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介護保険制度、3つの見直し論点が焦点に|負担増・給付縮小をめぐる議論が本格化

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介護保険制度の持続可能性を確保するため、厚生労働省が「給付と負担の再設計」に踏み切ります。焦点は、自己負担2割の対象拡大、ケアマネジメントの有料化、軽度者サービスの保険外化の3点です。高齢者の暮らしに直結する見直しであり、制度の公平性と現場の継続性をどう両立させるかが問われています。

この記事でわかること

  • 2025年末までに決まる介護保険制度改革の3つの焦点
  • あなたの介護費用がどう変わるか
  • 2040年問題を見据えた制度改革の全体像

2040年問題を見据えた「持続可能性」議論

高齢化の加速と介護費の増大により、介護保険制度は岐路に立たされています。政府は「介護を守るための改革」として、2025年末までに負担構造の見直しを行う方針を示しました。

議論の柱となっているのが、以下の3点です。

  1. 自己負担2割(3割)対象者の拡大
  2. ケアマネジメントの有料化
  3. 軽度者(要介護1・2)のサービスの保険外化

これらは「制度の持続可能性」を掲げる一方で、利用者や家族の生活に大きな影響を及ぼす可能性があります。

自己負担2割の対象拡大|“能力に応じた負担”の再定義

介護サービスの利用者負担は原則1割ですが、所得上位層には2割・3割負担が導入されています。今回の見直しでは、「能力に応じた公平な負担」をより徹底する方向で、対象拡大の2案が提示されています。

案ア:上限額なしの限定拡大案

高所得層に限定して、一定の負担上限を設けずに2割負担とする。

案イ:上限額ありの広範拡大案

より広い範囲を対象とし、当面は上限を設けて2028年度までに見直す。

いずれも、第10期介護保険事業計画(2027年度~)開始前までに結論を出す見通しです。

ケアマネジメントの有料化|中立性と主体性のはざまで

ケアマネジメント(居宅介護支援)は、制度創設時から利用者負担0円の「10割給付」として扱われてきました。これは、介護サービス利用を促進するための設計でしたが、制度定着から25年を経て、「無料でいいのか」という議論が浮上しています。

有料化を求める立場は、

  • 利用者にケアプランの内容を意識させ、サービス選択を自覚的にする
  • 財源確保やケアマネ人材の処遇改善につながる

と主張。

一方、慎重派は、

  • 経済的理由での利用控え
  • ケアマネの中立性の揺らぎ

を懸念しています。

有料化が実現すれば、介護現場の構造そのものが変化する可能性もあり、結論は来年度以降に持ち越されています。

軽度者(要介護1・2)のサービス縮小|地域支援への移行

介護人材不足と財政圧迫を背景に、軽度者(要介護1・2)の生活援助などを介護保険給付の対象外とし、地域支援事業へ移行する案が議論されています。推進派は「限られた資源を重度者に集中すべき」と主張し、自治体主体の支援体制強化を提案。

一方で、「軽度者の中には認知症高齢者が多く、サービス削減は重度化を招く」との懸念も根強いです。すでに総合事業を拡充している自治体もある一方、地域間格差は大きく、実施体制の整備が今後の課題となります。

広がる「公平な負担」議論と中長期的課題

今回の3論点に加え、制度の持続可能性を支える重要な検討項目が複数あります。

金融所得・資産の反映

負担能力をより正確に反映させるため、金融所得や金融資産を保険料や利用負担にどう組み込むかが新たな論点として浮上。預貯金口座へのマイナンバー付番の進展を踏まえ、資産情報を用いた負担設定の精緻化が検討されています。

特に、低所得者向けの補足給付では既に預貯金額を考慮しており、今後さらに公平性の高い仕組みへの見直しが進められる見通しです。

多床室の室料負担の見直し

在宅との負担の公平性確保を目的に、2025年8月(令和7年8月)から、介護老人保健施設(「その他型」「療養型」)および介護医療院Ⅱ型月8,000円の室料負担が導入。ただし、低所得者には補足給付で調整が行われるため、負担増は生じないとされています。

被保険者・受給者範囲の見直し

将来的には、介護保険の被保険者・受給者範囲の見直しも検討されています。「介護の普遍化」を目指す観点から、40歳未満への拡大や、逆に高齢者層の対象年齢引き上げも議論の対象です。

ただし、若年層の負担増や受益・負担のバランスをどう設計するかは大きな課題となっています。

“誰がどこまで支えるか”の再定義へ

今回の見直しは、単なる負担増ではなく、「介護を次世代につなぐための再設計」です。2割負担の拡大、ケアマネ有料化、軽度者サービスの縮小に加え、金融資産や居住費の見直しなど、“総合的な公平性”をどう実現するかが問われています。

介護を受ける側・支える側の双方にとって、この改革は避けて通れない現実です。制度を持続させるための「痛み」と「再構築」を、どこまで社会全体で共有できるか。まさに今、その答えが求められています。

参照元:厚生労働省 持続可能性の確保

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