渋谷区の特別養護老人ホームは全10施設あり、月額費用の目安は約10〜20万円(1割負担・要介護5の場合)です。入所できるのは原則として要介護3以上の方ですが、要介護1・2でも特例入所が認められるケースがあります。
この記事では、渋谷区の公式情報に基づき、区内全10施設の一覧(住所・電話番号)、入所条件、費用の内訳、負担軽減制度、申し込み手続きの流れ、施設選びのポイントまで網羅的に解説します。
東京都渋谷区の特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設)とは?
特別養護老人ホーム(通称:特養)は、原則として要介護3以上の方が長期間入所できる介護施設です。社会福祉法人や地方自治体が運営しており、入所者には食事・入浴・排せつなどの日常生活支援に加え、健康管理や機能訓練といったケアが24時間体制で提供されます。
渋谷区内にも複数の特別養護老人ホームがあり、入所条件や費用は介護保険制度に基づいて定められています。地域の高齢者福祉を支える介護サービスの1つです。
目次
渋谷区の特別養護老人ホームに入所できる方

渋谷区の特別養護老人ホームに入所できるのは、原則として要介護3以上の認定を受けた方です。また、要介護1または2の方については、特例として入所が認められる場合があります。居宅において日常生活を営むことが困難なやむを得ない事由があると認められた場合に、入所の対象となります。
要介護1・2でも入所できる特例入所の要件
特例入所の要件は以下のとおりで、いずれかに該当することが必要です。
- 認知症である者であって、日常生活に支障を来すような症状・行動や意思疎通の困難さが頻繁に見られる
- 知的障害・精神障害等を伴い、日常生活に支障を来すような症状・行動や意思疎通の困難さ等が頻繁に見られる
- 家族等による深刻な虐待が疑われること等により、心身の安全・安心の確保が困難である
- 単身世帯である、同居家族が高齢又は病弱である等により家族等による支援が期待できず、かつ、地域での介護サービスや生活支援の供給が不十分である
特別養護老人ホームの基本サービス内容
特別養護老人ホームでは、大きく分けると主に5つのサービスを提供しています。
1.日常生活の支援サービス
入所者が日々安心して暮らせるように、特別養護老人ホームでは食事・入浴・排泄などの生活全般を支援します。入所者一人ひとりの状態に合わせた介助を提供し、尊厳を守りながら快適な生活を支えるのが特徴です。
食事の提供
栄養バランスを考えた食事で健康維持をサポートします。
- 栄養士による献立作成と栄養管理
- 噛む力や飲み込みの状態に応じた刻み食・ソフト食・ペースト食などの形態調整
- 糖尿病や腎臓病などに対応した治療食・制限食の提供
- 食事介助が必要な方への個別サポート
- 食事の姿勢や食べるペースへの配慮
入浴サービス
安全面と快適さを重視し、入所者の状態に合わせた方法で実施します。
- 個浴・機械浴・シャワー浴・清拭など身体状況に応じた入浴方法の選択
- 手すりや滑り止めマットなど安全対策の徹底
- プライバシーに配慮した入浴環境の整備
- 入浴前後の体調確認とバイタルチェック
- 皮膚の状態観察と褥瘡予防
排泄介助
入所者の状態に応じた排泄ケアを行います。
- 生活リズムに合わせた定時のトイレ誘導
- おむつ交換やパッド交換
- ポータブルトイレの設置と介助
- 排泄パターンの把握と記録
- 皮膚トラブルの予防と清潔保持
身だしなみの支援
生活の質を維持するため、日常的な身だしなみを支援します。
- 着替えの介助と衣類の選択サポート
- 整髪・ひげ剃り・爪切りなどの整容介助
- 口腔ケア(歯磨き・義歯の手入れなど)
2.健康管理・医療サポート
入所者が安心して暮らせるよう、常勤・非常勤の看護職員が健康管理を行い、医師や薬剤師と連携。血圧・体温・脈拍などの定期的な健康チェック、服薬管理や服薬指導、緊急時の医療対応や病院搬送、必要に応じた診療や定期健康診断などを実施しています。
3.機能訓練・生活リハビリ
入所者の身体機能や日常生活能力の維持・向上を目的に、機能訓練も実施。食事・入浴・歩行などの動作訓練、個別または集団での運動・体操指導のほか、趣味活動や散歩を取り入れた生活リハビリも実施しています。
4.レクリエーション・交流活動
心身の健康を支えるため、入所者同士や地域との交流活動を行うことも。お花見・夏祭り・クリスマス会などの季節の行事、音楽・手芸・書道などの楽しい趣味活動のほか、地域ボランティアの訪問や近隣住民との交流など、地域との関わりの機会も設けています。
5.介護保険対象外のサービス
介護保険の範囲外で希望する施設の独自サービスについては、任意で追加費用を支払うことで利用することが可能です。理美容サービス、特別食や嗜好品、個室利用や特別設備の利用料などがこれに該当します。施設によりサービス内容は異なるため、入所を希望する施設へお問い合わせください。
東京都渋谷区内の特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設)一覧

渋谷区内には、地域密着型も含め10か所の特別養護老人ホームがあります。以下では、区内の特別養護老人ホームの情報一覧をご紹介します。
特別養護老人ホーム渋谷区美竹の丘・しぶや
| 所在地 | 東京都渋谷区渋谷1丁目18番9号 |
| 電話番号 | 03-5464-6800 |
日本赤十字社総合福祉センター特別養護老人ホーム レクロス広尾
| 所在地 | 東京都渋谷区広尾4丁目1番23号 |
| 電話番号 | 03-6861-4800 |
パール代官山
| 所在地 | 東京都渋谷区鉢山町3番27号 |
| 電話番号 | 03-5458-4811 |
渋谷区かんなみの杜・渋谷
| 所在地 | 東京都渋谷区神南1丁目8番6号 |
| 電話番号 | 03-5784-3870 |
渋谷区あやめの苑・代々木
| 所在地 | 東京都渋谷区代々木3丁目35番1号 |
| 電話番号 | 03-3372-1103 |
杜の風・上原特別養護老人ホーム正吉苑
| 所在地 | 東京都渋谷区上原2丁目2番17号 |
| 電話番号 | 03-6407-4233 |
渋谷区けやきの苑・西原
| 所在地 | 東京都渋谷区西原2丁目19番1号 |
| 電話番号 | 03-5453-0515 |
渋谷区つばめの里・本町東
| 所在地 | 東京都渋谷区本町3丁目46番1号 |
| 電話番号 | 03-6383-3870 |
特別養護老人ホーム つるとかめ
| 所在地 | 東京都渋谷区笹塚2丁目31番8号 |
| 電話番号 | 03-3376-1341 |
渋谷区総合ケアコミュニティ・せせらぎ(地域密着型)
| 所在地 | 東京都渋谷区西原1丁目40番10号 |
| 電話番号 | 03-5790-0887 |
特別養護老人ホームの料金・費用相場を紹介
特別養護老人ホームを検討する際、多くの方が気になるのが「毎月どのくらいの費用がかかるのか」という点です。
民間の有料老人ホームと比べて費用が抑えられるといわれる特別養護老人ホームですが、自己負担額は介護度や所得、利用するサービス内容によって異なります。以下では、料金の基本構造と費用目安を解説します。
基本的な費用構成
特別養護老人ホームの費用構成の内容は、大きく分けて以下の4つです。
- 介護サービス費:介護保険が適用され、原則1〜3割を自己負担。介護度が高くなるほど費用は上昇。
- 居住費(部屋代):居室のタイプ(多床室・個室など)によって金額が異なる。
- 食費:施設での食事にかかる費用。
- 日常生活費・加算費用:理美容代や嗜好品代、レクリエーション費等の実費負担のもの。
このうち、介護サービス費は公的保険で大部分がまかなわれるため、自己負担は全体の一部です。ただし、居住費や食費は原則全額自己負担となるため、トータルの費用を見積もる際には注意が必要です。
月額費用の目安(要介護5の場合)
| 介護負担割合 | 従来型(多床室) | ユニット型個室 |
|---|---|---|
| 1割 | 約104,000円〜146,000円 | 約135,000円〜201,000円 |
| 2割 | 約132,000円〜191,000円 | 約167,000円〜238,000円 |
| 3割 | 約161,000円〜235,000円 | 約199,000円〜274,000円 |
※上記は目安です。要介護度や施設の設備などの違いにより金額に幅があります。
※施設によってはこの他に雑費がかかる場合があります。詳細は各施設にお問い合わせください。
※医療費は上記に含まれません。
特別養護老人ホームへ入所する際に利用できる主な負担軽減制度

介護保険施設やショートステイを利用するとき、負担が大きくならないように支援するのが負担軽減制度です。所得や預貯金の状況によって居住費・食費が減額されるほか、社会福祉法人による独自の軽減制度を利用できる場合もあります。
以下では、渋谷区で利用できる主な負担軽減制度を紹介します。
1.居住費・食費の軽減
住民税非課税世帯や生活保護受給者などを対象に、施設の居住費と食費を軽減する制度です。
区へ申請し「負担限度額認定証」の交付を受けたら、施設に提示してください。申請月から軽減が適用されます。所得や預貯金額に応じて第1〜第3段階(第3段階は2区分)に区分され、軽減後の負担額は居住費が0〜1,370円/日、食費が300〜1,360円/日となります。
申請に必要なものは、介護保険負担限度額認定申請書・同意書、本人および配偶者の預貯金通帳などのコピー、身分証明書です。
なお、住民税課税世帯でも特例的に軽減を受けられるケースがあります。世帯の年間収入から施設利用料を除いた額が80万円以下で、預貯金等が450万円以下などの要件を満たす場合は、問い合わせてみてください。
2.社会福祉法人による利用者負担軽減制度
社会福祉法人が運営する特別養護老人ホームでは、低所得の方を対象とした独自の軽減制度を設けています。介護サービス費・食費・居住費の自己負担が対象で、軽減率は25%(老齢福祉年金受給者は50%)です。
利用するには、以下のすべてに該当する必要があります。
- 要介護1〜5の認定を受けている
- 住民税非課税世帯である
- 年間収入が150万円以下(世帯員1人増えるごとに50万円加算)
- 預貯金等が350万円以下(世帯員1人増えるごとに100万円加算)
- 介護保険料を滞納していない など
申請先は渋谷区役所5階の介護保険課 介護給付係で、窓口または郵送で受け付けています。申請月から適用となるため、該当しそうな方は早めに相談しておくと安心です。
3.高額介護サービス費の支給
1か月の利用者負担額が上限を超えた場合、超過分があとから払い戻される制度です。上限額は所得区分によって異なります。
| 区分 | 限度額 |
|---|---|
| 現役並み所得者(課税所得690万円以上) | 140,100円(世帯) |
| 現役並み所得者(課税所得380万円以上690万円未満) | 93,000円(世帯) |
| 現役並み所得者(課税所得145万円以上380万円未満) | 44,400円(世帯) |
| 一般 | 44,400円(世帯) |
| 住民税非課税 | 24,600円(世帯)/15,000円(個人) |
| 生活保護受給者 | 15,000円(個人) |
該当者には渋谷区から申請書が届きます。届いたら忘れずに手続きしましょう。ただし、食費・居住費・福祉用具購入費・住宅改修費は対象外です。
このほか、医療費と介護費を年間で合算して限度額を超えた分が支給される「高額医療・高額介護合算制度」もあります。
渋谷区の特別養護老人ホームへの入所・申し込みの手続きの流れ
渋谷区の特別養護老人ホームに入所を希望する場合は、「渋谷区指定介護老人福祉施設等入所申込書」に介護保険被保険者証のコピーを添えて、第1希望の施設へ提出します。申し込み施設数に制限はないため、区内施設を複数希望する場合も第1希望の施設へ提出してください。
申込書は渋谷区公式サイトからダウンロードできますが、渋谷区内の特別養護老人ホームや地域包括支援センターなどでも入手可能です。
申し込みの有効期限は要介護認定の有効期間までで、有効期限を過ぎても3か月以内に再申請がない場合は取り下げ扱いとなりますので注意しましょう。また、要介護認定期間の更新時、要介護度の変更時、希望施設の変更時などは再提出が必要です。
その他、注意事項などについてはこちらもご確認ください。
特別養護老人ホームの選び方を解説

「入れる施設」ではなく「安心して暮らせる施設」を選ぶことが大切です。
特別養護老人ホームは、要介護3以上の方が長期的に生活する「介護付きの住まい」。どの施設も同じように見えますが、運営方針・介護体制・生活環境には大きな違いがあります。
以下では、後悔しない施設選びのために押さえておきたいポイントを解説します。
① 介護体制と医療連携を確認する
施設によって、介護職員の配置数や看護師の勤務時間、医療機関との連携内容は異なります。
- 夜間の看護師体制はあるか
- 嘱託医や連携病院はどこか
- 緊急時(発熱・転倒・持病の悪化など)の対応は?
慢性疾患や服薬管理が必要な方は、医療対応力の高い施設を選ぶと安心です。
② 居室環境と生活の雰囲気を確認する
ユニット型(個室中心)か従来型(多床室中心)かで、暮らし方は大きく変わります。個室はプライバシーを保てる反面、費用がやや高め。多床室は費用を抑えられますが、他の入所者との関係性も考慮が必要です。
見学時には、
- 居室の広さ・明るさ・清潔感
- 共用スペースの使いやすさ
- 職員や入所者の表情・雰囲気
といった点を必ず見学時に確かめることをおすすめします。
③ 食事・栄養管理の工夫を見る
食事は入所後の大きな楽しみの1つです。
- 嚥下食・刻み食などへの対応は?
- 管理栄養士が常駐しているか?
- 季節行事や行事食の提供があるか?
「おいしさ」「安全性」「楽しみ」を両立できる施設ほど、生活の満足度は高くなります。
④ 立地・アクセスを確認する
特別養護老人ホームは長期入所が前提です。家族が無理なく通える距離かどうかも重要なポイントとなります。
- 自宅や家族の職場からの所要時間
- 公共交通機関でのアクセス(バス便・駅からの距離)
- 駐車場の有無や面会時の利便性
「近いから」という理由だけで選ぶ必要はありませんが、定期的に顔を見に行ける距離感は、入所者本人の安心にも家族の負担軽減にもつながります。
⑤ 家族との関係づくりを支援しているか
入所後も、家族とのつながりを大切にできる施設かどうかは見逃せないポイントです。
- 面会や外出・外泊の柔軟性
- 家族会やケア会議への参加の可否
- 情報共有の方法(電話・LINE・メールなど)
「離れても見守れる」仕組みがあると、家族の安心感が違います。
⑥ 費用と負担軽減制度を早めに確認する
費用は、要介護度・施設形態・居室タイプによって異なり、目安は月8〜13万円前後(1割負担の場合)です。所得に応じて食費・居住費の軽減制度や、社会福祉法人による利用者負担軽減制度を利用できる場合もあります。早めに区役所や施設職員へ相談して、制度を活用しましょう。
⑦ 見学・面談は必ず行う
パンフレットやWeb情報だけでは分からないのが、職員の対応や施設の雰囲気です。見学時は「清潔さ」「職員の笑顔」「入所者の表情」「匂い」「音の静かさ」を確認し、疑問点はその場で直接聞いてください。
まとめ:渋谷区で特別養護老人ホームを選ぶために
渋谷区で特別養護老人ホームを選ぶ際は、介護・医療体制が本人の状態に合っているか、居室タイプや食事など暮らしやすさはどうか、そして費用や申し込みのタイミングを意識することが大切です。
夜間の看護体制や緊急時の対応、嘱託医との連携は施設ごとに異なるため、持病がある方は医療対応力を確認しておくと安心です。また、渋谷区は都心で利便性が高い一方、施設数が限られているため、複数の施設を比較しながら早めに申し込みを進めましょう。
見学で雰囲気や職員の対応を確かめつつ、負担軽減制度など区の支援も活用しながら、納得のいく施設選びを進めてください。
参照元:介護老人福祉施設・地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護、介護事業所・生活関連情報検索 介護サービス情報公表システム どんなサービスがあるの? – 介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)、渋谷区 特別養護老人ホーム(指定介護老人福祉施設)について、施設サービス利用者負担額の軽減など、高額介護サービス費の支給など、渋谷区の介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)申込みにあたって 、申し込み・入所待ち期間中の注意事項、渋谷区指定介護老人福祉施設一覧






