自宅の浴室を安全で使いやすい環境に整えることは、要介護者の生活の質を支える上でとても大切です。中でも入浴は日常生活の中でも負担が大きく、段差の解消や滑り防止といった改修が求められる場面も少なくありません。
ただし、ユニットバスの工事については介護保険の住宅改修制度の対象とならない場合もあるため、制度の仕組みや申請のルールを理解しておくことが重要です。本記事では、江戸川区の最新通知をもとに、住宅改修の対象となるケースや申請時の注意点について詳しく解説します。
この記事でわかること
- 介護保険の対象になる工事と申請書類
- 按分による費用計算のルール
- 相談窓口と独自助成制度
目次
介護保険で支給対象になる工事とならない工事
介護保険の住宅改修費は、要介護者が自宅で安全に暮らし続けるための生活環境を整えることを目的としています。そのため、ユニットバス全体の交換や見た目を一新するだけのリフォームは支給対象になりません。一方で、次のような生活動線や安全性の確保に直結する改修は対象として認められる可能性があります。
- 浴室出入口や浴槽の段差解消
- 滑り防止のための床材変更
- 開き戸から引き戸などへの扉交換
改修の必要性は、要介護者の心身の状態や住宅の構造、動線、福祉用具の導入状況などを踏まえて総合的に判断されます。具体的な判断に迷う場合は、ケアマネジャーや地域包括支援センター(熟年相談室)へ早めに相談すると安心です。
書類不備を防ぐために|申請時に必要な書類
住宅改修の事前申請では、通常の書類に加えて、以下のいずれかの資料を提出する必要があります。
- メーカーが作成した材料費の内訳書
- 品番・仕様・図面・標準価格が記載されたパンフレット
これらの資料は、改修の必要性や費用内訳を明確に示すための重要な書類です。提出漏れや記載不足があると審査が滞ることがあるため、事前にしっかりと準備しておきましょう。
「按分」がポイント|費用の内訳を明確にする
ユニットバス工事において介護保険の対象となる部分を判断する際、重要になるのが「按分(あんぶん)」です。按分とは、工事費用を対象部分と対象外部分に分けることを指します。
江戸川区では、メーカーへの確認をもとに見積書を作成することが推奨されていますが、確認が難しい場合は下記の「按分基準表」を目安に計算します。
| 工事箇所 | 按分率(支給対象) |
| 浴槽 | 15% |
| 床 | 20% |
| 扉 | 10% |
| 壁 | 20% |
| 天井 | 15% |
| 器具 | 10% |
| その他 | 10% |
按分率は例外も可能|根拠を明確にすることが大切
上記の按分率はあくまで目安であり、住宅の構造や工事内容によって異なる場合があります。そのため、基準表以外の按分率を用いる場合には、その合理的な根拠を示した上で工事見積書を作成が必要です。施工費の算出についても同様で、按分率を変更する際は理由を明記しておくことが求められます。
施工費計算は「1円未満切り捨て」がルール
施工費は、ユニットバス全体の組立費用を税抜標準価格の10%を目安に算出し、その金額に「按分基準表」に基づく割合を掛けて算出。このとき、1円未満は切り捨てるという決まりがあります。細かな部分ですが、正確な計算を行うことで申請書類の信頼性が高まります。
見積書・請求書には「対象・対象外」を明記
事前申請時の工事見積書や、工事完了後に提出する請求書(工事内訳書)には、介護保険の支給対象部分と対象外部分の金額を明記することが必要です。対象と対象外が明確に分かれていることで、審査が円滑に行われるため、必ず分けて記載しましょう。
地方自治体独自の助成制度も確認を
江戸川区では、介護保険制度とは別に「住まいの改造助成事業」によってユニットバス工事の助成を受けられる場合もあります。ただし、支給要件が介護保険とは異なるため、事前に詳細を確認しておくことが大切です。
問い合わせ
介護保険住宅改修におけるユニットバス工事の取り扱いについての問い合わせ先は江戸川区福祉部介護保険課給付係です。
- 住所:〒132-8501江戸川区中央1-4-1
- 電話:03-5662-0309
制度の仕組みを理解して安心・安全な浴室づくりを
ユニットバスの工事は「全体交換=対象外」という印象を持たれがちですが、実際には介護の必要性が認められる部分を明確にし、費用を按分することで支給対象となるケースがあります。
申請の際には、必要性の説明や費用の根拠の明示、正確な計算など、基本的なポイントを丁寧に押さえておくことが大切です。
参照元:江戸川区 介護保険住宅改修におけるユニットバス工事の取り扱いについて





