介護分野の行政手続きが、全国的に大きく転換しています。瑞穂町では、これまで紙で行ってきた介護事業者の指定申請や各種届出について、令和8年4月以降の申請から「電子申請届出システム」へ全面移行することを発表しました。
本記事では、制度の背景から対象手続き、事業者が事前に準備しておくべきポイントまでを、実務目線で整理します。
この記事でわかること
- 瑞穂町の電子申請届出システムの運用開始時期と対象手続き
- GビズIDの取得など事業者が行うべき事前準備
- 電子申請で「出したつもり」を防ぐための実務上の注意点
目次
電子申請導入の背景|全国統一の仕組みへ
今回の電子化は、単なる自治体独自のDX施策ではありません。背景にあるのは、「規制改革実施計画」です。この計画では、介護サービスに関する指定申請・変更届・加算届出などの手続きを、自治体ごとに完結させるのではなく、全国共通の電子システムで行えるようにする方針が示されました。
これを受け、厚生労働省が構築したのが「電子申請届出システム」です。令和7年度までに、すべての自治体で運用を開始することが定められており、瑞穂町もこの流れに沿って導入を進めています。
瑞穂町での運用開始時期に注意
瑞穂町における運用スケジュールは、以下のとおりです。
- 令和8年3月31日:電子申請届出システムの運用開始
- 令和8年4月1日:電子申請による受付の開始
なお、令和8年3月末までは従来どおり紙様式での提出となります。3月と4月で申請方法が切り替わるため、更新申請や加算届出の時期が重なる事業所は特に注意が必要です。
電子申請の対象となる手続き
電子申請届出システムでは、以下のサービス種別および手続きが対象となります。
対象サービス
- 地域密着型サービス
- 居宅介護支援
- 介護予防支援
- 介護予防・日常生活支援総合事業
対象手続き
- 新規指定申請
- 指定更新申請
- 変更届
- 廃止・休止届
- 再開届
- 介護給付費算定に係る届出(加算届出)
実務上よく発生する「人員変更」「管理者変更」「加算の算定開始・変更」なども、今後は電子申請が基本となります。
事業者が必ず行うべき事前準備
電子申請届出システムを利用するためには、事前にいくつかの準備が必要です。特にID取得や証明書の扱いは、申請直前では対応が間に合わない場合があります。
1.GビズIDの取得
電子申請届出システムの利用にはGビズIDが必須です。注意点として、エントリーIDは使用不可であり、以下のいずれかのIDが必要です。
- GビズIDプライム
- GビズIDメンバー
IDの申請から取得まではおおむね2週間程度かかるため、直前の対応では間に合わない可能性があります。まだ取得していない法人は、早めの申請が重要です。
2.登記事項証明書の電子対応
法人の「登記事項証明書」を電子申請で添付する場合、「登記情報提供サービス」から取得したデータを添付する形になります。
もし同サービスを利用できない場合は、以下の対応が求められます。
- 登記事項証明書の原本写しをPDF化して添付
- 原本は別途、郵送または窓口提出
一部に紙での運用が残る点は、事前に認識しておくと安心です。
操作方法・様式は事前確認を
電子申請届出システムへのログイン後、操作方法はシステム内の「ヘルプ」マニュアルで確認できます。
また、添付する様式については、手続きの内容に応じて以下の様式を使用します。
- 指定・変更関係:厚生労働省が定める共通様式
- 加算届出:体制届出に関する通知様式
これまで自治体独自様式に慣れていた事業所ほど、様式の差し替え忘れには注意が必要です。
実務上の注意点|「出したつもり」を防ぐ
電子申請では、提出完了後にシステムから通知メールが届く仕組みです。このメールが届いていない場合、申請が完了していない可能性があります。また、システムメンテナンス等により、一時的に申請できない時間帯が発生する場合もあります。締切直前の申請は避け、余裕を持った対応が重要です。
令和8年4月を見据えた早めの準備を
瑞穂町の電子申請化は、全国的な制度改正の流れの一環であり、今後はほかの自治体でも同様の対応が順次進んでいくと考えられます。事業者にとっては、当初は負担が増えたように感じられる場面もあるかもしれませんが、申請履歴を一元的に管理できる点や、書類作成・提出にかかる手間を軽減できるといったメリットもあります。
特にGビズIDの取得は、介護分野に限らず、今後さまざまな行政手続きで求められる共通基盤となるものです。「まだ先の話」と後回しにせず、早めに準備を進めておくことが、実務上の混乱を防ぐ重要なポイントといえるでしょう。
参照元:瑞穂町 介護事業者の指定申請等に係る「電子申請届出システム」





