調布市のグループホーム(認知症対応型共同生活介護)は、認知症と診断された高齢者が1ユニット最大9名の少人数で共同生活を営む、介護保険制度に基づく地域密着型サービスです。入居には「医師による認知症の診断」「要支援2以上の介護認定」「調布市内に住民票があること」の3条件を満たす必要があります。
1日あたりの自己負担額(1割負担・2ユニットの事業所)は、要支援2で869円、要介護1〜要介護5で873円〜980円です(調布市は地域区分2級地)。これに家賃・食費・光熱費などの実費が加わり、月額総額はおおむね165,000〜225,000円が目安です。敷金は0〜約280,000円と施設によって幅があります。
本記事では、調布市の公的情報をもとに、グループホームのサービス内容・費用の内訳・入居条件・見学時のチェックポイント・相談先までを網羅的にまとめています。
目次
東京都調布市のグループホーム(認知症対応型共同生活介護)とは?

調布市でグループホームへの入居を検討し始めた方の中には、「うちの親が対象になるのか」「費用はどのくらいかかるのか」と迷う方も少なくないでしょう。
グループホームは、介護保険制度において「認知症対応型共同生活介護」に位置づけられる地域密着型サービスです。大規模施設で集団的なケアを受ける形態とは異なり、認知症のある方が住み慣れた調布の地域で穏やかに暮らし続けるための”もう1つの住まい”として機能しています。
グループホーム(認知症対応型共同生活介護)の基本的な仕組み
1ユニットあたり最大9名という少人数で運営される介護保険サービスです。入居者は職員の見守りや支援のもと、調理・洗濯・掃除といった家事を分け合いながら、家庭的な環境のなかで日常を送ります。
最大の特徴は、すべてを職員が代わりにするのではなく、本人ができることは引き続き担ってもらうという考え方です。暮らしのなかで自然に身体を動かし、役割を持つことが認知機能の維持や自尊心の支えにつながるとされています。
少人数の顔なじみの環境には、次のようなメリットがあります。
- 環境変化によるストレスが和らぎやすい
- 一人ひとりの生活リズムに寄り添った対応が可能
- 職員の目が届きやすく安全・安心感がある
- 24時間体制で見守り・介護が受けられる
入居条件|調布市でグループホームを利用できる方
グループホームには国の基準と施設ごとの基準があり、調布市での入居も同様です。主な要件を整理します。
① 医師による認知症の診断
グループホームは「認知症対応型共同生活介護」に分類されるサービスのため、医師の診断が利用の前提となります。症状の進行度は問われませんが、共同生活を営める状態であることが望ましいとされています。
② 要支援2または要介護1〜5の認定
介護保険の地域密着型サービスであるため、要支援2または要介護1〜5の認定を受けている方が対象です。要支援1の方は利用できません。
③ 調布市に住民票があること
地域密着型サービスの性質上、調布市内に住所を有する方のみが利用対象です。市外在住の方は原則として利用できないため、検討時には必ず確認してください。
④ その他の要件
他の入居者との共同生活に大きな支障がないことや、著しい暴力行為・自傷行為がないことも判断材料になります。また、グループホームは医療機関ではないため、頻繁な医療処置が必要な方は入居が難しいケースがあります。
ただし、調布市内には訪問看護と連携している施設も多く、軽度から中等度の医療的ケアであれば対応可能な場合もあるため、受け入れ可否は各施設へ個別に相談することが大切です。
調布市のグループホームで受けられるケア・サービス内容
調布市内のグループホームでは、認知症の方がなるべく自分らしく暮らせるよう、日々の生活に寄り添った支援が提供されています。以下では、実際に受けられる主なサービスを整理します。
1. 食事準備など生活リハビリを中心とした日常支援
グループホームのケアの軸は、日々の暮らしそのものをリハビリと捉える「生活リハビリ」です。食事の仕込みや盛り付け、洗濯物のたたみ、居室の片付けなどの家事に、声かけや見守りを通じて自然な形で参加してもらいます。
季節の食材を使った献立づくりや、飲み込みに配慮した食事形態への調整など、食に関してもきめ細かな対応が行われているのです。
2. 24時間体制の介護と見守り
調布市のグループホームでは、スタッフが24時間体制で入居者を見守り、入浴・排せつ・整容の介助から居室や共用部の清掃支援、買い物のサポートまで、日常生活全般を支えています。ユニット単位の少人数制のため、職員が一人ひとりのペースやリズムに合わせた関わりを持てる点が強みです。
3. 医療機関との連携と健康管理
グループホーム自体は医療施設ではありませんが、調布市内の多くの事業所では協力医療機関や訪問看護ステーションと連携し、定期的な健康チェック・服薬管理・緊急時の対応ルールなどを整えています。認知症のある方は体調変化に気づきにくいため、こうした日常的な健康管理が安心の土台になります。
4. 訪問看護との連携で広がる医療的ケア
看護師が定期的に巡回し健康状態を確認するほか、訪問看護ステーションとの連携により、医師の指示に基づく創傷処置やバイタル測定などの医療的ケアに対応できる体制も整備。
ターミナルケアや退院直後のフォローが可能な施設もあり、対応範囲は事業所ごとに異なりますが、訪問看護の活用によって軽度から中等度の医療的ケアへの対応力が広がっています。
5. レクリエーション・外出支援・地域交流
認知症の方にとって、日常の楽しみや適度な刺激は心身の安定に直結する大切な要素です。調布市内のグループホームでも、季節の行事や散歩・買い物といった外出支援、園芸・料理・工作などのアクティビティ、地域住民やボランティアとの交流活動が行われています。
グループホーム(認知症対応型共同生活介護)と他の介護施設の違い
グループホームは「認知症対応型共同生活介護」として地域密着型サービスに位置づけられ、認知症の診断を受けた方のみが入居できます。特別養護老人ホームや有料老人ホームなどとは、入居条件や生活環境、費用の考え方が異なります。
特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設)との比較
特別養護老人ホームは原則として要介護3以上の方を対象とし、認知症の有無にかかわらず入所可能。入所者数は数十名から100名を超える大規模施設が一般的で、グループホームのような少人数で家庭的な雰囲気とは異なる環境です。
費用は特別養護老人ホームの方が低めに抑えられる傾向があり、所得に応じた負担軽減制度も整っています。一方で希望者が多く、入所までに数か月から数年待つケースも少なくありません。
グループホームは比較的軽度の段階から利用でき、認知症ケアに特化した環境できめ細かな対応を受けられる点が強みです。
| グループホーム | 特別養護老人ホーム | |
|---|---|---|
| 対象 | 認知症のある方(要支援2〜) | 要介護3以上 |
| 規模 | 1ユニット5〜9名 | 数十名〜100名以上 |
| 費用 | 月額12〜20万円程度 | 月額8〜15万円程度 |
| 待機 | 比較的少ない | 長期化しやすい |
有料老人ホームとの比較
有料老人ホームには介護付・住宅型などの類型があり、サービス内容や料金設定は施設によってさまざまです。入居一時金として数百万円が必要な施設がある一方、月額費用のみで入居できる施設もあり、選択肢が広い分、比較に手間がかかりやすい面があります。
グループホームは料金体系がわかりやすく、入居一時金が不要または少額で済む施設が多い傾向です。また、有料老人ホームの中には認知症の方の受け入れを制限しているところもあるため、認知症ケアを重視する場合はグループホームの方が探しやすいでしょう。
介護老人保健施設(老健)との比較
介護老人保健施設は、病院を退院した後に在宅復帰を目指してリハビリに取り組むための中間的な施設です。医師・看護師・理学療法士などの専門職が常駐し、医療面のサポートが手厚い反面、入所期間は原則3〜6か月程度と限定されています。
グループホームは在宅復帰を前提としておらず、長期間にわたり生活の拠点として利用可能です。専門的なリハビリ設備はないものの、日常生活の中で役割を持ちながら落ち着いて暮らしたい方に向いています。
東京都調布市のグループホーム情報一覧

調布市内には11か所のグループホームがあることをご存知でしょうか。以下では、市内のグループホーム情報を一部ご紹介します。(2026年2月時点の情報です)
グループホームこぶしの花深大寺
| 所在地 | 東京都調布市深大寺東町1丁目9番地4 |
| 電話番号 | 042-488-2720 |
愛の家グループホーム調布国領町
| 所在地 | 東京都調布市国領町7丁目57番1号 |
| 電話番号 | 042-443-7270 |
グループホームソラスト調布
| 所在地 | 東京都調布市深大寺元町4丁目27番3号 |
| 電話番号 | 042-484-1170 |
木下の介護グループホーム調布
| 所在地 | 東京都調布市柴崎2丁目31番地1 |
| 電話番号 | 042-443-8121 |
その他のグループホーム一覧や空き状況については、調布市公式サイトをご確認ください。
費用・料金の目安|調布市のグループホームはいくらかかる?
グループホームの費用は、「介護保険の基本サービス費」と「家賃・食費・光熱費などの生活費」の合計で構成されます。ここでは、調布市における費用の全体像を整理します。
基本サービス費(介護保険サービス費)の目安
グループホームの介護保険サービス費は、介護度によって1日あたりの単位数が変わります。調布市は地域区分が2級地に該当し、1単位あたり約1.16倍で計算されるため、同じ単位数でも地域によって利用者負担額が異なります。
以下は2ユニット(定員18名)の事業所を想定した目安です。
| 介護度 | 基本報酬(1日) | 1日あたりの目安(1割負担) | 月あたりの目安(30日換算) |
|---|---|---|---|
| 要支援2 | 749単位 | 869円 | 26,065円 |
| 要介護1 | 753単位 | 873円 | 26,204円 |
| 要介護2 | 788単位 | 914円 | 27,422円 |
| 要介護3 | 812単位 | 942円 | 28,258円 |
| 要介護4 | 828単位 | 960円 | 28,814円 |
| 要介護5 | 845単位 | 980円 | 29,406円 |
※上記は介護保険の基本サービス費のみの金額です。加算(初期加算、医療連携体制加算、夜間支援体制加算、サービス提供体制強化加算など)は施設ごとに異なるため、詳細は見学時にご確認ください。
月額費用の総額と敷金の目安
調布市のグループホームにおける月額費用の目安は以下のとおりです。家賃・食費・光熱費に介護保険の基本サービス費(1割負担)を加えた総額です。
| 費用帯 | 月額の目安 |
|---|---|
| 低価格帯 | 約165,000円〜 |
| 一般的な価格帯 | 170,000〜200,000円前後 |
| 高価格帯 | 約220,000〜225,000円程度 |
調布市内では170,000〜200,000円台が中心となっており、大半の施設がこの範囲に収まります。
初期費用となる敷金の扱いは施設により大きく異なります。
| 種類 | 金額の目安 | 備考 |
|---|---|---|
| 敷金なし | 0円 | 初期費用を抑えたい方に有利 |
| 退居時返金型 | 約80,000〜280,000円 | 原状回復費を差し引いて返金 |
| 償却型 | 約150,000円前後 | 入居後に一定額が償却され返金なし |
負担を軽減できる制度
グループホームでは、介護保険施設(特養・老健など)に適用される「補足給付(負担限度額認定)」は対象外です。食費や居住費に対する公的な減額措置は設けられていない点にご注意ください。
一方で、1か月の介護保険サービスの自己負担額が一定額を超えた場合に超過分が払い戻される「高額介護サービス費」は利用可能です。主な上限額の目安は以下のとおりです。
| 区分 | 月額の上限額(世帯) |
|---|---|
| 住民税非課税世帯(年金収入等80万円以下) | 15,000円(個人) |
| 住民税非課税世帯(上記以外) | 24,600円 |
| 一般的な課税世帯 | 44,400円 |
※上記は主要な3区分の目安です。現役並み所得者はさらに細分化されるため、詳細は調布市高齢者支援室(042-481-7321)へお問い合わせください。
調布市でグループホームを選ぶポイント

調布市には特徴の異なるグループホームが複数あり、比較すべき観点も多岐にわたります。以下では、入居を検討する際に押さえておきたい項目を重要度の高い順に整理しました。
月額費用の総額で比較する
グループホームの費用は家賃・食費・光熱費・基本サービス費の合計で決まりますが、施設ごとに費用項目の分け方や表記が異なります。「総額」で比較することが誤認を防ぐポイントです。敷金の有無・返金方式も忘れずに確認しましょう。
医療連携・訪問看護の体制を確認する
認知症の方は体調変化に気づきにくいため、医療との連携は施設選びの重要な判断材料です。持病がある場合や医療的ケアが必要な場合は、どこまで対応できるかが事業所ごとに異なるため、事前に具体的な体制を確認しておきましょう。
スタッフ体制とケアの方針を知る
スタッフの人数や経験年数、夜間の人員体制、認知症ケアに関する研修制度、そして個別ケアの方針が明確に示されているかを確認すると安心です。見学時には、スタッフと入居者の日常的なやりとりに目を向けると、実際の生活の雰囲気をイメージしやすくなります。
居室環境・施設内外の設備を見る
個室の広さや採光、共有スペースの使いやすさ、安全面への配慮、清掃・衛生管理の状態などは、生活の質に直結する要素です。
アクセスと周辺環境
調布市はエリアごとに生活環境が異なるため、家族が通いやすい場所か、公園や商業施設が近いか、駅やバス停からのアクセスの良さなども総合的に検討することが大切です。家族が気軽に面会できる立地であれば、認知症の方にとっても大きな安心材料になります。
調布市でグループホームを探す方へ
グループホームは、認知症のある方が少人数で穏やかに暮らし続けるための「住まい」です。ただし、ケアの方針や職員体制、医療連携、費用の内訳は事業所ごとに異なります。
月額費用だけで判断するのではなく、「本人が落ち着いて暮らせる環境か」「家族が関わりやすい体制か」「将来の状態変化にどこまで対応できるか」を軸に、複数の施設を見学して比較することが大切です。
迷ったときは、調布市内のサブセンターを含む10か所の地域包括支援センターやケアマネジャーに早めに相談しましょう。
参照元:厚生労働省 認知症対応型共同生活介護(認知症グループホーム)、令和6年度介護報酬改定における改定事項について、調布市 調布市認知症高齢者グループホーム一覧、くらしの案内シルバー編


執筆者紹介
医療と介護をつなぐ「安心のサポーター」。現場のリアルな知恵を届けます
看護師・ケアマネジャー:訪問看護やデイサービス勤務を通して、介護の現場に携わってきました。また、病院で看護師として勤務した経験を持ち、医療と介護の両方の視点から、現場で得た知識や経験をわかりやすくお届けします。





