新宿区のグループホーム(認知症対応型共同生活介護)は、認知症と診断された高齢者が1ユニット5〜9名の少人数で共同生活を送りながら、専門スタッフによる認知症ケアや日常生活の支援を受けられる地域密着型の介護保険サービスです。
入居には「医師による認知症の診断」「要支援2以上の介護認定」「新宿区内に住民票があること」の3要件を満たす必要があります。
1日あたりの介護保険自己負担額(1割負担・1ユニットの事業所)は、要支援2で828円、要介護1〜5で833円〜935円です(令和6年4月改定後)。これに居住費・食費・日用品費などの実費が加わり、月額総額は20万〜30万円程度が目安となります。
本記事では、新宿区の公的情報にもとづき、グループホームの仕組み・費用の内訳・入居条件・施設の探し方・入居までの流れを詳しく解説します。
目次
新宿区のグループホーム(認知症対応型共同生活介護)とは

新宿区でグループホームの利用を検討し始めた方の中には、「特養や有料老人ホームと何が違うのか」と迷う方も少なくありません。
グループホームは、介護保険制度のなかで「認知症対応型共同生活介護」に分類される地域密着型サービスです。大規模施設とは異なり、認知症のある方が住み慣れた新宿区内で穏やかな暮らしを続けるための”もうひとつの住まい”として機能しています。
グループホームの基本的な仕組み
1ユニット最大9名という少人数環境のもと、入居者はスタッフの見守りや支援を受けながら、調理・洗濯・掃除といった日々の家事を無理のない範囲で分担します。すべてをスタッフに任せるのではなく、ご本人の「できること」を活かしながら暮らすことで、認知機能の維持や自尊心の支えにつなげていく考え方が特徴的です。
少人数の顔なじみの環境は、環境変化に敏感な認知症の方にとって精神的な安定を得やすく、個々の生活リズムに寄り添った柔軟なケアが可能になります。
特別養護老人ホームなど他の介護施設との違い
新宿区内には特別養護老人ホームや有料老人ホームなど、さまざまな高齢者向け施設があります。グループホームとの主な相違点を把握しておくと、施設選びの判断がしやすくなります。
特別養護老人ホーム(特養)との違い
特別養護老人ホームは原則として要介護3以上の方が対象で、認知症の有無にかかわらず入所できます。数十名から100名超が暮らす大規模施設が多く、費用面では比較的安価な傾向ですが、新宿区でも待機者が多く入所までに長い時間がかかるのが実情です。
グループホームは認知症ケアに特化し、少人数環境で個別対応を受けやすい点が強み。「要介護度が比較的軽い段階から、認知症の専門的なケアを受けたい」という方に向いています。
有料老人ホームとの違い
有料老人ホームは民間運営が中心で、施設によってサービス内容や費用に大きな幅があります。入居一時金が数百万円以上になるケースも珍しくありません。
グループホームは介護保険を軸に運営されるため費用体系が比較的統一されており、入居一時金が不要または少額の施設が多い傾向です。費用を抑えつつ認知症ケアを重視する場合は、グループホームが選びやすい選択肢となります。
新宿区のグループホームへの入居条件
新宿区のグループホームに入居するためには、以下の3つの条件をすべて満たす必要があります。
新宿区内に住民票があること
グループホームは地域密着型サービスのため、原則として新宿区に住民票を置いていることが必須です。ご家族が区内に住んでいても、ご本人の住民票が他の市区町村にある場合は原則として利用できません。転居後間もない場合は施設に相談が必要です。
医師から認知症の診断を受けていること
認知症ケアに特化した住まいであるため、主治医による認知症の医学的な診断が欠かせません。まだ診断を受けていない場合は、かかりつけ医や専門の医療機関を受診しましょう。診断書は入居審査で必要書類の1つとなります。
要支援2以上の介護認定を受けていること
介護保険サービスを利用するには、要支援2または要介護1〜5の認定が必要です。自立や要支援1の方は原則対象外となります。認定をまだ受けていない方は、新宿区の高齢者総合相談センター(地域包括支援センター)で申請手続きを行いましょう。新宿区では、高齢者総合相談センターが認定申請の原則的な窓口となっています。
新宿区のグループホームにおける医療・看護体制と健康管理
グループホームは医療機関ではないものの、入居者が安心して日々を過ごすためには体調の変化にすみやかに対応できる体制が欠かせません。新宿区の施設では、外部の医療機関や訪問看護ステーションとの連携を通じて、入居者の健康管理と緊急時の備えを確保しています。
協力医療機関との連携で日常の健康管理と急変時に対応する
グループホームには、施設ごとに協力医療機関が定められており、嘱託医が定期的に訪問して入居者の診察や健康相談を実施。日中の様子をよく知るスタッフが受診に同行し、医師へ正確な情報を伝えることで、的確な診断につなげる仕組みが整っています。
夜間や休日に体調が急変した際にも、協力医療機関との24時間連絡体制により速やかに医師の判断を仰ぐことが可能です。入院が必要と判断された場合は、受け入れ先の病院との調整も施設側で進めてくれます。
看護師の配置や訪問看護との連携で医療ニーズに応える
グループホームには看護師の常駐義務はありませんが、施設によっては看護職員を配置したり、地域の訪問看護ステーションと契約して専門的なケアを取り入れたりしています。
新宿区内には多くの訪問看護ステーションが点在。外部サービスを組み合わせることでインスリン注射や褥瘡(床ずれ)の処置といった医療的ケアへの対応力を高めている施設もあります。
入居前に、ご本人に必要な医療処置がどこまで対応可能かを施設へ直接確認しておくことが大切です。
看取り介護への対応を事前に確認しておく
近年、住み慣れた場所で最期を迎えたいというニーズの高まりを受け、新宿区内でも看取り介護の体制を整えるグループホームが増えています。看取り介護では、回復が見込めない段階に入った後も、苦痛の緩和とご本人らしい生活の尊重を最優先にケアが行われます。
医師・看護師・ご家族との十分な話し合いのもとで方針を定め、24時間スタッフが寄り添う環境を整備。看取り介護加算を算定している施設では、専門研修を修了した職員が配置されています。
対応の範囲は施設ごとに異なるため、見学時に方針と実績を確認しておきましょう。
東京都新宿区内のグループホーム(認知症対応型共同生活介護)情報

新宿区内にはあんじゅうむ大久保や優っくりグループホーム新宿西落合といった13か所のグループホームがあります。以下では区内のグループホーム情報の一部をまとめました(2026年2月時点の情報です)。
優っくりグループホーム新宿西落合
| 所在地 | 東京都新宿区西落合2丁目8番7号 |
| 電話番号 | 03-3565-6282 |
あんじゅうむ大久保
| 所在地 | 東京都新宿区大久保1丁目10番19号 |
| 電話番号 | 03-6228-0308 |
せらび新宿
| 所在地 | 東京都新宿区北新宿4丁目11番13号 |
| 電話番号 | 03-5348-2737 |
グループホーム神楽坂
| 所在地 | 東京都新宿区矢来町104番 |
| 電話番号 | 03-3269-7555 |
笑がおの園新宿
| 所在地 | 東京都新宿区西新宿4丁目15番1号 西新宿パークハイツ2階 |
| 電話番号 | 03-6300-0980 |
その他の施設一覧や空室状況は、以下のツールで確認できます。
- さがせーる新宿:地図上から区内の介護サービス事業所を検索できる新宿区提供のサイト
- ハートページ 新宿区版:区内の事業所情報が網羅された冊子(区役所・高齢者総合相談センターなどで配布)
- 介護サービス情報公表システム(厚生労働省):全国の事業所情報を検索できる公的データベース
具体的な費用や受け入れ条件は施設によって異なるため、気になる事業所があれば直接問い合わせましょう。
新宿区のグループホーム費用|月額料金の内訳と自己負担のしくみ
グループホームの毎月の費用は、介護保険が適用される「介護サービス費の自己負担分」と、家賃・食費などの「実費負担分」の2本立てで構成されています。
介護保険サービス費の自己負担額(1日あたり)
要介護度に応じた基本報酬に、新宿区の地域区分(1級地)を反映した1日あたりの自己負担目安は以下のとおりです。
| 介護度 | 1日あたりの自己負担額(1割負担) |
|---|---|
| 要支援2 | 828円 |
| 要介護1 | 833円 |
| 要介護2 | 872円 |
| 要介護3 | 897円 |
| 要介護4 | 916円 |
| 要介護5 | 935円 |
(1ユニットの事業所の場合/令和6年4月改定後)
※上記は基本報酬(認知症対応型共同生活介護費Ⅰ)に1級地の地域加算を反映した概算です。
※2割負担・3割負担の方は、上記金額の2倍・3倍が目安となります。
※各種加算(初期加算、サービス提供体制強化加算、医療連携体制加算等)が加わるため、実際の請求額はこれより高くなるのが一般的です。
介護保険の対象外となる生活費
以下の費用は全額自己負担です。金額は施設ごとに設定が異なります。
- 居住費(家賃・共益費)
- 食費(食材費・調理費)
- 水道光熱費
- 日用品費(おむつ代・衛生用品など)
新宿区は都心エリアのため、家賃が他の地域に比べて高めに設定される傾向があります。月額総額で20万〜30万円程度のケースが一般的です。
その他に発生する費用
- 通院時の医療費・薬代(医療保険適用で1〜3割負担)
- 理美容代
- レクリエーション材料費・外出時の交通費など
費用負担を軽減する制度
月々の支出が大きくなりやすいグループホームでは、利用できる公的な軽減制度を事前に把握しておくことが重要です。
高額介護サービス費制度
1か月の介護保険自己負担額が所得区分ごとの上限を超えた場合、超過分が申請により払い戻されます。
| 所得区分 | 月額上限 |
|---|---|
| 住民税課税世帯(一般) | 44,400円 |
| 住民税非課税世帯 | 24,600円 |
| 生活保護受給者等 | 15,000円 |
※所得区分はさらに細かく設定されています。詳細は新宿区の介護保険課(電話:03-5273-4176)にお問い合わせください。
なお、特別養護老人ホームなどで利用できる負担限度額認定(特定入所者介護サービス費)は、グループホームには適用されません。居住費・食費の軽減対象外である点にご注意ください。
グループホーム入居までの流れ

新宿区でグループホームへの入居を進める際の一般的なステップを整理します。
1.要介護認定を受ける
グループホームの利用には、要支援2または要介護1〜5の認定と、医師による認知症の診断が前提です。認定をまだ受けていない方は、お住まいの地域を担当する高齢者総合相談センターで申請しましょう。
新宿区には区役所を含め11か所のセンターが設置されており、保健師・社会福祉士・主任ケアマネジャーが無料で相談に応じています。
2.希望する施設に問い合わせる
認定結果が届いたら、気になるグループホームへ連絡を取り、空き状況・月額費用の概算・受け入れ条件などを確認しましょう。さがせーる新宿やハートページ新宿区版を活用すると、区内の事業所を効率よく比較できます。
3.見学と事前相談
候補を絞ったら、必ず現地を訪問しましょう。スタッフの対応や入居者の様子、施設内の清潔感や日当たりなど、資料だけでは分からない雰囲気を自分の目で確かめることが施設選びの要です。
4.入居申込み・書類の準備
入居を決めたら、施設指定の申込書を提出します。あわせて必要となる主な書類は以下のとおりです。
- 介護保険被保険者証
- 主治医意見書または診断書
- 施設所定の入居申込書
5.面談と入居審査
提出書類をもとに、施設がご本人やご家族と面談を実施します。日常生活の希望や心配事を伝える場にもなります。
6.契約手続きと入居開始
入居が決まったら、重要事項説明書と契約書の内容をよく確認し、疑問点をすべて解消したうえで署名しましょう。入居日程を調整し、新しい生活のスタートです。
まとめ|新宿区のグループホームを探す方へ
新宿区のグループホームは、認知症のある方が都心の利便性を活かしながら、専門スタッフのサポートのもとで家庭的に暮らせる住まいです。入居には「新宿区の住民票」「要支援2以上の認定」「医師による診断」が必要ですが、少人数環境で過ごしていただくことで、ご本人の尊厳と穏やかな生活リズムを守る大きな助けとなります。
費用は月額20万〜30万円程度が目安ですが、立地やサービス内容によって差があるため、複数施設の比較と見学が欠かせません。
まずは最寄りの高齢者総合相談センター(電話:03-5273-4593)に相談し、ご本人が笑顔で暮らせる最適な環境を見つけていきましょう。
参照元:厚生労働省 認知症対応型共同生活介護(認知症グループホーム)、令和6年度介護報酬改定における改定事項について 、7. 認知症高齢者グループホーム(認知症対応型共同生活介護、東京都福祉局 介護保険制度パンフレット、新宿区 令和7年度版 介護保険べんり帳、介護サービス事業所・施設を探す、さがせーる新宿、ハートページ 新宿区版


執筆者紹介
医療と介護をつなぐ「安心のサポーター」。現場のリアルな知恵を届けます
看護師・ケアマネジャー:訪問看護やデイサービス勤務を通して、介護の現場に携わってきました。また、病院で看護師として勤務した経験を持ち、医療と介護の両方の視点から、現場で得た知識や経験をわかりやすくお届けします。





