。
定期巡回・随時対応型訪問介護看護は、介護が必要な方やその家族にとって、自宅で安心して生活を送るために有効な介護保険サービスです。利用者にとってもメリットが多い一方、併用できるサービスの制限や、費用面での注意点、利用できる事業所が限られているといった課題もあります。
そのため、定期巡回・随時対応型訪問介護看護に関連した情報を知りたい方、ご利用を検討している方は、ケアマネジャーや市区町村の担当者に相談するようにしましょう。また、居住地の市区町村のウェブサイトを確認することもおすすめします。
参照:厚生労働省 定期巡回・随時対応型訪問介護看護及び 夜間対応型訪問介護、サービスにかかる利用料、どんなサービスがあるの? – 定期巡回・随時対応型訪問介護看護、令和3年度介護給付費等実態統計の概況 地域密着型サービスの状況、令和4年度介護給付費等実態統計の概況 地域密着型サービスの状況、令和5年度介護給付費等実態統計の概況 地域密着型サービスの状況 、埼玉県 定期巡回・随時対応サービス 開設・経営の手引き、介護保険サービス「定期巡回・随時対応型訪問介護看護」について





