株式会社ケアコムは、2026年5月1日付のプレスリリースで「認知症患者からのカスタマーハラスメント(カスハラ)に関する実態調査」の結果を公表しました。
看護師の約93%がハラスメントを経験しているという結果が示されており、医療現場では「病気だから仕方ない」という認識が被害の可視化を難しくしている状況がうかがえます。
ケアの倫理と職員の安全確保の両立という課題が、改めて浮き彫りになった印象です。
ハラスメントの常態化と深刻な影響

調査(看護師・准看護師255名、2025年11月~2026年1月実施)によると、認知症患者からのハラスメントを経験した人のうち、54.6%が「ほぼ毎日」または「週に数回」と回答しています。

内容は暴力88.2%、暴言83.2%、セクシャルハラスメント56.7%など、多岐にわたります。

また、精神的ストレスは100%が感じており、52.5%がけがなどの実害を経験しているとの結果です。さらに62.2%が職務意欲の低下を訴えています。
現場では単発のトラブルではなく、継続的な負担として積み重なっている状況といえます。
「仕方ない」で片付けられる構造的課題

被害を受けても28.6%が「何も行動しなかった」と回答。その理由として最も多かったのが「認知症だから仕方ない」(85.3%)という諦めでした。
さらに、上司に報告しても逆に対応の不備を指摘される”二次被害”を訴える声も20.6%にのぼっています。
自由記述では、倫理観と安全確保の板挟みや、組織の理解不足への不満が多く挙がっており、個人の努力や忍耐に依存した現場運営の限界が示唆されています。
編集部より
認知症ケアにおいて「症状としての行動」を理解する視点は不可欠ですが、それが職員への暴力や暴言の受容につながってしまう構造には注意が必要です。
今回の調査結果は一企業によるものであり、数値の一般化には慎重さが求められる一方で、現場の実感に近い側面も含んでいると考えられます。
今後は、個人の対応力に委ねるのではなく、チーム体制や環境整備、さらには社会的な理解を含めた多層的な対策が求められる局面に入っているといえそうです。
参照元:プレスリリース
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