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医療・介護のバックオフィス調査:3割が紙処理に「月50時間超」を浪費、デジタル化未着手も3割

医療・介護のバックオフィス調査:3割が紙処理に「月50時間超」を浪費、デジタル化未着手も3割を表す画像

2026年2月12日、株式会社インフォマートは、医療・介護機関のバックオフィス業務に関する実態調査の結果を発表しました。調査からは、約3割の施設が紙の帳票処理に「月間50時間以上」を費やしている実態が明らかになり、デジタル化の遅れが現場と本部双方の大きな負担になっていることが浮き彫りとなっています。

調査の概要

本調査は、従業員数100名以上の医療・介護機関で調達や経理などのバックオフィス業務に従事する248名を対象に、2025年12月16日〜22日にインターネットで実施されたものです。帳票処理の実態やデジタル化の進捗状況、バックオフィスDX(デジタルトランスフォーメーション)への期待について幅広く聞いています。

主な調査結果は以下のとおりです。

  • 帳票のデジタル化は3割以上が「未着手・予定なし」で最多
  • 2割以上が毎月500枚以上の帳票を処理する一方、4割以上が自身の業務量を把握していない
  • 紙の帳票処理に月間50時間以上を費やしている施設は約3割
  • 6割以上が請求書・発注書のデジタル化を取引先に望んでいる
  • 4割以上がバックオフィスDXは経営に寄与すると回答

1.膨大な「紙の帳票」が経営と現場を圧迫

調査結果からは、依然として旧来のアナログな事務作業が医療・介護機関の大きな負担となっている実態が見えてきます。

月間50時間以上のロス

紙の帳票処理に部署全体で月間何時間かかっているかを示す円グラフ。月50時間以上を費やす層が約3割存在する現状を示す画像

紙の帳票を処理していると回答した171名のうち、28.0%が部署全体で月間50時間以上を費やしていると回答。勤務場所別に見ると、「本部・本社・事務局で勤務」している層では36.5%に達しており、各施設の帳票類が本部に集中し、負担が偏っている実態がうかがえます。

膨大な処理枚数

勤務先における帳票別のバックオフィスDX進行度を示すグラフ。各帳票で「未着手」が約3割を占める現状を示す画像

いずれの帳票(見積書・契約書・発注書・納品書・請求書)においても、2割以上が毎月500枚以上を処理。1日あたりに換算すると、1種類の帳票だけで毎日数十枚以上の処理が発生している計算です。一方で、4割以上が自身の業務量を「わからない」と回答しており、業務負荷の可視化そのものが課題となっています。

デジタル化に未着手

勤務先における帳票別のバックオフィスDX進行度を示すグラフ。各帳票で「未着手」が約3割を占める現状を示す画像

すべての帳票(見積書・契約書・発注書・納品書・請求書)において、「デジタル化に未着手・予定なし」が3割以上で最多となりました。一方、見積書・契約書・発注書の3種類については約4割がデータ管理を主流としており、帳票の種類によって進捗に差が生じています。

2.DXがもたらす「働き方改善」への期待

厳しい経営環境が続く中、バックオフィスDXには単なる効率化にとどまらない価値が期待されています。

取引先への要望

請求書と発注書のデジタル化について、取引先へどの程度要望しているかを示すグラフ。「要望したいが伝えられていない」層が約2割存在する現状を示す画像

請求書のデジタル化を取引先に望む割合は63.7%、発注書は62.9%と、いずれも6割以上に達しました。業界全体での脱・紙文化が求められています。

経営への寄与

バックオフィスDXが病院・施設の経営にどの程度寄与するかを示す円グラフ。「大きく寄与する・寄与する」が計43.5%を占める現状を示す画像 キャプション

バックオフィスDXが経営に寄与すると回答した割合は合計43.5%(「大きく寄与する」12.9%、「寄与する」30.6%)。すでにDXが進んでいる施設では、効果として「ペーパーレスの推進」(49.7%)、「コスト削減」(44.3%)、「書類管理の効率化」(36.9%)が上位に挙げられています。

リソースの再配分

DXによって生まれた時間の使い道としては、「スタッフの働き方・労働環境の改善」(39.1%)が最多で、次いで「新たな医療サービスの展開」(26.6%)、「経営分析やコスト管理業務の強化」(25.0%)が続きました。慢性的な人手不足のもとで、労働環境の改善が喫緊の課題になっていることがうかがえます。

医療・介護の倒産リスクに対抗する「攻めの事務効率化」

インフォマート ホリゾンタル事業部門 執行役員・小野史裕氏は、今回の調査結果を受けて次のように述べています。

東京商工リサーチの調査によると、2025年の「病院・クリニック(歯科医院を除く)」の倒産は41件と過去20年間で2番目の高水準となり、「介護事業者」の倒産は176件と過去最多を更新しました。物価上昇や人件費の増加が施設経営を圧迫している中、2割以上が月500枚以上の帳票を処理し、約3割が紙の業務に月50時間以上を費やしている実態は、経営を圧迫する「見えないコスト」だと小野氏は指摘します。この事務負担をデジタルの力で解消し、生まれた余力を「質の高いケア」や「職員の処遇改善」へ還元することが、これからの前向きな経営戦略になるとの考えを示しました。

編集部より

人手不足が深刻な医療・介護現場において、本部や事務職が「紙」に縛られ月50時間以上を費やす現状は、大きな機会損失です。バックオフィスDXは単なるペーパーレス化ではなく、経営状況をリアルタイムに把握し、戦略的なコスト管理を行うための土台となります。

今回の調査では4割以上がDXの経営効果を認め、生まれた時間を「スタッフの労働環境改善」に充てたいとの声が最も多く聞かれました。倒産件数が過去最多水準で推移する中、デジタル化への着手は職員の負担軽減にとどまらず、経営の安定性を高めるための「喫緊の投資」として捉えるべき局面に来ています。

参照元:プレスリリース

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