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高齢者最多でも倒産増──2040年問題を前に施設は「量」から「選ばれる価値」の時代へ

高齢者最多でも倒産増──2040年問題を前に施設は「量」から「選ばれる価値」の時代へを表す画像

2026年2月25日、株式会社日比野設計(福祉施設研究所)は、特別養護老人ホームに関する意識調査の結果を発表しました。高齢者人口が過去最多を更新する一方で、介護事業者の倒産・休廃業も過去最多という矛盾した状況の中、施設が生き残るための鍵は「介護の質」と同等以上に「空間の質」にあることが明らかになっています。

調査の背景

総務省の統計によれば、日本の65歳以上人口は過去最多水準に達しています。一方で、東京商工リサーチの調査では福祉・介護事業の倒産・休廃業件数も過去最多を更新。高齢者は増えているにもかかわらず、施設は減っている──この矛盾を受け、株式会社日比野設計の福祉施設研究所は、施設が「選ばれる基準」を明らかにするため、特別養護老人ホームに関する意識調査を実施しました。

人口ピーク下で進む「価値の選別」と倒産の背景

現在、介護業界は需要が供給を上回る「追い風」の中にありますが、東京商工リサーチの調査では倒産・休廃業が急増しています。

1.複合的な経営圧迫

深刻な人手不足、人件費・光熱費の高騰、そして価格転嫁が難しい公定価格(介護報酬)の制約が、経営体力の乏しい事業者を追い詰めています。

2.選ばれる理由の欠如

倒産増は単なるコストの問題だけでなく、利用者や家族から「選ばれる理由」を持たない施設が淘汰され始めている「価値の選別」の兆候ともいえるでしょう。需要があるにもかかわらず利益を確保できない構造は、経営戦略の抜本的な見直しを迫っています。

意識調査で判明した「生活の場」としての期待

特別養護老人ホームを選ぶ上で最も重視する要素のアンケート結果を示す横棒グラフ。

高齢者の家族を持つ、特別養護老人ホームに関心のある一般生活者1,055名を対象とした調査では、これからの施設選びにおいて「環境」がいかに重視されているかが浮き彫りになりました。

1.空間の重要性

95%が「空間の質は高齢者の心身に影響する」と回答。設計や雰囲気が生活の質(QOL)や健康に直結するという認識が、一般生活者の間でも常識となりつつあります。

2.特養は「生活の場」

6割以上(62.5%)が特養を単なる「介護の場」ではなく、日常生活を大切にする「生活の場」として期待していることがわかりました。

3.重視要素の三本柱

施設を選ぶ際、「施設の質(64.3%)」は、トップの「医療・介護の質(68.6%)」に肉薄しています。建物や空間の快適さが、スタッフの質(61.5%)を上回る判断基準となっている点は、経営側にとって見逃せない視点です。

まとめ

高齢者人口が過去最多を更新する一方で、介護事業者の倒産・休廃業も過去最多を記録しています。今回の意識調査では、95%が「空間の質は心身に影響する」と回答し、施設選びにおいて「施設の質(64.3%)」が「医療・介護の質(68.6%)」に迫る重要要素であることが明らかになりました。

2040年を境に高齢者人口が減少に転じると推計される中、日比野設計は施設に「なぜここが選ばれるのか」という独自の提供価値が不可欠であると提言しています。

編集部より

「満室だから安泰」という時代は終わりを告げようとしています。家族は単に「預かってくれる場所」ではなく、本人が「最期まで人らしく暮らせる環境」をシビアに見ています。

経営環境が厳しい今だからこそ、コストカットによるサービス低下を招くのではなく、利用者の尊厳を支える「空間の価値」への投資という視点が重要ではないでしょうか。ハード・ソフト両面での差別化こそが、2040年以降の淘汰の波を乗り越える鍵となりそうです。

参照元:プレスリリース

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