「介護が始まったけれど、誰に相談すればいいのかわからない」「同じ立場の人と話したい」——そんな不安を抱える方は少なくありません。
在宅介護は身体的・精神的な負担が大きく、家族だけで抱え込むと長く続けることが難しくなるケースもあります。
港区では、介護を担う家族を支えるために、「介護家族の会」や「介護者教室」、認知症支援など、さまざまなサポート体制が整えられているのが特徴です。
本記事では、港区の支援制度を中心に、介護家族が知っておきたい情報をわかりやすく解説します。
目次
この記事でわかること
- 港区の「介護家族の会」と「介護者教室」の内容・開催スケジュール
- 認知症支援や介護保険サービスなど、港区で利用できる支援の全体像
- 介護休暇制度の基本と仕事との両立に役立つ情報
介護家族の会|同じ悩みを共有できる“つながりの場”
介護家族の会は、介護を担う方同士が悩みや不安を共有し、支え合うことができる場です。
この会では、各地区の高齢者相談センター(地域包括支援センター)の職員が同席しており、必要に応じて介護サービスの案内や専門的なアドバイスを受けることができます。
港区では、芝・麻布・赤坂・高輪・芝浦港南の5地区で開催されています。自分の居住地区に限らず、都合に合わせて他地区の会にも参加可能です。
また、安心して参加できるよう、会の中で話された内容は外部に漏らさないというルールが徹底されています。プライバシーが守られる環境が整っているため、家庭内の悩みなども率直に相談しやすい点が特徴です。
開催時間内であれば、途中参加や途中退出も可能であり、無理なく参加できます。
さらに、会場によっては事前予約が必要な場合があるため、参加前に各高齢者相談センターへ確認しておくと安心です。
また、介護家族の会の詳細については、「介護を支え合う場と学びの機会|「介護家族の会」とフォローアップ講座」もあわせてご確認ください。
介護は1人で抱え込まず、こうした地域のつながりを活用することが、無理なく続けるための大切なポイントといえます。
介護者教室|実践的に学べる介護のコツと年間スケジュール
介護者教室は、介護の方法や食事、健康管理などを実践的に学べる講習です。港区では、各地区の高齢者相談センター(地域包括支援センター)が中心となり、年間を通じて開催されています。
開催回数は年10回を予定しており、「移動・移乗のコツ」「排泄ケア」「食事・嚥下」など、日々の介護に役立つテーマが幅広く用意されています。
実際に福祉用具に触れる体験型講座や、認知症ケアの技法であるユマニチュードを学べる回もあり、現場ですぐに活かせる内容が特徴です。
対象は、介護をしている家族に限らず、区内在住・在勤・在学でテーマに関心のある方であれば参加可能です。これから介護に関わる可能性がある方にとっても、学びの機会として活用できます。
| 開催日時 | 場所 | 内容 |
|---|---|---|
| 令和8年5月8日(金曜日)午後2時~3時15分 | さんぽーと港南 | 福祉用具体験 |
| 令和8年6月18日(木曜日)午後2時~3時30分 | 高輪コミュニティーぷらざ | ユマニチュードについて |
| 令和8年7月 | 未定 | 移動・移乗のコツ |
| 令和8年8月 | 未定 | 未定 |
| 令和8年9月 | 未定 | 栄養講座 |
| 令和8年10月 | 未定 | 排泄ケアと正しい方法のコツ |
| 令和8年11月 | 未定 | 緊急時の対応と心得 |
| 令和8年12月 | 未定 | 食事・嚥下 |
| 令和9年1月 | 未定 | 介護離職予防講座 |
| 令和9年2月 | 未定 | 未定 |
開催日時や場所、内容は決まり次第、区の広報紙やホームページで随時案内されます。参加を検討する際は、最新情報を確認しておくと安心です。
また、介護者教室は「介護家族の会」と合同で開催されることもあり、技術を学ぶだけでなく、悩みや不安を共有できる機会にもなっています。
詳しい内容や申込方法については、各地区の高齢者相談センターへお問い合わせください。
問い合わせ先(高齢者相談センター)
- 芝地区高齢者相談センター(芝地域包括支援センター)
- 麻布地区高齢者相談センター(南麻布地域包括支援センター)
- 赤坂地区高齢者相談センター(北青山地域包括支援センター)
- 高輪地区高齢者相談センター(地域包括支援センター白金の森)
- 芝浦港南地区高齢者相談センター(地域包括支援センター港南の郷)
介護家族支援者向けの講座|地域で支える仕組みづくり
港区では、介護を担う家族だけでなく、地域で支える立場の方を対象とした講座も実施されています。こうした講座は、高齢者や認知症のある方への理解を深め、地域全体で見守る体制づくりを目的とした取り組みです。
講座の具体的な内容や開催日程については、詳細が決まり次第、区のホームページなどで随時案内されます。
介護保険・高齢者サービスについて|制度と地域支援を組み合わせて負担を軽減
港区では、在宅サービスを中心に、さまざまな高齢者向け支援が提供されています。サービス一覧の詳細は「高齢者サービス一覧」のページをご確認ください。
また、介護保険サービスや高齢者サービスの利用方法については、「介護保険・高齢者サービスの手引き~あったかいね!みなと~」に1冊でまとめられています。制度の内容や使い方を体系的に確認できるため、はじめての方にもわかりやすい資料です。
認知症の方の支援について|利用できるサービスと情報の探し方
港区では、認知症のある方やその家族、また認知症予防に関心のある方向けに、さまざまな支援サービスが提供されています。
これらのサービスは、「認知症の方への支援」のページにまとめて掲載されており、内容や対象に応じて必要な情報を確認することができます。
また、具体的な支援内容や利用方法については、高齢者相談センター(地域包括支援センター)で相談することも可能です。
家族の悩みを共有したい方は、「【港区】みんなとオレンジカフェ(認知症カフェ)のご案内」
地域での見守りの取り組みを知りたい方は、「みなと認知症サポートステーション認定制度|港区の店舗・企業から広げる「認知症にやさしい地域」」
といった記事も参考になります。
介護休暇について|仕事と介護を両立するための基本制度
介護休暇は、要介護状態にある家族の介護や世話を行うために取得できる休暇です。対象となるのは、負傷や疾病、心身の障害により、2週間以上にわたり常時介護が必要な状態にある家族です。
この休暇は、年次有給休暇とは別に取得できる制度で、対象家族が1人の場合は年5日、2人以上の場合は年10日まで、1日または時間単位で取得できます。なお、休暇中の給与の扱いは会社の規定によって異なります。
介護休暇は、通院の付き添いや手続き、ケアマネジャーとの打ち合わせなど、日常的な介護の場面で活用できる制度です。介護保険サービスや他の両立支援制度と組み合わせて利用することで、無理のない形で仕事と介護を両立しやすくなります。
制度の詳細については、厚生労働省の「介護休業制度」をご確認ください。
また、仕事と介護の両立支援制度の内容や活用方法については、「育児・介護休業法改正、仕事と介護の両立支援を強化」もあわせてご確認ください。
港区の支援を活用して、無理のない介護を続けるために
介護は長期にわたることが多く、家族だけで抱え込むと心身ともに大きな負担になります。
港区では、介護家族の会や介護者教室、認知症支援など、多面的なサポートが用意されています。さらに、介護保険サービスや介護休暇制度を組み合わせることで、負担を分散することが可能です。
大切なのは、「困ってから」ではなく、「不安を感じた段階」で動くことです。地域の支援や制度を上手に活用しながら、無理のない介護を続けていきましょう。
参照元:港区 介護にあたる家族等への支援、介護家族の会チラシ、福祉用具体験、ユマニチュードについて、高齢者サービス一覧、介護保険・高齢者サービスの手引き~あったかいね!みなと~、認知症の方への支援、厚生労働省 介護休業制度

執筆者紹介
「福祉現場の架け橋」として、20年の経験から心に寄り添うヒントを。
介護福祉士および保育士として、高齢者介護から障がい福祉、保育まで、世代を問わず20年以上福祉の最前線に携わる。現場での豊富な実践経験を活かし、単なる制度解説に留まらない「介護する側・受ける側」双方の気持ちに寄り添った発信が持ち味。複雑な介護保険制度も、家族の視点に立って分かりやすく紐解きます。





