2026年1月22日、株式会社ニチイ学館は、介護職員11,120人を対象とした「介護業務の負担・課題に関する調査」の結果を発表しました。全サービス共通の負担1位は「移乗支援」でしたが、訪問介護では「移動」が最多となるなど、サービス形態によって現場が抱える具体的な苦労の違いが浮き彫りになっています。
現場が最も負担に感じる業務:1位は「移乗支援」

介護業務の中で「最も負担が大きい」と回答された業務の全体ランキングは以下のとおりです。
- 1位:移乗支援(19.8%)
- 2位:スタッフ自身の移動(17.6%)
- 3位:入浴支援(12.4%)
特に「移乗支援」は、50代から70代の職員の間で負担感が上昇する傾向にあり、加齢に伴う身体的ダメージの深刻さがうかがえます。
サービス種別で異なる「負担」の正体

従事するサービスによって、抱える課題の内容には明確な違いが見られました。
通所介護(デイサービス)
「移乗支援」に次ぎ、「入浴支援」の負担が高いのが特徴です。分析の結果、介助そのもの以上に「浴室環境の暑さ」が体力を削る大きな要因(60.1%)であることが判明しました。
訪問介護
「スタッフ自身の移動」が28.2%で最多。その課題の9割以上が「移動時間と効率性」に集中しており、移動の多さが業務を圧迫しています。
グループホーム
移乗以外に「見守り・コミュニケーション」や「徘徊防止」が上位に。人手不足や環境による「見守りの難しさ」が精神的な負荷となっています。
テクノロジー活用による現場改善と介護DXの推進
ニチイ学館は、2025年4月に設立した研究組織「GENBA SMILE Lab」を中心に、これらの課題をテクノロジーで解決する検討を開始しています。移乗支援を軽減する「介助アシスト」や、訪問介護の移動効率化など、現場の実情に即した解決策の導入を進める方針です。共通の悩みである「腰痛・身体的負担」に対し、介護DXがどこまで寄与できるか、今後の展開が注目されます。
編集部より
今回の調査で特筆すべきは、単なる肉体的疲労だけでなく、訪問介護における「移動」や、デイサービスにおける「浴室の暑さ」といった環境要因が、職員の定着を阻む大きな壁となっている点です。テクノロジーによる自動化だけでなく、オペレーションの最適化や設備投資が不可欠である現状を裏付けています。現場の声を吸い上げた本調査結果が、実効性のある労働環境改善へ繋がることが期待されます。
参照元:プレスリリース





