高齢になるにつれ、「1人暮らしを続けるのが不安になってきた」「食事や見守りのある環境で安心して暮らしたい」と感じる方は少なくありません。
一方で、特別養護老人ホームに入所するほど介護度は高くなく、できるだけ自立した生活を続けたいと考える方も多くいます。
こうした方の住まいの選択肢のひとつが、「都市型軽費老人ホーム」です。
新宿区では、比較的自立度の高い高齢者を対象に、食事提供や生活相談などを受けながら暮らせる都市型軽費老人ホームを整備しています。
本記事では、都市型軽費老人ホームの特徴や対象者、区内施設一覧、利用料金、申し込み方法などをわかりやすく解説します。
目次
この記事でわかること
- 都市型軽費老人ホームの特徴や入所条件、受けられる支援の内容
- 新宿区内にある4施設の所在地・定員と、月額料金の目安
- 申し込みに必要な書類や提出先などの手続きの流れ
都市型軽費老人ホームとは?
都市型軽費老人ホームは、身体機能の低下などにより日常生活に不安がある高齢者を対象に、居室や食事、生活相談などを提供する施設です。
特別養護老人ホームのような「介護付き施設」ではなく、比較的自立した生活が可能な方向けの住まいとして位置づけられています。
そのため、常時介護を受ける施設ではありませんが、必要に応じて訪問介護やデイサービスなどの介護保険サービスを併用しながら生活することができます。
また、都市部でも整備しやすいよう、小規模で家庭的な環境となっている点も特徴です。
入所対象者
新宿区内の都市型軽費老人ホームでは、原則として以下の条件をすべて満たす方が対象です。
主な入所条件
- 60歳以上で区内に居住し、かつ、区内に住民票がある方
- 原則身元保証人等が得られる方
- 身体機能の低下などにより、自立した日常生活を送ることに不安がある方
- 家族からの支援が難しい方
- 結核、疥癬等の感染症がなく、自分で健康管理ができる方
- ホーム内の規則を順守することができ、共同生活が可能な方
介護度の目安は、自立から要介護2程度までとされています。なお、入所条件1・2について、新宿区で生活保護を受給している方は別途相談が必要です。
都市型軽費老人ホームで受けられる支援
都市型軽費老人ホームでは、主に以下のような支援を受けながら生活できます。
食事の提供
毎日の食事が提供されます。栄養バランスに配慮された食事を利用できるため、食事準備に不安がある方にも安心です。
生活相談・見守り
職員による見守りや日常生活の相談支援を受けることができます。困りごとを相談できる環境があることで、1人暮らしへの不安軽減につながります。
そのため、「まだ施設介護は必要ないが、見守りのある住まいを探している」という方に適した施設です。
新宿区内の施設一覧
新宿区内には、現在4つの都市型軽費老人ホームがあります。
| 施設名 | 所在地 | 定員 | 開設 |
|---|---|---|---|
| ルミエールふるさと | 大久保1-15-5 | 20名 | 平成24年4月 |
| 愛の家都市型軽費老人ホーム 新宿下落合 | 下落合4-14-2 | 20名 | 平成28年8月 |
| 愛の家都市型軽費老人ホーム 新宿中落合 | 中落合2-18-8 | 20名 | 平成28年11月 |
| こもれび夏目坂 | 喜久井町42 | 20名 | 令和6年11月 |
いずれも定員20名の小規模施設となっており、比較的落ち着いた環境で生活できる点が特徴です。
利用料金の仕組み
都市型軽費老人ホームの利用料金は、本人の「対象収入」に応じて決まります。
ここでいう対象収入とは、単純な年収ではなく、「前年の収入額から租税や社会保険料などを差し引いた額」のことです。
そのため、同じ年収帯でも、控除状況などによって負担額が変わる場合があります。
月額利用料金
| 施設 | 月額利用料金 |
|---|---|
| ルミエールふるさと・こもれび夏目坂 | 109,790円〜243,390円 |
| 愛の家都市型軽費老人ホーム 新宿下落合・新宿中落合 | 110,610円〜245,010円 |
この月額料金には、以下の費用が含まれています。
- サービス提供に要する費用
- 生活費(食費、共用部の光熱水費、維持管理費を含む)
- 管理費(家賃相当)
別途必要となる費用
月額料金とは別に、以下の費用が必要です。
<毎月の費用>
- 電話料金
- 医療費
- 介護サービス利用料
- 居室内の光熱水費(ルミエールふるさと:月額6,490円、愛の家 新宿下落合・新宿中落合:月額7,000円、こもれび夏目坂:電気代は実費自己負担・水道代は施設負担)
- 冬季暖房費(11月〜3月。ルミエールふるさと:月額2,070円、愛の家 新宿下落合・新宿中落合・こもれび夏目坂:月額2,130円)
<入居時の費用>
- 愛の家都市型軽費老人ホーム 新宿下落合・新宿中落合:敷金として107,400円
- こもれび夏目坂:保証金として100,000円
- ルミエールふるさと :なし
施設ごとの利用料金の詳細については、「利用料金」のページをご確認ください。
申し込み方法
申し込み時には、以下の書類提出が必要になります。
- 都市型軽費老人ホーム入所申込書
- 健康診断書
提出先は、地域の高齢者総合相談センター、または新宿区役所本庁舎2階の高齢者支援課です。
提出窓口
- 高齢者相談第一係
- 高齢者相談第二係
空室状況などは変動するため、早めに確認しておくとよいでしょう。
都市型軽費老人ホームは「自立した生活を支える住まい」
都市型軽費老人ホームは、介護施設と一般住宅の中間的な役割を担う住まいです。
「完全な1人暮らしは不安だが、まだ介護施設に入るほどではない」という方にとって、食事や見守りを受けながら生活できる環境は大きな安心につながります。
また、小規模施設が中心のため、比較的落ち着いた環境で生活しやすい点も特徴です。
一方で、介護付き施設ではないため、将来的に介護度が重くなった場合は住み替えが必要となるケースもあります。
入居を検討する際は、現在の生活状況だけでなく、今後の介護ニーズも踏まえて検討することが大切です。
参照元:新宿区 都市型軽費老人ホーム、利用料金

執筆者紹介
「福祉現場の架け橋」として、20年の経験から心に寄り添うヒントを。
介護福祉士および保育士として、高齢者介護から障がい福祉、保育まで、世代を問わず20年以上福祉の最前線に携わる。現場での豊富な実践経験を活かし、単なる制度解説に留まらない「介護する側・受ける側」双方の気持ちに寄り添った発信が持ち味。複雑な介護保険制度も、家族の視点に立って分かりやすく紐解きます。





