東京都北区には16か所のグループホーム(認知症対応型共同生活介護)があり、入居には「認知症の診断」「要支援2以上」「北区に住民票があること」が条件となります。
グループホームは”施設”というより、認知症のある方が少人数で共同生活を続けるための”住まい”。ただし、費用の内訳や医療連携の体制、認知症ケアの方針は事業所ごとに異なるため、複数の施設を比較して選ぶことが大切です。
この記事では、北区公式情報と公的な事業所情報をもとに、比較に必要な論点を一つずつ整理します。
目次
東京都北区のグループホーム(認知症対応型共同生活)とは?

北区で認知症のご家族の住まいを探していると、「グループホームと特別養護老人ホームは何が違うの?」という疑問が浮かぶかもしれません。
グループホームの正式名称は「認知症対応型共同生活介護」。北区が指定する地域密着型サービスの1つで、大規模な施設とは異なり、認知症の方が地域のなかで暮らし続けるための”第二の我が家”といえる存在です。
グループホーム(認知症対応型共同生活介護)の特徴
グループホームは、1ユニット9名以下という少人数制の介護保険サービスです。料理や掃除、洗濯などの家事をスタッフと分担しながら、家庭に近い雰囲気のなかで日々を過ごします。
最大の特徴は、ケアを一方的に受けるのではなく、「自分でできること」は本人が担い、「サポートが必要な部分」をスタッフが補うという考え方。毎日の暮らしが自然なリハビリとなり、認知症の進行をゆるやかにしながら生活機能を保つことを目指します。
少人数で顔なじみの仲間と生活するため、次のようなメリットがあります。
- 新しい環境への戸惑いが生じにくい
- 個々の生活ペースに柔軟に対応できる
- スタッフの目が行き届きやすい
入居条件|北区のグループホームを利用できる人
北区のグループホームは介護保険の「地域密着型サービス」です。認知症であれば誰でも入居できるわけではなく、介護保険上の要件に加え、共同生活が可能であることが求められます。
①医師から認知症の診断を受けていること
入居にあたっては、医師による認知症の診断が必須となります。アルツハイマー型や脳血管性、レビー小体型など認知症の種類は問われませんが、診断書または主治医意見書で客観的に確認できることが条件です。
②要支援2以上の認定があること
介護保険の要介護認定において「要支援2」もしくは「要介護1〜5」と判定されている方が対象となります。要支援1の方は利用対象外です。認定申請は北区役所の介護保険課で受け付けており、主治医意見書と訪問調査をもとに審査が行われます。
③北区内に住民票を有すること
地域密着型サービスという性質上、北区に住民票がある方のみが入居可能です。たとえご家族が北区にお住まいでも、ご本人の住民票が区外にある場合は対象となりませんのでご注意ください。
④他の入居者との共同生活が可能であること
グループホームでは少人数の共同生活が基本です。他の入居者と一緒に暮らすことが著しく困難な場合や、夜間に強い行動上の問題がみられる場合などは、入居を見合わせることもあります。事前の面談やアセスメントを経て、総合的に判断されます。
⑤医療的ケアが必要な方は施設ごとの確認を
胃ろうや痰吸引、インスリン注射といった医療的ケアについては、グループホーム単体では対応が難しいことがあります。一方で、訪問看護を併用したり、看護師配置が充実している事業所では受け入れ可能な場合も。入居前に「看護師の勤務体制」「訪問看護との連携状況」「協力医療機関の体制」を確認しておくと安心です。
サービス内容|グループホーム(認知症対応型共同生活介護)で受けられる支援
北区のグループホームでは、認知症の方が住み慣れた地域で自分らしい暮らしを続けられるよう、日常生活の援助から医療機関との連携まで包括的なサービスを提供しています。家庭的な少人数の環境で、一人ひとりのリズムを尊重したケアが受けることが可能です。
食事|日々の楽しみであり生活リハビリでもある
グループホームでは朝・昼・夕の3食が用意されます。特徴的なのは、献立づくりや調理、盛り付け、配膳などにスタッフと一緒に参加できる点です。野菜を切ったり味見をしたりと、できる範囲で関わることが生活リハビリになり、認知症ケアの一環としても効果が期待されています。
食事形態は、きざみ食やミキサー食、嚥下に配慮した食事など、個々の状態に応じて調整可能。季節の食材を取り入れた献立やイベント食を提供している施設も多く、食卓を囲む時間が日常の楽しみになります。
生活支援|「できること」を大切にする関わり
入浴や排せつ、身だしなみの介助に加え、洗濯・掃除・買い物の付き添いなど、日常生活全般にわたるサポートを受けられます。何でも代行するのではなく、ご本人ができることは尊重しながら、必要な場面だけ手を差し伸べるのがグループホームの基本方針です。
居室は原則として個室で、プライバシーが守られる一方、リビングやダイニングなどの共用スペースでは他の入居者と自然に交流できる環境が整っています。
認知症ケア|暮らしのなかで役割を持ち続ける
グループホームにおける認知症ケアは、医療的なアプローチではなく「生活を通じた支援」が軸となっているのです。
回想法や季節行事、ちょっとした家事の分担、散歩や軽い運動などを日常に組み込み、暮らしのなかで役割を持ち続けることが、精神面の安定や認知機能の維持につながるとされています。
入居者それぞれのペースや過ごし方が大切にされ、スタッフとの何気ないやりとりを通じて穏やかな毎日が支えられています。
医療連携|日々の体調管理から緊急時まで
グループホームでは、バイタルチェックや服薬の管理、体調変化時の医療機関への連絡など、日常的な健康管理も実施。看護師の配置状況は施設ごとに異なりますが、多くの事業所が協力医療機関や訪問看護ステーションと連携し、必要なときに医療サポートを受けられる体制を構築しています。
胃ろう管理や吸引、インスリン対応などが必要な場合は、施設によって受け入れの可否が分かれるため、あらかじめ確認しておきましょう。
人員配置|少人数でも安心の見守り体制
認知症対応型共同生活介護には、厚生労働省が定める人員配置基準があります。介護職員は入居者3名に対し1名以上(常勤換算)、夜間帯も1ユニットにつき1名以上の配置が必要です。
加えて、管理者および計画作成担当者(ケアマネジャー)の配置も義務づけられており、少人数制でありながら手厚いケア体制が確保されています。
他の高齢者介護施設などとの違い
グループホームは「認知症対応型共同生活介護」という地域密着型サービスに分類され、認知症のある方が対象です。特別養護老人ホームや有料老人ホームなど、他の介護施設とはいくつかの点で異なります。
特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設)との違い
特別養護老人ホームは要介護3以上の方を対象とし、認知症の有無にかかわらず入所できる施設です。規模が大きく、数十名から100名以上が生活する施設も多いため、グループホームのような家庭的な雰囲気とは異なります。
一方、費用面では特別養護老人ホームのほうが比較的安価な傾向です。特に多床室のある従来型特養は月額費用を抑えやすく、所得に応じた負担軽減制度も充実しています。ただし、待機者が多く入所までに時間がかかるケースも少なくありません。
グループホームは認知症ケアに特化しており、少人数環境で個別対応を受けやすい点が強みです。「認知症があり、まだ要介護度が比較的軽い段階から専門的なケアを受けたい」という方に向いています。
有料老人ホームとの違い
有料老人ホームは、介護付・住宅型に大きく分かれ、施設によってサービス内容や費用に大きな幅があります。入居時に数百万円以上の一時金が必要な施設もあれば、月額費用のみで入居できる施設もあり、選択肢が多い点が特徴です。
グループホームは費用体系がある程度統一されており、入居一時金が不要または少額の施設が多い傾向にあります。また、有料老人ホームは認知症の方の受け入れに対応していない施設もあるため、認知症ケアを重視する場合はグループホームのほうが安心して選びやすいといえます。
介護老人保健施設(老健)との違い
介護老人保健施設は、病院での治療を終えた方が在宅復帰を目指してリハビリを行う施設で、入所期間は原則3〜6か月程度が目安です。医師や看護師、理学療法士などの医療スタッフが常駐しており、医療ケアが必要な方に適しています。
グループホームは在宅復帰を前提としておらず、長期間にわたり生活の場として利用可能です。リハビリ体制は介護老人保健施設ほど充実していませんが、日常生活の中で役割を持ちながら穏やかに暮らしたい方に向いています。
東京都北区のグループホーム一覧情報

北区内には、16か所のグループホームがあることをご存知でしょうか。以下では、区内のグループホーム情報を一部ご紹介します。(2026年1月時点の情報です)
グループホームみんなの家・田端
| 所在地 | 東京都北区田端2丁目10番3号 |
| 電話番号 | 03-5815-8861 |
グループホームじゅうじょうの憩
| 所在地 | 東京都北区十条台2丁目1番2号 |
| 電話番号 | 03-5944-1172 |
グループホームたのしい家西ケ原
| 所在地 | 東京都北区西ケ原1丁目41番5号 |
| 電話番号 | 03-5961-3480 |
グループホームあすか東十条
| 所在地 | 東京都北区東十条2丁目10番12号 |
| 電話番号 | 03-5959-5955 |
花物語あかばね
| 所在地 | 東京都北区赤羽西4丁目24番10号 |
| 電話番号 | 03-5963-6556 |
はなまるホーム十条
| 所在地 | 東京都北区十条仲原4丁目10番10号 |
| 電話番号 | 03-5924-7782 |
グループホームあすか王子
| 所在地 | 東京都北区豊島3丁目1番13号 |
| 電話番号 | 03-3914-1613 |
※他のグループホームについては、こちらよりご確認ください。
北区のグループホーム費用相場|月々の内訳と料金の仕組み
グループホームへの入居を考えるとき、やはり「毎月どれくらいの費用がかかるのか」が一番の関心事ではないでしょうか。月額費用を整理するには、介護保険の自己負担分と家賃や食費といった生活にかかる実費の2つに分けて捉えると理解しやすくなります。
介護保険サービス費の自己負担額(1日あたり)
グループホームで提供される介護サービスには、要介護度に応じた自己負担が生じます。下記は2ユニット以上の施設における、1割負担の方の目安金額です。
| 要介護度 | 1日あたりの自己負担目安 |
|---|---|
| 要支援2 | 817円 |
| 要介護1 | 821円 |
| 要介護2 | 859円 |
| 要介護3 | 886円 |
| 要介護4 | 903円 |
| 要介護5 | 922円 |
※要支援1の方はグループホームの入居対象外です。
※所得状況により2割・3割負担に該当する方は、上記金額の2倍・3倍となります。
※介護職員処遇改善加算など施設ごとの体制加算は含んでいないため、実際の請求額は上記を上回る場合があります。
1カ月あたりの介護保険サービス費の目安
月額の介護保険サービス費は「1日の負担額×月の日数」で計算できます。要介護3で1割負担の方であれば、886円×30日=約26,580円が目安です。
ただし、これは介護保険サービス費のみの金額です。実際に毎月支払う総額には、次に説明する生活実費が上乗せされます。
家賃・食費などの生活実費
介護保険サービス費に加えて、以下のような実費負担が発生します。
- 家賃(居室料)
- 食費
- 光熱水費
- 日用品費(おむつ代など)
- 共益費・管理費
これらは施設ごとに料金設定が異なるため、詳しい金額は各グループホームへ直接ご確認ください。
その他に発生しうる費用
上記のほかにも、次のような自己負担が生じることがあります。
- 通院にかかる医療費・薬代(医療保険の自己負担分)
- 理美容代
- レクリエーションの参加費や外出時の交通費
費用を比較する際のチェックポイント
グループホームは施設によって料金設定が異なるものです。複数の施設を検討する際は、以下の点を事前に確認しておくと比較しやすくなります。
- 家賃・食費・光熱費など固定的な月額費用の総額
- 基本の介護サービス費以外に適用される加算の有無と内容
- 医療費や日用品費としてどの程度の余裕を見ておくべきか
見学時に「月々のトータル費用の目安」を聞いておくと、入居後の家計をより具体的にイメージできます。
見学から入居までの流れ

東京都北区でグループホームを検討する場合、いきなり申込みを行うのではなく、見学を通じて生活のイメージを具体化することが重要です。グループホームは医療施設ではなく、認知症のある方が日常生活を送る「住まい」。事前に流れを把握しておくことで、判断に迷いにくくなります。
情報収集と事業所比較の進め方
最初の段階では、北区内にあるグループホームの情報を整理しましょう。区役所や高齢者あんしんセンター、担当ケアマネジャーに相談すると、本人の状態に合った施設像が整理しやすくなります。
見学予約から当日までの流れ
候補となる施設が決まったら、電話や公式サイトから見学を予約します。北区内のグループホームは定員が少ないため、早めの連絡が安心です。
見学は家族のみでも可能ですが、可能であれば本人と一緒に訪れることで、環境への反応や安心感を確認しやすくなります。
見学時に確認しておきたいポイント
見学当日は、建物の新しさよりも生活の様子に注目したいところです。入居者がどのように1日を過ごしているか、職員の声かけが自然か、共有スペースがどのように使われているかなどを観察します。
あわせて、生活リハビリの内容、夜間の職員体制、医療機関との連携方法、月額費用の内訳についても具体的に確認しておくと比較がしやすくなります。
入居申込みと面談の流れ
見学後、入居を前向きに検討する場合は、施設へ入居申込書を提出します。空室があれば次の段階へ進み、満室の場合は待機登録となるケースが一般的です。
その後、本人や家族との面談が行われ、認知症の状態や生活状況、医療的な配慮の必要性などが確認されます。共同生活が成り立つかどうかも、この段階で判断されます。
必要書類と受け入れ判断
面談とあわせて、介護保険証、負担割合証、医師の診断書や主治医意見書、服薬情報などの提出が必要なことが多いです。これらの情報をもとに、施設側が受け入れ可能かどうかを総合的に判断し、結果が家族へ伝えられます。
契約時に確認しておきたい注意点
受け入れが決まると、重要事項説明と契約が行われます。費用の内訳や追加費用の有無、入院時や退去時の扱い、看取り対応の方針などは、必ず確認しておきたいポイントです。曖昧なまま進めず、納得したうえで契約することが大切です。
入居前準備と入居当日の流れ
契約後は、衣類や日用品など生活に必要なものを準備します。持ち込み可能な物品については、事前に施設へ確認しておくと安心です。
入居当日は職員の案内を受けながら居室に入り、生活リズムや服薬方法、緊急時の連絡体制などを改めて確認します。環境に慣れるまでは、無理のないペースで生活が進められます。
迷ったときの相談先
見学や申込みの途中で迷いが生じた場合は、高齢者あんしんセンターや担当ケアマネジャー、北区役所の介護保険担当窓口に相談することで、制度面や選択肢を整理しやすくなるでしょう。第三者の視点を取り入れながら進めることが、納得感のあるグループホーム選びにつながります。
失敗しないグループホームの選び方|5つのチェックポイント
東京都北区でグループホームを選ぶ際、立地や月額費用だけで判断すると、入居後に「思っていた生活と違った」と感じることが少なくありません。グループホームは、短期間の利用ではなく、長く暮らすことを前提とした“住まい”です。そのため、日々の過ごし方や支援の質が、生活の満足度を大きく左右します。
以下では、北区で後悔しない選択につなげるために、事前に必ず確認しておきたい5つのポイントを整理します。
1.認知症ケアの方針と職員体制
まず確認したいのが、施設ごとの認知症ケアの考え方です。同じグループホームでも、「できることをできるだけ続ける支援」を重視する施設もあれば、安全管理を優先して職員主導になりやすい施設もあります。
職員の配置人数や経験年数、認知症ケアに関する研修の有無などもあわせて確認すると、日々の関わり方がイメージしやすくなります。
2.医療機関・地域包括支援センターとの連携
グループホームには医療スタッフが常駐していないため、医療連携の体制は重要な比較ポイントです。協力医療機関はどこか、体調変化や夜間の急変時にどのような対応をするのかを具体的に確認しておきましょう。
また、北区では高齢者あんしんセンター(地域包括支援センター)が相談窓口となっているため、施設と地域の支援機関がどのように連携しているかも安心材料になります。
3.生活支援・リハビリの内容
グループホームの支援の中心は、生活そのものを活かした「生活リハビリ」。食事の準備や配膳、洗濯、掃除などに、入居者がどの程度関われるかは施設ごとに異なります。
見学の際には、入居者がただ座って過ごしているのか、それとも自然に役割を持ちながら日常を送っているのかを確認したいポイントです。
4.費用の内訳と追加費用の有無
月額費用は総額だけでなく、内訳の確認が欠かせません。家賃・食費・光熱水費に何が含まれているのか、別途かかる費用(おむつ代、医療費、理美容代、レクリエーション費など)は何かを事前に整理しておくことが大切です。 負担軽減制度についてもあわせて確認しておくと安心でしょう。
5.見学時に必ず確認すべきポイント
パンフレットや説明だけでは分からないのが、実際の生活の雰囲気です。見学時には、施設の新しさよりも、入居者の表情や職員の声かけの仕方、共有スペースの使われ方に注目しましょう。 また、夜間の職員体制や、入院・退去時の対応、看取りへの考え方なども、契約前に確認しておきたい重要なポイントです。
グループホーム選びは、条件を満たしているかどうかだけでなく、「その人らしい生活が続けられそうか」という視点が欠かせません。北区の制度や相談窓口を活用しながら、複数の施設を比較・見学することで、納得感のある選択につながります。
まとめ|東京都北区で後悔しないグループホーム選びのために

東京都北区のグループホームは、認知症のある方が少人数で暮らし続けるための「住まい」です。ただし、ケアの方針や生活リハビリの内容、医療連携、費用の内訳は事業所ごとに異なります。
後悔しない選択のためには、制度や入居条件を正しく理解したうえで、複数の施設を見学し、入居者の過ごし方や職員の関わり方を自分の目で確かめることが大切です。立地や月額費用だけでなく、「家族が関わりやすいか」「長く安心して暮らせるか」という視点も忘れずに持っておきましょう。
判断に迷ったときは、高齢者あんしんセンターやケアマネジャー、北区役所の相談窓口を頼ることで、情報が整理しやすくなります。納得のいくグループホーム選びに向けて、一つずつ確認を進めていきましょう。
参照元:厚生労働省 認知症対応型共同生活介護(認知症グループホーム)、北区 みんなのあんしん 介護保険は高齢者の暮らしを社会みんなで支えるしくみです わかりやすい利用の手引き 令和7年度版 介護保険、高額介護サービス費、高齢者あんしんセンター(地域包括支援センター)






