近年、猛暑や線状降水帯による豪雨災害、物価上昇など、介護事業所を取り巻く環境は大きく変化しています。
東京都では、このような状況下でも介護サービスを円滑に継続できる体制づくりを支援するため、「介護事業所等に対するサービス継続支援事業」を実施。
令和8年6月1日から事前申請の受付が開始され、都内の介護事業所・介護施設等を対象に補助金を交付します。
目次
この記事でわかること
- 東京都「介護事業所等に対するサービス継続支援事業」の補助内容と対象経費
- 基本メニュー(補助率10/10)と加算メニュー(補助率3/4)の違い
- 事前申請期間と補助対象期間のスケジュール
介護サービスの継続に必要な経費を幅広く支援
本事業は、気候変動の影響による猛暑や線状降水帯などの災害、さらには物価上昇などの影響を受けても、介護サービスを安定して提供できるよう支援する制度です。
主な補助対象(基本メニュー)
- ガソリン代などの移動経費
- ネッククーラー、業務用スポットクーラーなどの暑さ対策用品
- スパイクタイヤ、スタッドレスタイヤなどの猛暑対策用品や雪害対策用品
- 飲料水や食料品などの災害備蓄物資
- ポータブル発電機、蓄電池、簡易トイレなどの災害対策用品
補助率は10分の10で、事業所のサービス類型や規模に応じて補助基準額が設定されています。なお、50万円以上の設備・備品は補助対象外です。
東京都独自の加算メニューで暑さ対策や設備整備を後押し
本事業では、国の支援に加えて東京都独自の加算メニューも用意されています。加算メニューの補助率は4分の3となっており、基本メニューの10分の10(全額補助)とは異なります。
主な補助対象(加算メニュー)
- ファン付き作業着や保冷剤入りベストなどの訪問系暑さ対策用品
- 利用者宅で使用する熱中症リスク感知機器
- 事業所・施設内に設置する日除けやミストシャワーなどの暑さ対策設備
- 電動アシスト自転車
- 可搬型蓄電池や外部給電器などの災害対策設備
なお、加算メニューを利用するためには、業務継続計画(BCP)を策定していることが条件です。災害や感染症などの非常時に備え、平時から事業継続体制を整備しておくことが求められるでしょう。
事前申請は令和8年9月30日まで受付
事前申請期間は令和8年6月1日から令和8年9月30日までです。
補助対象期間は、基本メニューが令和8年4月1日から11月30日までです。ただし、加算メニューⅠ(訪問系暑さ対策)のみ、令和8年1月1日から11月30日までに購入した物品等も対象となります。
東京都では、猛暑や自然災害など様々な困難が発生した場合でも介護サービスを継続できる環境整備を目的として本事業を実施しています。
制度を活用し、介護サービスの安定提供につなげよう
猛暑や自然災害の激甚化、物価上昇などへの対応は、介護事業所にとって重要な経営課題の1つです。
利用者へのサービス提供を途切れさせないためには、平時から必要な設備や備蓄品を整え、事業継続体制を構築しておくことが重要です。
「介護事業所等に対するサービス継続支援事業」は、介護現場の暑さ対策や災害対策、物価上昇への対応を支援する制度として、介護サービスの安定的な提供を後押しする内容となっています。
対象となる介護事業所・介護施設等は、補助対象経費や申請条件を確認し、制度の活用を検討してみてはいかがでしょうか。
参照元:東京都福祉局 介護事業所等に対するサービス継続支援事業について、補助内容一覧表

執筆者紹介
介護現場の「伴走者」。豊富な相談実績から、最適な選択肢を提案します。
介護老人保健施設(老健)や特別養護老人ホーム(特養)での相談援助職を経て、現在は多角的な視点から介護支援を行う。社会福祉士・精神保健福祉士・ケアマネジャーの3つの資格を保持し、制度の裏側から現場のリアルまでを熟知。これまで数多くの家族の悩みに向き合ってきた経験から、読者の「今、どうすればいい?」に対する的確な解決策を提示します。
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