厚生労働省が公表した「介護給付費等実態統計月報(令和7年8月審査分)」によると、介護予防サービス・介護サービスともに、前年同月比で受給者数および費用額は増加傾向を維持しています。一方で、分野ごとに増加率の差も見られ、4月審査分と比較すると動きの変化も確認できます。
この記事でわかること
- 令和7年8月審査分の介護予防サービス・介護サービスの受給者数と費用額の最新動向
- 要介護度別・サービス形態別に見る利用状況の変化と傾向
- 4月審査分との比較から読み取れる、介護予防の拡大と在宅シフトの流れ
目次
介護予防サービス|受給者数は99万人台に到達
介護予防サービスの受給者数は99万4,600人となり、前年同月比で4.6%増でした。4月審査分では96万人台でしたが、8月時点ではさらに増加し、100万人に迫る水準となっています。
内訳は以下のとおりです。
- 要支援1:39万8,900人(5.2%増)
- 要支援2:59万1,400人(4.1%増)
4月審査分と同様、要支援1・2ともに増加しており、介護が本格化する前段階でのサービス利用が定着しつつある状況が続いています。なお、総数には介護予防支援を含み、月途中で要支援から要介護に変更となった人は、総数には含まれるものの内訳には含まれません。
介護サービス全体|受給者数は横ばいに近い伸び
要介護1〜5の介護サービス受給者数は481万7,200人で、前年同月比0.3%増となりました。4月審査分(1.3%増)と比べると、伸び率はやや鈍化しています。
要介護度別では次のとおりです。
- 要介護1:129万5,500人(1.3%増)
- 要介護2:116万4,300人(0.7%増)
- 要介護3:92万3,800人(0.1%増)
- 要介護4:88万3,800人(0.2%増)
- 要介護5:54万9,700人(2.1%減)
4月審査分に続き、要介護5のみ減少しており、重度者数は引き続き抑制傾向が見られます。重度化防止の取り組みや在宅療養・看取りの広がりなどが影響している可能性も考えられます。
サービス形態別の利用状況
介護サービスをサービス形態別に整理すると、次のとおりです。
- 居宅サービス:356万4,300人(1.0%増)
- 地域密着型サービス:94万6,900人(0.2%増)
- 施設サービス:98万5,800人(0.1%減)
4月審査分ではすべて増加していましたが、8月審査分では施設サービスが前年同月比で微減となりました。居宅サービスの利用増加傾向は続いており、「可能な限り在宅で生活を続けたい」というニーズが、引き続き数字にも表れています。
費用額と受給者1人当たり費用
8月審査分の費用額は以下のとおりです。
- 介護予防サービス:285億1,000万円(5.8%増)
- 介護サービス:1兆129億4,900万円(1.5%増)
受給者1人当たり費用額は、
- 介護予防サービス:2万8,700円(1.2%増)
- 介護サービス:21万300円(1.2%増)
4月審査分と比べると、費用額・1人当たり費用ともに増加率はやや落ち着いた水準となっています。人件費や物価上昇の影響は続くものの、急激な費用増という状況ではないことが読み取れます。
4月審査分との比較から見えるポイント
令和7年8月審査分の介護給付費等実態統計からは、介護予防サービスを中心に受給者数の増加が続いている一方、介護サービス全体では伸びが緩やかになりつつある状況が確認できました。特に、要介護5の受給者数が減少傾向にある点や、居宅サービス利用が引き続き増えている点は、4月審査分と共通する特徴といえます。
また、費用額・受給者1人当たり費用はいずれも前年同月比で増加しているものの、増加のペースは4月時点よりも緩やかな状況です。利用者数の増加に加え、人件費や物価上昇といった要因が続くなかで、費用構造は一定の水準で推移している状況がうかがえます。
今回の月次データからは、介護予防の重要性が高まり、在宅を軸としたサービス利用が定着しつつある流れが、引き続き数字として示されました。今後も、月ごとの統計動向を注視しながら、介護サービスの需要構造や制度運営の変化を捉えていくことが重要となりそうです。
参照元:厚生労働省 介護給付費等実態統計月報(令和7(2025)年8月審査分)結果の概要、介護給付費等実態統計月報(令和7年4月審査分)結果の概要





