訪問介護・訪問看護サービスを探せる介護ポータルサイト

介護の“つなぎ役”はこう変わる|地域包括ケアの新時代

介護の“つなぎ役”はこう変わる|地域包括ケアの新時代を表す画像

超高齢社会が進む日本では、介護・医療・生活支援が切れ目なく連携する「地域包括ケアシステム」の重要性が一段と高まっています。特に、身寄りのない高齢者や複雑な課題を抱える世帯の増加を背景に、地域全体での相談支援体制の再構築が喫緊の課題です。

現場の課題や国の方針を踏まえ、今後の相談支援のあり方について整理します。

この記事でわかること

  • 高齢者世帯の構造が急激に変化している
  • 地域包括支援センターが業務過多で本来機能を果たせていない
  • 「個別対応」から「地域全体で解決する仕組み」への転換が必要

背景|なぜ今、「相談支援のあり方」が問われているのか

日本の高齢者世帯の姿は大きく変わりつつあります。単身高齢者世帯は年々増加し、2050年頃には全世帯のうち5世帯に1世帯が単身高齢者となる見通しです。こうした社会構造の変化に伴い、身元保証や死後事務といった支援が必要なケースが急増し、従来のケアマネジメントだけでは対応しきれない現状があります。

さらに、85歳以上の高齢者の増加や認知症高齢者の増加も顕著であり、医療・介護・生活支援を横断的につなぐ仕組みが求められています。こうした複合的なニーズに応えるためには、地域包括支援センターを中心とした相談支援機能の強化と、地域ケア会議などの場を通じた資源開発・連携が不可欠です。

現状の課題|複雑化・多様化する相談ニーズへの対応力不足

現場では、ケアマネジャーが法定外業務(いわゆる「シャドウワーク」)として、生活支援や金銭管理、死後事務といった本来の業務範囲を超えた対応を余儀なくされるケースが増加。また、地域包括支援センターでも次のような課題が指摘されています。

人員不足・業務量過多

介護予防支援やケアマネジメント業務が全体の約3割を占め、地域での活動時間は約2割にとどまる。

地域資源の不足

連携できる民間・公的機関が少なく、必要な支援につなげにくい。

会議の活用不足

地域ケア個別会議と推進会議が連動し、具体策まで検討できている自治体は半数程度にとどまる。

こうした状況では、相談支援が個別対応にとどまり、地域全体としての解決力を高めにくいという構造的な問題が浮き彫りとなっています。

対応策|地域包括ケアの深化に向けた3つの方向性

地域包括ケアを実効性ある仕組みにしていくためには、現場の課題に即した具体的な対応策を講じることが欠かせません。ここでは、特に重要となる3つの方向性を整理します。

(1)地域ケア会議の活用強化とネットワーク構築

「地域ケア会議」は、医療・介護・福祉・民間事業者など多様な主体が連携し、地域課題を協議・解決する中核的な場です。ここでの議論を通じて、生活支援・身元保証・死後事務など複雑な課題を地域全体の課題として可視化し、資源開発につなげることが求められます。

  • 主任ケアマネジャーや司法書士などの専門職が参画し、具体的な対応策を協議
  • 生活支援コーディネーターを中心とした住民主体のネットワークづくり
  • 福祉・住宅・交通など他分野との横断的な連携

(2)相談支援機能の明確化と人材育成

地域包括支援センターが担う総合相談支援事業において、「身寄りのない高齢者等への相談対応」を明確な役割として位置付けることが検討されています。また、ケアマネジャーの資質向上や、関係者間の情報共有の仕組み整備も重要です。

  • ケアマネジャー研修の強化と専門性の確保
  • 緊急連絡先登録などの情報共有スキームの整備
  • 包括的・継続的ケアマネジメント支援事業への位置付け

(3)介護予防ケアマネジメントの効率化と一部委託

介護予防ケアマネジメントについては、居宅介護支援事業所への委託やICT活用の推進などによって業務負担の軽減と効率化を図る動きが進んでいます。インテークやフォローアップを効果的に行い、専門職が本来業務に専念できる環境整備が急務です。

  • 居宅介護支援事業所への委託範囲の拡大
  • ケアプラン作成支援やモニタリングの効率化
  • AI・ICTツールの活用促進

今後の方向性|制度改正と「地域共生社会」への転換

2025年以降の介護保険制度改正に向けては、「地域包括ケアシステム」のさらなる深化が重点テーマとなっています。特に、相談支援については次の方向性が示されています。

  • 地域包括支援センターの役割強化:総合相談の明確化と人材配置の最適化
  • 他分野との連携深化:福祉・住宅・交通・防災などを含む包括的支援体制
  • 地域共生社会への移行:住民・民間・行政が協働し、誰もが支え合える仕組みへ

今後は、「個別対応」から「地域で解決する仕組み」への転換が求められます。介護・医療・生活支援の枠を超えた相談支援体制を構築することが、地域包括ケアシステム深化の鍵となるでしょう。

地域全体で支える時代へ

地域包括ケアの深化は、単なる介護サービスの充実ではなく、「暮らしそのものを支える地域の力」を高める取り組み。身寄りのない高齢者をはじめ、支援が必要な人が孤立しない社会をつくるために、相談支援の役割はますます重要性を増しています。地域全体で課題を共有し、協働して解決策を生み出す仕組みづくりが、これからの地域包括ケアの核心です。

参照元:厚生労働省 地域包括ケアシステムの深化(相談支援の在り方)

人気コラム

空き施設を探す

Search

フリーワードで探す
条件から探す
エリアを選択
都心部
西部エリア
北部エリア
東部エリア
サービスを選択
ススメちゃん