介護分野の人材不足が厳しい状況にあることを踏まえ、厚生労働省は令和7年12月25日付通知で「令和7年度 介護分野の職員の賃上げ・職場環境改善支援事業」を示しました。適用は令和7年12月16日からとなります。令和8年度の介護報酬改定を待たず、人材流出を防ぐための緊急的対応として、賃上げと職場環境改善を支援する制度です。
この記事でわかること
- 令和7年度「介護分野の職員の賃上げ・職場環境改善支援事業」の目的と概要
- 対象となるサービス・事業所と補助額の算定方法
- 申請に必要な計画書・実績報告書の提出と保管のポイント
目次
事業の目的と実施主体
本事業は、他産業との差が残る介護職員の処遇改善を進めるため、賃上げや職場環境改善を後押しすることを目的としています。実施主体は都道府県で、管内の市町村(特別区含む)への周知が求められています。
対象となる事業所と基準月
対象は、訪問・通所・入所系サービスに加え、訪問看護や居宅介護支援(ケアマネ)などを行う介護サービス事業所・施設です。ただし、居宅療養管理指導、福祉用具貸与・販売は対象外となります。
基準月は原則、令和7年12月とされ、同月のサービス提供による報酬額を基に、原則6か月分の補助額を算出します。なお、令和8年4月以降の新規開設事業所や、計画書提出時点で廃止・休止が明らかな事業所等は対象外です。
補助額の算定と使い道
補助額は「基準月の介護総報酬×交付率」で算定(1円未満切り捨て)。交付率はサービス類型と要件により表で定められており、賃金改善経費分として算出された額は、基本給・手当・賞与等の賃金改善に充てる必要があります。賃金改善の対象項目を特定し、前年同時期と比べて平均的な賃金水準を低下させないことが求められます。
本事業の補助金は、①介護従事者への幅広い賃上げ支援、②生産性向上や協働化に取り組む事業所への上乗せ支援、③職場環境改善支援の3つで構成。②の上乗せを受けるには、ケアプランデータ連携システムへの加入や生産性向上推進体制加算の算定などが求められます。
申請・報告で必要なこと
事業者は計画書を都道府県に提出し、要件や補助金の充当方法を示します。実績報告書も提出し、2年間保存が必要です。
また、計画書の根拠資料として就業規則や労働保険加入が確認できる書類等を保管し、求めがあれば提示します。様式は原則変更せず、押印は不要とされています。
制度を活用するために事業所が確認すべきポイント
本事業は、賃上げと職場環境改善を同時に後押しする緊急支援です。対象サービスや要件、計画書・実績報告の対応を早めに確認し、制度を適正に活用することが重要です。
参照元:厚生労働省 介護保険最新情報 令和7年度介護分野の職員の賃上げ・職場環 境改善支援事業の実施についてVol.1454 令和7年12月25日





