令和7年12月25日、厚生労働省より高齢者施設と協力医療機関の連携状況に関する調査の速報値が公表されました。
令和6年度の介護報酬改定では、入所者の急変時に備えた医療機関との連携強化が義務化(一部努力義務)されています。経過措置終了(令和9年3月末)まで残り1年余りとなり、現在の進捗と課題が浮き彫りとなりました。
この記事でわかること
- 協力医療機関に求められる3つの要件(24時間相談・常時診療・入院受入れ)
- 施設種別ごとの連携体制の整備状況(速報値)
- 経過措置終了に向けた自治体の支援策
目次
協力医療機関に求められる「3つの要件」
特養や老健等の施設には、以下の体制を持つ医療機関を定めることが義務付けられています。
- 24時間相談対応:医師や看護職員が常時相談に応じる体制。
- 常時診療:夜間・休日を含め、必要に応じて診療を行う体制。
- 原則入院受入れ:入院が必要と判断された際、原則として受け入れる体制。
現在の整備状況(速報値)
全要件を満たす協力医療機関を確保できている施設の割合は以下のとおりです。
| 施設種別 | 全要件の充足率 |
|---|---|
| 介護老人福祉施設(特養) | 67.9% |
| 介護老人保健施設(老健) | 83.3% |
| 介護医療院 | 84.9% |
| 養護老人ホーム | 60.4% |
老健等に比べ、特養や養護老人ホームでは依然として3〜4割の施設で体制整備が途上にあります。また、自治体側の集計・把握が十分でないケースも1〜3割程度見受けられました。
今後の対応と自治体への支援要請
厚労省は、連携が未完了の施設に対し、以下の支援・指導を強化するよう自治体に求めています。
- マッチング支援:連携先が見つからない施設へ、地域の医療機関リストを提供し調整を助ける。
- 広域的な調整:市区町村内での確保が困難な場合、都道府県が「地域医療構想調整会議」等を活用して広域的な連携を支援する。
- 運営指導の活用:集団指導等の場で制度を周知し、速やかな取組を促す。
入所者が急変時に安心して医療を受けられる体制を築くため、地域一体となった取り組みが急がれます。





