2025年10月21日、株式会社ロッテは、ガムを使用した口腔健康プログラムがもたらす介護費の抑制効果に関する推計結果を発表しました。多くの人にとって身近な「噛む」という行為が、口腔機能の維持を通じて健康寿命の延伸や社会保障費の抑制に貢献しうる可能性を示唆するもので、手軽な健康習慣が社会全体に与える影響として注目されます。
「オーラルフレイル予防」が鍵に
プレスリリースによると、この推計は愛知県豊田市での実証事業のデータを基に算出されたものです。試算では、プログラム参加によって一人当たり年間約4.2万円の介護費抑制効果が期待でき、もし全国の65歳以上の要介護でない高齢者全員が参加したと仮定すると、最大で年間約1.2兆円の介護費を抑制できる可能性があるとしています。
近年、口の機能の些細な衰えである「オーラルフレイル」が、全身の活力低下である「フレイル」の入り口となり、要介護状態に至るリスクを高めることが指摘されています。ガム咀嚼を含むお口のエクササイズと、地域住民が集う「通いの場」を組み合わせた本プログラムは、このオーラルフレイル対策の重要性を社会的なインパクトという具体的な数値で示した点で意義深いと言えるでしょう。
手軽な習慣が介護予防の第一歩に
介護予防というと、特別な運動や厳格な食事管理をイメージしがちですが、「ガムを噛む」という日常的で手軽な行為がその第一歩となり得るという事実は、多くの高齢者にとって実践のハードルを大きく下げるものです。企業が長年培ってきた「噛むこと」に関する研究成果を、社会課題の解決に結びつけようとするこの取り組みは、今後のヘルスケア分野における産学官連携のモデルケースとなる可能性を秘めています。
もちろん、この推計が「全国の高齢者全員が参加するという強い仮定」に基づいた試算であるという留意点も示されています。しかし、身近な口腔ケアがもたらす社会的便益の大きさを可視化したことは、今後の介護予防政策や、私たち一人ひとりの健康意識に一石を投じるものとなりそうです。
参照元:プレスリリース





