ご家族が安全に暮らし続けられるようにするために、自宅の環境を整える「住宅改修」。杉並区では、介護保険を利用して手すりの取り付けや段差の解消など、日常生活を続けるうえで必要な改修工事をサポートしています。
ただ、手続きには専門用語や書類が多く、どこから始めればいいのか不安に感じる方も少なくありません。ここでは、はじめての方でも迷わないように、必要な流れや注意点をやさしくまとめました。
この記事でわかること
- 杉並区で介護保険の住宅改修費を申請するときの流れと必要書類
- 対象となる工事の種類と支給限度額・自己負担の割合
- 杉並区独自の設備給付制度の内容と利用条件
目次
住宅改修費とは?
要支援・要介護認定を受けている方が、自宅で安全に暮らすために必要な小規模改修を行う際、費用の一部を介護保険で支給する制度です。
対象となる主な工事
転倒の不安を軽くしたり、動作をしやすくしたりするための工事が対象になります。
- 手すりの取り付け
- 段差の解消(スロープ、床のかさ上げなど)
- 滑りにくい床材への変更
- 開き戸から引き戸への交換
- 和式便器から洋式便器への交換
対象外となる工事がある点にも注意が必要
安全や自立につながらない改修は、介護保険の対象外です。
- 老朽化による修繕
- 住宅全体の大規模リフォーム
- 身体の状態に関係のない改修
支給限度額と負担割合
支給限度額は、現在お住まいの住所につき20万円までとなっており、使い切らなかった分は次回の住宅改修に持ち越すことができます。費用の自己負担は、所得に応じて1〜3割です。
住宅改修の準備はケアマネジャーとの相談から
住宅改修を進めるには、最初にケアマネジャー(介護支援専門員)が作成する「住宅改修が必要な理由書」が必要です。ケアマネジャーがいない場合は、地域包括支援センター(ケア24)でも相談できます。
手続きの流れ
住宅改修は、工事の前後で2回の申請を行う仕組です。まず工事前に「事前申請」を行い、区の審査を通過すると「確認書」が届きます。この確認書が届く前に工事を始めてしまうと給付が受けられなくなるため、必ず確認書が届いてから工事に進むようにしましょう。
工事前に必要な書類
書類は多いですが、ケアマネジャーや地域包括支援センターのサポートを受けながら進められますのでご安心ください。
必要な書類
- 住宅改修費支給申請書 ※償還払いと受領委任払いで様式が異なります
- 住宅改修が必要な理由書(原本+写しの2部)※こちらも制度により様式が異なります
- 見積書(工事場所・事業者名入り、社印・代表者印あり)
- 改修前の写真(撮影日入り、各箇所ごとに)
- 図面(平面図や動線が分かるもの)
- 委任状(受領委任払いの場合)
- 本人名義の金融機関口座(償還払いの場合)
電子申請ができるケースと書類提出時の注意
住宅改修の申請は、区役所への窓口提出や郵送に加えて、マイナポータルの「ぴったりサービス」から電子申請することもできます。ただし、電子申請が利用できるのは償還払い制度の場合のみです。また、賃貸住宅で工事を行う際は、大家さんの承諾書が必要になります。提出した書類は返却されないため、必要に応じてコピーを取っておくと安心です。
工事後に必要な書類
工事が終わったら、次の書類を区に提出します。
必要な書類
- 領収証(申請者本人名義・原本)
- 工事内訳書
- 改修後写真(改修前と同じ構図で撮影)
- 改修完了確認書
- 請求書(受領委任払い制度の場合)
申請してから給付金が振り込まれるまでの期間は、1〜1.5カ月程度です。
申請に必要な書類は、「介護保険居宅介護(介護予防)住宅改修費支給申請書等一式」のページからダウンロードできます。
振込先の口座についての注意点
給付金の振込先は、原則として申請者本人名義の口座になります。家族名義など別の口座への振込を希望する場合は、委任状に加えて、申請者との関係を証明する書類(戸籍謄本など)の提出が必要です。手続きが増えてしまうため、可能であれば本人名義の口座を利用するとスムーズに進みます。
杉並区独自の「設備給付」について
杉並区には、住宅改修とは別に「設備の交換」をサポートする独自制度があります。
対象の工事
- 浴槽の取替え
- 流し・洗面台の車いす対応化
- 便器の洋式化
支給限度額(自己負担1割あり)
- 浴槽の取替え:379,000円
- 流し・洗面台:156,000円
- 便器の洋式化:106,000円
※浴槽と便器は、住宅改修費の残額がある場合のみ利用可能
注意点:見積書は複数必要になる場合があります
浴槽の見積額が20万円を超える場合は2社以上の見積書が必要です。その際、区が支給額を計算する際には、提出された見積書のうち安い方の金額を基準に算定されます。
申請窓口と受付時間
住宅改修の申請は、介護保険課給付係(区役所東棟3階)で受け付けています。窓口の受付時間は 平日(月〜金)8:30〜17:00 です。来庁が難しい場合は、郵送での申請も利用できます。
住宅改修を安心して進めるために
住宅改修は、高齢のご家族が自宅で安全に暮らし続けるための大切な支援です。しかし、制度の仕組みや申請手続きは少し複雑に感じることもあります。工事内容が給付対象にあたるかどうか、必要な書類がそろっているか、どの支払い方法を選ぶかなど、事前に知っておくことで、スムーズな申請につながります。
制度を正しく理解し、適切な流れで進めることで、住み慣れた自宅での暮らしがより安全で豊かなものに。家族にとっても、安心して在宅生活を支えるための大きな一歩となります。
参照元:杉並区 介護保険居宅介護(介護予防)住宅改修費支給申請書等一式





