グループホーム(認知症対応型共同生活介護)は、認知症と診断された高齢者が1ユニット5〜9名の少人数で共同生活を営みながら、介護職員の見守りと支援のもとで日常を過ごす地域密着型の介護保険サービスです。
中野区で入居するには「医師による認知症の診断」「要支援2または要介護1〜5の認定」「中野区に住民票があること」の3要件をすべて満たす必要があります。
1日あたりの自己負担額(1割負担・1ユニットの事業所)は要支援2で828円〜要介護5で935円で、これに家賃・食費・光熱水費などの実費が加わり、月額の総額は15万〜20万円程度が目安です。
本記事では、中野区の公的資料にもとづき、グループホームの仕組み・提供されるケアの内容・費用の内訳と負担軽減の可否・入居条件・施設選びのポイント・相談窓口までを網羅的に解説します。
目次
東京都中野区のグループホーム(認知症対応型共同生活介護)とは?

認知症と診断された方が「自宅での介護はもう難しいかもしれない」と感じたとき、住み慣れた中野区から離れずに暮らし続けられる選択肢がグループホームです。
グループホームは介護保険制度上「認知症対応型共同生活介護」に分類される地域密着型サービスであり、入居者が調理・洗濯・掃除などの家事を職員とともに行いながら、家庭に近い雰囲気のなかで毎日を送ります。
グループホーム(認知症対応型共同生活介護)の仕組み
1ユニットあたり最大9名の少人数制で、24時間体制の介護職員が生活全般を見守ります。本人の残っている能力を活かしながら、食事の盛り付けや洗濯物たたみといった日常動作を通じて身体機能と認知機能の維持を図る「自立支援」が基本方針です。
少人数の顔なじみ環境には、環境変化によるストレスを抑えやすい、個々の生活リズムに合わせた柔軟な対応ができる、職員の目が行き届きやすいといった利点があります。大規模施設では埋もれがちな個別の要望も、少人数だからこそ丁寧に拾い上げてもらえる点がグループホームならではの強みです。
有料老人ホームなど他の介護施設との違い
グループホームの特徴をより明確にするため、よく比較される2つの施設との違いを整理します。
有料老人ホームとの違い
介護付き有料老人ホームは民間運営が中心で、設備やサービス内容に大きな幅があります。居室や共用部が充実する反面、入居一時金が数百万円に及ぶ施設も存在するのです。
グループホームは介護保険を軸に運営されるため費用体系が比較的わかりやすく、入居一時金が不要または少額の施設が多い傾向です。費用を抑えつつ認知症に特化したケアを重視する場合はグループホーム、居住空間の快適さや設備面を優先する場合は有料老人ホームが選択肢になります。
特別養護老人ホーム(特養)との違い
特別養護老人ホームは原則として要介護3以上が対象で、認知症の有無を問わず入所可能です。数十名〜100名超の大規模施設が主流であり、グループホームの家庭的な雰囲気とは性質が異なります。所得に応じた負担軽減制度が手厚い一方、待機者が非常に多く入所まで長期間を要するケースが珍しくありません。
グループホームは認知症の方のみを対象としており、要介護度が比較的軽い段階から専門的な認知症ケアを受けられる点が強みです。
中野区のグループホームに入居するための3つの条件
グループホームは地域密着型サービスであるため、入居にあたっては以下の3要件すべてを満たしている必要があります。
①中野区に住民票がある区民であること
入居できるのは原則として中野区内に住民票を有する方に限られます。家族が区外に住んでいても、本人の住所が中野区内であれば対象になります。JR中央線・東京メトロ丸ノ内線・東西線・西武新宿線・都営大江戸線と多数の路線が通る中野区は、長年暮らしてきた交通圏や生活圏をそのまま維持できる点も大きな利点です。
②医師から認知症の診断を受けていること
主治医または専門医により認知症と診断されていることが必須です。診断書をもとに、入居前の段階から本人の症状や必要なケアの方向性が施設側と共有され、入居初日から個別に対応した支援を開始できます。
③要支援2以上の介護認定を受けていること
介護保険の要支援2、または要介護1〜5の認定が求められます。要支援1の方は原則として利用できません。認定を受けていない場合は、担当区域の地域包括支援センター(区内8か所)で窓口申請が可能です(郵送の場合は中野区役所 介護保険課 介護認定係宛)。
中野区のグループホームで受けられるケア・サービス内容
グループホームでは、認知症のある高齢者が地域の中で暮らしを続けながら、日常生活に必要な支援を受けることが可能です。以下では、実際に提供される具体的なサービスを項目ごとに整理します。
1.生活リハビリを重視した日常支援
グループホームのケアの大きな特徴は、日々の暮らしそのものをリハビリの一環として位置づけている点です。食事の支度や配膳、洗濯物のたたみ、居室の整理といった家事に、声かけや見守りを通じて参加してもらいます。
こうした取り組みは「生活リハビリ」と呼ばれ、役割を持ちながら生活することが認知症の進行を穏やかにし、自立した暮らしの維持につながるとされています。
2.食事・入浴・排せつ・服薬管理のサポート
日常の基本的な支援として、食事の介助や見守り、入浴時の安全確保、排せつの介助やトイレ誘導、服薬の確認・管理などを提供。ただし、何もかもを職員が行うのではなく、本人の残存能力を活かしながら必要な部分だけを補う「過介護を防ぐ支援」が基本的な姿勢です。
3.医療機関との連携・健康管理
グループホーム自体は医療機関ではありませんが、協力医療機関との連携は施設選びの重要な判断材料です。
多くの事業所では、定期的な往診やバイタルチェックによって持病の経過を見守る体制を整えています。体調の急変時には、医療機関への連絡と家族への報告を含む緊急対応フローに沿って迅速に対応されます。
4.レクリエーション・地域との交流
生活意欲の維持や閉じこもり防止を目的に、体操・音楽活動・手工芸・回想法・季節行事・誕生日会など、多彩なレクリエーションを実施。
また、地域住民やボランティアとの交流、近隣の散歩、町内行事への参加といった取り組みも特徴的です。住み慣れた地域とのつながりが保たれることで、精神的な安定にもつながっています。
5.外出・外泊の支援
入居後も、外出や外泊が一律に制限されるわけではありません。事前の申請と調整に基づき、散歩・買い物・家族との面会・外泊なども柔軟に対応してもらえます。あくまで暮らしの延長として、地域の中で生活の継続性が尊重されています。
6.家族との連携・相談支援
入居後も、家族への状態報告や定期面談を実施。認知症の進行や体調の変化に応じて、ケア内容の見直しや医療機関との連携も実施されます。不安がある場合は、施設職員やケアマネジャー、稲城市の地域包括支援センターに相談することで適切なサポートを受けられます。
東京都中野区のグループホーム一覧情報

中野区内には、23か所のグループホームがあることをご存知でしょうか。以下では、区内のグループホーム情報を一部ご紹介します。(2026年2月時点の情報です)
はぴね中野坂上
| 所在地 | 東京都中野区中央1丁目11番8号 |
| 電話番号 | 03-5348-7753 |
グループホームcarna中野丸山
| 所在地 | 東京都中野区丸山1丁目25番14号 |
| 電話番号 | 03-5318-5410 |
生活協同組合パルシステム東京グループホーム「中野陽だまり」
| 所在地 | 東京都中野区東中野1丁目4番10号 生活協同組合パルシステム東京第2中野陽だまり |
| 電話番号 | 03-5989-1542 |
花物語なかの南
| 所在地 | 東京都中野区本町1丁目8番2号 |
| 電話番号 | 03-6301-6387 |
愛の家グループホーム中野上高田
| 所在地 | 東京都中野区上高田1丁目2番45号 |
| 電話番号 | 03-5332-5670 |
その他のグループホームや空室事業所を探したい方は、中野区介護(予防)サービス・地域情報サイト「けあプロnavi」をご活用ください。
中野区のグループホームにかかる料金・費用の助成制度
グループホームの費用は、介護保険の自己負担分(基本サービス費)と、施設ごとに設定される実費(家賃・食費など)の合算です。
基本サービス費(介護保険の自己負担分)
基本サービス費は、利用者の要介護度に応じて1日単位で算定されます。中野区は介護報酬の地域区分で1級地(上乗せ割合20%)に該当し、グループホーム(人件費割合45%)の1単位単価は10.90円です。以下は1ユニットの事業所における1日あたりの金額です。
◆令和6年4月改定後/1ユニットの事業所の場合
| 介護度 | サービス費用(1日) | 自己負担額(1割) |
|---|---|---|
| 要支援2 | 8,284円 | 828円 |
| 要介護1 | 8,328円 | 833円 |
| 要介護2 | 8,720円 | 872円 |
| 要介護3 | 8,971円 | 897円 |
| 要介護4 | 9,156円 | 916円 |
| 要介護5 | 9,352円 | 935円 |
※別途、初期加算・医療連携体制加算などの各種加算が発生する場合があります。所得に応じて自己負担割合が2割または3割になることがあるため、手元の「介護保険負担割合証」で確認してください。
家賃・食費などの実費負担
基本サービス費に加え、家賃(居住費)・食材費・光熱水費・管理費・日用品費などが毎月かかります。これらは介護保険の給付対象外であり、施設が独自に金額を設定しているものです。
中野区は都心に近い立地のため、月額の総額は15万〜20万円程度が目安ですが、駅からの距離や設備の充実度によって差が出ます。見学時に内訳の明細を確認し、複数の施設を比較検討することが大切です。
費用の助成制度の一例:高額介護サービス費
1か月の自己負担額が一定の上限を超えた場合、超過分が「高額介護サービス費」として払い戻されます。主な区分は以下のとおりです。
| 所得区分 | 月額上限(世帯合計) |
|---|---|
| 課税所得690万円以上 | 140,100円 |
| 課税所得380万円以上690万円未満 | 93,000円 |
| 一般(住民税課税世帯) | 44,400円 |
※上記以外にも細かい区分があります。詳細は中野区介護保険課(03-3228-5629)へお問い合わせください。
グループホームに適用されない軽減制度
特別養護老人ホームなどで利用できる「補足給付(特定入所者介護サービス費)」は、グループホームには適用されません。社会福祉法人等による利用者負担軽減制度についてもグループホームは対象外です。
家賃・食費を含む実費部分は全額自己負担が前提となるため、資金計画の際はこの点を織り込んでおく必要があります。
中野区でグループホームを探す手順と相談先
中野区でグループホームを探す際は、公的な相談窓口を起点にすると効率的に情報を集められます。
地域包括支援センターを活用する
中野区には8か所の地域包括支援センター(本町・東中野・南中野・中野北・江古田・鷺宮・上鷺宮・中野)が設置されています。社会福祉士・保健師・主任ケアマネジャーなどの専門職が常駐しており、最新の空室状況やエリアごとの施設の特色、要介護認定の手続きまでまとめて相談することが可能です。
インターネットの検索だけでは把握しにくい急な空室情報や、医療連携体制の実態なども教えてもらえるため、施設選びの第一歩として活用してください。
なお、中野区では要介護認定の窓口申請先も担当区域の地域包括支援センターです。「認定をまだ受けていない」という段階から相談に行けるので、早めの訪問をおすすめします。
複数の施設を見学して比較する
候補が絞れたら、必ず複数の施設を実際に見学しましょう。確認したいポイントは以下のとおりです。
- 職員の接し方:入居者に対する声かけの仕方やトーンが穏やかか
- 入居者の表情:利用者が落ち着いて過ごしているか
- 生活環境:清掃が行き届いているか、不快なにおいがないか
- 日常のプログラム:食事内容やレクリエーションの種類と頻度
- 医療連携:協力医療機関の名称、往診の頻度、看取り対応の有無
中野坂上・中野新橋・東中野・鷺ノ宮など区内各エリアに施設が点在しているため、家族が通いやすい立地かどうかもあわせて確認すると、入居後の面会や急な対応がスムーズになります。
中野区のグループホームに関するよくある質問

以下では、グループホームに関するよくある質問についてまとめました。
看取りまで対応してもらえますか?
施設によって異なります。看取り介護加算を算定し、終末期まで暮らし続けられる体制を整えているホームもあれば、医療依存度が高まった段階で転居を検討する施設もあります。「終の棲家」として考えたい場合は、見学時に看取り対応の実績と協力医療機関との連携体制を確認しておくことが重要です。
入居待ちはどのくらいかかりますか?
施設やエリアによって大きく異なり、即入居可能なケースもあれば数か月の待機が生じることもあります。一つの施設に絞り込まず複数の候補に並行して申し込むのが早期入居のコツです。待機中はショートステイやデイサービスなど在宅サービスを組み合わせて家族の負担を軽減しながら、担当ケアマネジャーや地域包括支援センターと連携してこまめに空室情報を確認しましょう。
まとめ
東京都中野区のグループホームは、認知症の方がJR中央線・丸ノ内線・西武新宿線などの沿線で築いてきた生活圏を離れることなく、少人数の穏やかな環境で専門的なケアを受けられる住まいです。
費用は1級地の介護報酬単価にもとづく基本サービス費(1割負担で1日828〜935円)に、家賃・食費などの実費が加わり、月額15万〜20万円程度が目安となります。
まずは担当区域の地域包括支援センター(区内8か所)に足を運び、空室状況の確認や認定申請の手続きを進めましょう。複数の施設を見学し、スタッフの対応・生活環境・医療連携体制を自分の目で確かめたうえで、本人に最もふさわしい住まいを選んでください。
参照元:厚生労働省 認知症対応型共同生活介護(認知症グループホーム)、令和6年度介護報酬改定における改定事項について 、7. 認知症高齢者グループホーム(認知症対応型共同生活介護、東京都福祉局 介護保険制度パンフレット、中野区 介護保険パンフレット「みんなでささえる介護保険」


執筆者紹介
医療と介護をつなぐ「安心のサポーター」。現場のリアルな知恵を届けます
看護師・ケアマネジャー:訪問看護やデイサービス勤務を通して、介護の現場に携わってきました。また、病院で看護師として勤務した経験を持ち、医療と介護の両方の視点から、現場で得た知識や経験をわかりやすくお届けします。





