厚生労働省は2025年(令和7年)10月24日付で、令和8年4月貸与分から適用される福祉用具の全国平均貸与価格および貸与価格の上限価格(新商品分)を公表しました。
これにより、福祉用具貸与事業者や自治体は、新たな価格基準に基づく対応が求められます。
この記事でわかること
- 令和8年4月から福祉用具貸与の新商品に新しい価格上限が適用される
- 上限価格を超えた分は全額自己負担になる
- 事業者は令和8年4月までに準備が必要
目次
制度の背景と意義|価格公表制度の全体像と目的
福祉用具貸与の価格公表制度は、平成30年3月22日付「福祉用具貸与および介護予防福祉用具貸与の基準について」(老高発0332第1号)に基づき、全国平均貸与価格および貸与価格の上限を設定・公表する仕組みとして運用するものです。
「新商品」と「既存商品」の違い
制度では、すでに市場で流通している「既存商品」と、新たに登場した「新商品」が区別されています。
新商品
市場投入後、3か月ごとに価格データを収集し、全国平均貸与価格と上限価格を設定。価格が安定する前の段階で適正化を図り、利用者が不当に高額な費用を負担することを防ぐ役割があります。
既存商品
一定期間流通し、価格データが蓄積された商品については、定期的に再評価される仕組みです。
また、福祉用具貸与事業者には、全国平均貸与価格と上限価格を利用者に提示する義務が課されており、これにより価格の透明性と利用者の選択権を確保しています。
上限価格の機能|「保険給付の限度額」としての重要性
上限価格は単なる「目安」ではなく、介護保険給付の対象となる価格の上限を意味します。つまり、事業者が設定した貸与価格が上限を超過した場合、超過分は全額が自己負担(保険給付外)となり、1割(または2割・3割)負担の対象外となります。
そのため、事業者は以下の点に注意が必要です。
上限超過時の説明責任
上限価格を超える設定を行う際は、利用者に十分な説明を行わなければなりません。
トラブル防止
説明不足による苦情や契約トラブルを防ぐためにも、契約書・重要事項説明書の改訂が必須です。
上限価格制度は、適正な価格競争の促進と、利用者保護の両立を目的とした仕組みといえます。
今回の公表内容|令和8年4月適用の新商品が対象
今回公表されたのは、令和8年4月貸与分から新たに全国平均貸与価格および上限価格が設定される新商品です。
該当商品および価格の詳細は、以下の公式サイトで確認できます。
周知の流れ|都道府県・指定都市・中核市から事業者へ
厚生労働省は、都道府県、指定都市、中核市の介護保険主管課に対し、管内市町村および福祉用具貸与事業者への周知を依頼しています。
通知の伝達フローは以下のとおりです。
厚生労働省→都道府県・指定都市・中核市→市町村・事業者・関係団体
各自治体は、地域内の事業者や相談支援機関への情報共有を確実に行うことが求められます。
対応のポイント|早めの価格確認と利用者説明を
令和8年4月の新価格適用に向け、事業者は以下の準備を進めましょう。
- 自社の貸与価格と上限価格の差を確認
- 重要事項説明書・契約書の改訂
- ケアマネジャーや関連事業所への情報共有
また、利用者への説明時には「上限価格を超える場合の自己負担」について明確に伝えることが重要です。
透明性の高い制度運用が信頼につながる
福祉用具の価格公表制度は、利用者が安心して選べる市場環境を整えるとともに、事業者の健全な経営を支える仕組みです。定期的な情報更新を欠かさず、最新の上限価格をもとにした適正な運用を心がけましょう。
参照元:厚生労働省 令和8年4月貸与分から適用される福祉用具の全国平均貸与価格及び貸与価格の上限の公表について(新商品に係る分)





