現代の社会は、誰もが多くのストレスにさらされる時代です。「最近なんだか心が疲れているな」「大切なあの人、いつもと様子が違う気がする…」そんな風に感じたことはありませんか?心の不調は特別な人にだけ起こるものではなく、誰にでも起こりうる身近な問題です。
そんなとき、私たち一人ひとりにできることがあります。それが「ゲートキーパー」としての役割です。ゲートキーパーとは、悩んでいる人のサインに気づき、親身に「話を聴き」、必要に応じて専門機関へ「つなぎ」、そして温かく「見守る」人々のこと。
特別な資格は必要ありません。渋谷区では、このゲートキーパーの輪を広げるため、「ゲートキーパー手帳」を作成し、地域全体で心の健康を支え合う取り組みを進めています。
この記事では、「ゲートキーパー手帳」の内容を解説します。
目次
気軽にセルフチェック「こころの体温計」
「自分のストレス状態って、実際どうなんだろう?」そんな疑問に手軽に答えてくれるのが、渋谷区が提供する「こころの体温計」システムです。パソコンやスマートフォンから簡単な質問に答えるだけで、ご自身のストレス度や落ち込み度をチェックできます。
「こころの体温計」でできること
| 本人モード | ご自身の健康状態や人間関係などからストレス度・落ち込み度をチェック |
| 赤ちゃんママモード | 赤ちゃんのお母さんの心の健康状態をチェック |
| 家族モード | 家族や周りの方の心の健康状態が気になる方におすすめ |
| アルコールチェックモード | ご自身の飲酒習慣を振り返る |
| ストレス対処タイプテスト | あなたに合ったストレス解消法を探るヒントに |
利用は無料。渋谷区のポータルサイト(「渋谷区 こころの体温計 検索」)やQRコードからアクセスできます。ただし、これはあくまで自己診断ツールであり、医学的な診断を行うものではありません。心配なことが続く場合は、早めに専門家にご相談ください。
あなたもゲートキーパーに。悩んでいる人に寄り添う4つのステップ
ゲートキーパーになるために、特別な資格や専門知識は必要ありません。大切なのは、4つのステップを意識することです。
ステップ1:気づく ~SOSのサインを見逃さない~
自殺を考えるほど追い詰められている人の多くは、何らかのサインを発しています。身近な人の「いつもと違う」変化に気づき、声をかけることが第一歩です。「いつもと違うな」と感じたら、勇気を出して声をかけてみましょう。
ステップ2:傾聴 ~本人の気持ちを尊重し、耳を傾ける~
悩みを抱えている人にとって、誰かに話を聞いてもらうだけで気持ちが楽になることがあります。大切なのは、相手の気持ちを尊重し、真摯に耳を傾けること。アドバイスよりも、まず相手の心に寄り添うことを優先しましょう。
ステップ3:つなぐ ~早めに専門機関へ~
話を聴いた結果、専門的なサポートが必要だと感じた場合は、適切な相談機関や医療機関へつなぎましょう。ゲートキーパーは問題解決の専門家である必要はありません。決して後回しにせず、その場で相談機関へつなぐことを意識しましょう。
ステップ4:見守る ~温かく寄り添い続ける~
専門機関へつないだ後も、ゲートキーパーとして、「心配しているよ」「何かあったらいつでも相談してね」と伝え、温かく寄り添いながら、じっくりと見守ることが大きなサポートになります。
ゲートキーパー自身の心も大切に
悩んでいる人に寄り添うことは、エネルギーを使います。ゲートキーパーとして活動する上で、自分自身の心の健康を保つことも非常に重要です。
| ゲートキーパーの心得 | 心の準備をして関わる、温かい対応、真剣に聴く姿勢、相手を否定しない、労いの言葉、心配を伝える、分かりやすい言葉でゆっくり話す、一緒に考える |
| 自身のメンタルヘルスケア | 相談後は意識してクールダウンする(好きな音楽を聴く、軽い運動をするなど)。対応に困ったら一人で抱え込まず、同僚や専門機関に相談する |
「自分で何もかも解決しなければ」と考えず、周囲の力も借りながら、無理のない範囲で活動しましょう。
こころの不調、正しく理解していますか?
心の不調は誰にでも起こりうるものですが、周囲からは分かりにくいという特徴があります。
- うつ病: 日常生活に強い影響が出るほどの気分の落ち込みや興味・喜びの喪失が続く病気。早期発見と適切な休養・治療が重要です。
周囲からわかる症状例:表情が暗い、涙もろい、反応が鈍い、落ち着きがない、飲酒量が増える、不眠など。
- 依存症: 特定の物質(アルコール、薬物など)や行動(ギャンブルなど)をやめたくてもやめられない状態。本人の意思だけでなく、脳の機能も関わる病気で、専門的な治療が必要です。
- 統合失調症: 考えや気持ちがまとまりにくくなる病気。幻覚や妄想などの症状が現れることがあります。早期治療で症状をコントロールできます。
これらの不調は、専門家のサポートによって改善が期待できます。
ひとりで悩まず、相談してください
渋谷区の相談窓口
渋谷区には、さまざまな悩みや困りごとに対応するための相談窓口があります。
- こころに関する相談: 中央保健相談所、恵比寿保健相談所、幡ヶ谷保健相談所、東京都立中部総合精神保健福祉センター、各種電話相談など。
- その他: 就労・経営、暮らしのお金、法的トラブル、家庭・パートナーとの関係、ジェンダー・セクシュアリティ、子どもの相談、教育相談、消費生活に関する相談など、多岐にわたる窓口があります。どこに相談すればよいかわからない場合は、「福祉なんでも相談窓口(渋谷区社会福祉協議会)」へ。
詳細は「ゲートキーパー手帳」P7や、渋谷区ポータルサイト(「渋谷区 こころの健康 検索」)でご確認ください。
ゲートキーパー手帳の配布場所
渋谷区役所健康推進部地域保健課
住所:渋谷区宇田川町1-1(7階)
電話番号:03-3463-3074
ゲートキーパー養成講座で、あなたも「いのちの門番」に
渋谷区では、ゲートキーパーの知識やスキルを身につけるための「ゲートキーパー養成講座」を開催しています。
令和7年度 ゲートキーパー養成講座 ~身近な人のSOSに気づいたら~
- 日時: 令和7年7月4日(金曜日) 14時~15時30分
- 場所: 渋谷区役所8階801会議室
- 申込開始日: 令和7年6月4日(水曜日)
- 申込方法: 渋谷区公式LINEアカウントにて(事前予約制)
詳細は、ゲートキーパー養成講座や、LINE予約方法をご確認ください。
お問い合わせ
地域保健課保健指導主査
電話 03-3463-3074
FAX 03-5458-4937
この講座では、身近な人のSOSに気づき、適切に対応するための具体的な方法を学ぶことができます。特別な資格は必要ありません。地域で支え合う温かいコミュニティづくりのために、ぜひご参加ください。
あなたの「気づき」が、誰かの未来を照らします
ゲートキーパーは、特別な誰かだけがなるものではありません。ほんの少しの勇気と、相手を思いやる気持ちがあれば、誰でもその一歩を踏み出すことができます。
あなた自身や周りの人の心の健康に関心を持ち、小さな変化に気づくこと。そして、もし悩んでいる人がいたら、温かく寄り添い、話を聴き、必要なら適切なサポートにつなげること。その一つひとつの行動が、誰かの孤独を和らげ、生きる力を与えることにつながります。渋谷区の取り組みを活用し、誰もが安心して暮らせる地域を一緒に作っていきましょう。あなたの温かい眼差しと行動が、きっと誰かの未来を明るく照らすはずです。





