2026年5月25日、株式会社ReTabyは「家族の介護と外出・旅行に関する意識調査」を実施し、その結果を公表しました。
調査では、介護経験者の37.4%が介護が必要な家族との旅行を「あきらめた」と回答した一方で、看護・介護付き外出・旅行支援サービスを知らない人が68.2%に上る結果となっています。
介護による身体的・精神的負担が外出の機会を狭めている一方、支援サービスの認知不足も課題となっているようです。
高齢化が進む中、介護を理由に家族との思い出づくりを断念しなくて済む環境整備が求められています。
介護は多くの家庭にとって身近な課題
調査は全国の20代から70代以上の男女434人を対象に実施されました。

その結果、現在介護や見守りが必要な家族がいる人は46.5%、過去の介護経験者を含めると62.4%が介護の当事者または経験者であることが分かりました。

介護対象は実父母が49.0%と最も多く、祖父母が34.1%で続いています。
また、介護経験者の42.2%が介護離職を検討または実施した経験があり、69.2%が介護のために仕事を休んだ経験があると回答しました。介護が働く世代の就労や生活に大きな影響を及ぼしている実態がうかがえます。
旅行への関心は高いものの実現できない現実

介護経験者273人に対し、介護が必要な家族との旅行について尋ねたところ、「検討したが実現できなかった(あきらめた)」が37.4%で最多となりました。一方、「実現した」は25.6%にとどまっています。

旅行や外出の障壁としては、「本人の体力低下・意欲低下」が64.7%で最も多く、「体調変化への不安」「移動手段の確保」が続きました。
さらに、介助者となる家族の身体的・精神的負担や、バリアフリー環境の不足なども大きな課題として挙げられています。
介護家族との外出や旅行の際の対応については、「家族だけで対応している」が47.7%で最多となり、専門的な同行支援サービスを利用している人は少数にとどまっています。
支援ニーズと認知度の間に大きなギャップ

看護・介護付き外出・旅行支援サービスについて、「知らなかった」と回答した人は68.2%でした。一方で、「ぜひ利用したい」と「条件が合えば利用したい」を合わせると85.3%に達しています。
今回の調査はサービス提供事業者によるものであり、利用意向については一定の留意が必要です。
しかし、介護中であっても外出や旅行を希望する家族が多いことや、利用できる支援制度・サービスの情報が十分に届いていない現状が示された結果といえそうです。
編集部より
介護保険サービスは日常生活を支える仕組みとして整備されていますが、旅行や外出といった「生活の楽しみ」を支援するサービスについては、まだ十分に知られていないのが現状です。
ケアマネジャーをはじめとする支援者が、介護サービスの調整にとどまらず、地域資源や民間サービスの情報提供も担うことができれば、利用者本人や家族の選択肢を広げることにつながるかもしれません。
介護が必要になっても、その人らしい生活や家族との時間を諦めなくて済む社会づくりが、今後ますます重要になるのではないでしょうか。
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