認知症による行方不明者は年間1万7,345人|警察庁の最新統計から見る現状と家族・介護現場が備えるべき対策

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認知症の人が外出先から帰宅できなくなる「行方不明」は、本人の命に関わるだけでなく、家族や介護事業者にとっても大きな不安となる問題です。

警察庁が公表した「令和7年における行方不明者届受理等の状況」では、認知症を原因とする行方不明者は17,345人となり、前年より776人減少したものの、依然として高い水準が続いていることが明らかになりました。

また、統計からは「最初の3日間」が発見の成否を左右する重要な時間であることや、地域住民による通報、GPS機器の活用が早期発見に大きく役立っていることも示されています。

本記事では、警察庁の最新統計をもとに、認知症による行方不明の現状や特徴、早期発見につながるポイント、家族や介護現場が取り組みたい対策について解説します。

この記事でわかること

  • 認知症による行方不明者は年間1万7,345人で、行方不明者全体のおよそ5人に1人を占めている
  • 約95%が届出から3日以内に所在確認されており、早期の届け出と初動対応が命を守る鍵となる
  • GPS機器の活用や地域住民による見守り・通報が早期発見に大きく役立っている

行方不明者全体は約8万人、認知症による行方不明者は約1万7千人

警察庁によると、令和7年に全国で受理された行方不明者届の対象者数は80,486人でした。前年より2,077人減少したものの、依然として年間8万人を超える状況が続いています。

男女別では男性50,918人(63.3%)、女性29,568人(36.7%)で、男性の割合が高い傾向となっています。

原因・動機別では「疾病関係」が22,753人と最も多く、このうち認知症による行方不明者は17,345人でした。

前年より776人減少したものの、全体の21.6%を占めており、およそ5人に1人が認知症を原因として行方不明になっています。

主な統計は以下のとおりです。

項目人数
行方不明者総数80,486人
疾病関係22,753人
認知症による行方不明17,345人(前年比776人減)

警察庁の統計でいう「認知症」には、医師から認知症と診断された人だけでなく、「認知症の疑いがある人」も含まれています。

そのため、「まだ診断を受けていないから大丈夫」と考えるのではなく、物忘れや道に迷う様子が見られた段階から見守りや備えを始めることが大切です。

認知症による行方不明は男性がやや多い

認知症による行方不明者17,345人のうち、男性は9,715人、女性は7,630人でした。

性別人数割合
男性9,715人56.0%
女性7,630人44.0%

一般的な行方不明者全体と同様に、認知症による行方不明でも男性がやや多い状況です。

発見の約95%は3日以内|時間との勝負になる

所在確認または死亡確認が行われた認知症行方不明者16,729人のうち、94.8%にあたる15,856人が受理から3日以内に所在確認(生存した状態での発見)されていました。

発見までの期間

期間人数
受理当日11,369人
2日目〜3日目4,487人

この結果から、認知症による行方不明では、早期の届け出と迅速な初動対応が重要です。

4日目以降に発見(所在確認・死亡確認)されたケースでは、生存した状態で所在確認された割合は53.7%にとどまっており、15日を過ぎると死亡確認の割合が所在確認を上回る傾向があります。

時間の経過とともに命に関わるリスクが高まるため、「まだ帰ってくるかもしれない」と様子を見るのではなく、行方が分からなくなった時点で速やかに警察へ届け出ることが大切です。

発見のきっかけは地域住民からの通報が約半数

認知症による行方不明者が発見されるきっかけとして最も多かったのは、「民間通報」で47.0%を占めています。

これは、近隣住民や通行人、店舗の従業員などが「様子がおかしい」と感じて警察へ通報したケースです。

資料では、自治体の公式LINEや防災行政無線をきっかけに地域住民が本人を発見・通報し、早期保護につながった事例も紹介されています。

このように、認知症による行方不明の早期発見には、家族だけでなく地域全体で支える見守り体制が重要です。

GPS機器の活用が早期発見につながる

警察庁は、GPS機器など位置情報を把握できる機器の有効性も紹介しています。

GPS機器を活用したケースでは、約85%が行方不明届の受理当日に発見されており、早期発見に大きく役立っています。

万が一に備え、自治体が行うGPS機器の貸与などの支援策を確認しておきましょう。

認知症による行方不明に備え、日頃からできる対策を

警察庁の統計では、認知症による行方不明者は依然として高い水準で推移しており、約95%が届出から3日以内に発見されています。この結果から、早期の届け出と初動対応が本人の安全を守る重要なポイントといえるでしょう。

また、認知症による行方不明は家族だけで防ぐことが難しい課題です。

GPS機器や自治体の見守りサービスを活用するとともに、家族や介護事業者、地域住民、警察が連携し、日頃から見守り体制を整えておくことが、本人の安全確保と家族の安心につながります。

参照元:警察庁 令和7年における行方不明者届受理等の状況

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