令和6年度介護報酬改定後、介護現場ではテクノロジー活用を軸に働きやすい職場づくりが進められています。介護給付費分科会の調査研究(令和7年9〜11月、回収6,876件・回収率35.3%)では、導入状況や効果、課題が整理されました。
この記事でわかること
- 介護テクノロジーの導入状況と、施設系で約85〜90%に達した普及の実態
- 生産性向上推進体制加算の算定効果と、上位加算への移行を阻む要件・費用の壁
- 介護助手の活用状況と、職員の負担軽減につながった効果
目次
施設系では導入が進展
「重点分野の介護テクノロジー」「ウェアラブル」「連絡調整ICT(インカム等)」のいずれかを導入している割合は、介護老人福祉施設で約90%、介護老人保健施設・短期入所療養介護で約85%でした。居住系・入所/泊まり系では、介護業務支援機器56.4%(令和4年度10.2%)、見守り支援機器47.2%(同30.0%)と、令和4年度調査と比較すると増加がみられます。導入のきっかけは管理職からの提案が最多でした。
加算の広がりと要件の壁
請求実績データでは、生産性向上推進体制加算Ⅰは介護予防特定施設8.7%、特定施設7.9%が高水準でした。加算Ⅱは老健33.2%、短期入所療養(老健)32.4%、介護福祉施設31.9%と施設系で広がっています。
一方、加算Ⅱ算定施設が加算Ⅰを算定しない理由として「見守り機器を利用者全員分導入することが難しい」(61.6%)、「インカム等を全職員分導入することが難しい」(56.3%)が挙げられました。
効果は負担軽減、課題は費用
加算算定施設が感じた効果は「職員の精神的・身体的負担軽減」(61.2%)が最多で、「夜間の利用者の状況について把握しやすくなった」(47.7%)が続きます。電子申請データ上では、加算Ⅰのみの施設では月平均残業3.96時間、有休10.26日という数値が示されています。
一方、テクノロジーを未導入の施設・事業所では「導入費用が負担」(67.9%)、「ランニングコストが負担」(48.8%)が主な理由です。
介護助手の活用も進む
有償の介護助手を活用している施設は39.0%。主な業務は清掃やリネン交換で、「身体的負担軽減」(78.5%)などの効果が示されました。
持続可能な生産性向上に向けて
テクノロジーと体制整備は一定の成果を示していますが、費用や導入要件が普及の壁です。今後は、費用面や導入要件を含めた支援のあり方が注目されます。
参照元:厚生労働省 (4)介護現場における生産性の向上等を 通じた働きやすい職場環境づくりに資する 調査研究事業 (結果概要)(案)





