政府が国会に提出した「社会福祉法等の一部を改正する法律案」において、地域密着型サービスである「夜間対応型訪問介護」を廃止し、「定期巡回・随時対応型訪問介護看護」に統合する方針が示されました。
高齢化の進展に伴い、在宅で介護を受ける高齢者が増加する中、夜間を含めた切れ目のない支援体制の整備が求められています。
今回の見直しは、こうした介護ニーズの変化に対応するための制度改正の一環として位置付けられています。
目次
この記事でわかること
- 夜間対応型訪問介護が廃止され、定期巡回・随時対応型訪問介護看護に統合される背景と方向性
- 統合により利用者・事業者それぞれに想定される変化
- 施行時期と今後の省令・通知で確認すべきポイント
夜間対応型訪問介護が廃止される
夜間対応型訪問介護は、夜間帯において利用者からの通報に対応する随時訪問や定期巡回を行う地域密着型サービスです。
一方で、大都市部等において居宅要介護者の介護ニーズの増加が見込まれる中、多様なニーズに対応したサービス基盤の確保が求められています。
今回の法案では、多様化する介護ニーズに対応したサービス基盤を確保する観点から、夜間対応型訪問介護を定期巡回・随時対応型訪問介護看護へ統合する方向性が示されました。
法案では施行期日を令和9年4月1日としています。移行手続きや経過措置などの詳細については、今後の省令や関係通知で示される見込みです。
定期巡回・随時対応型訪問介護看護との統合
現在の夜間対応型訪問介護は、主に夜間帯に訪問介護を提供する地域密着型サービスとして運営されています。
これに対し、定期巡回・随時対応型訪問介護看護は、24時間対応を基本とし、定期的な訪問介護に加え、利用者からの通報への随時対応や訪問看護との連携も行うサービスです。
統合後は、夜間対応型訪問介護が担ってきた夜間支援機能を、定期巡回・随時対応型訪問介護看護の中で一体的に提供することになります。
これにより、利用者は昼夜を通じた包括的な支援を受けやすくなり、事業者側もサービス提供体制を効率的に運営しやすくなることが期待されています。
事業者への影響と今後の対応
現在、夜間対応型訪問介護を提供している事業者にとっては、定期巡回・随時対応型訪問介護看護への移行手続きや指定の取扱い、人員配置・運営基準の変更点などが今後の関心事項になると考えられます。
ただし、既存事業者に対する経過措置の有無を含め、具体的な内容は現時点では明らかになっていません。今後公布される省令や関係通知の内容を確認していく必要があります。
まとめ
今回の制度改正は、多様化する在宅介護ニーズに応えるため、サービス提供体制の充実を図ることを目的としています。
夜間対応型訪問介護の機能は今後、定期巡回・随時対応型訪問介護看護の枠組みの中で提供される方向となっており、利用者の安心につながる体制整備が進められる見通しです。
今後、法案の成立や関係省令の整備に伴い、施行時期や移行方法、経過措置などの詳細が順次示される見込みです。事業者は今後公表される省令や通知の内容を確認しながら、円滑な制度移行に向けた準備を進めていくことが重要となるでしょう。
参照元:厚生労働省 社会福祉法等の一部を改正する法律案の概要、定期巡回・随時対応型訪問介護看護の概要、どんなサービスがあるの? – 夜間対応型訪問介護

「福祉現場の架け橋」として、20年の経験から心に寄り添うヒントを。
介護福祉士および保育士として、高齢者介護から障がい福祉、保育まで、世代を問わず20年以上福祉の最前線に携わる。現場での豊富な実践経験を活かし、単なる制度解説に留まらない「介護する側・受ける側」双方の気持ちに寄り添った発信が持ち味。複雑な介護保険制度も、家族の視点に立って分かりやすく紐解きます。
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