介護人材の確保が難しくなる中、事業所運営の安定化や職員の定着を図るためには、生産性向上への取り組みが欠かせません。
しかし、「何から始めればよいかわからない」「取り組みが思うように進まない」と感じている事業所も少なくないでしょう。
厚生労働省では、こうした事業所を対象に、生産性向上の基本的な考え方から実践方法までを学べる「生産性向上ビギナーセミナー」および「フォローアップセミナー」を開催します。
目次
この記事でわかること
- 厚生労働省が開催する「生産性向上ビギナーセミナー」「フォローアップセミナー」の開催日程と参加方法
- ビギナーセミナー・講義形式・ワーク形式それぞれの内容の違いと対象者
- ワーク形式に参加するための条件や事後課題・修了証などの注意点
介護現場で求められる生産性向上とは
厚生労働省では、介護人材の確保が今後さらに難しくなることを見据え、生産性向上の取り組みを推進しています。
生産性向上とは単なる業務削減ではなく、介護の質を維持・向上しながら職員の負担軽減や働きやすい環境づくりを目指す取り組みです。
具体的には、役割分担の見直しや業務手順の改善、ICTや介護ロボットの活用、記録業務の効率化などが含まれます。
生産性向上ビギナーセミナーを開催
ビギナーセミナーは、生産性向上の取り組みをこれから始める事業所向けの入門編として開催されます。
開催日程
- 7月1日(水)
- 7月7日(火)
- 7月15日(水)
- 7月17日(金)
- 7月27日(月)
- 7月30日(木)
いずれもZoomによるオンライン開催で、時間は13時30分から15時30分までです。参加費は無料で、申し込みは各開催日の約1週間前までとなっています。
セミナー内容
セミナーでは、厚生労働省による生産性向上施策の紹介に加え、生産性向上ガイドラインを活用した業務改善の進め方が紹介されます。
また、実際に生産性向上に取り組んだ介護事業所による事例発表も行われる予定です。
- 見守り機器の導入
- 記録システム導入による業務効率化
- ケアプランデータ連携による業務効率化
- 床走行式リフト・寝位式特殊浴槽の導入
- OJTの仕組みづくりなど
現場での具体的な工夫や導入効果を知ることができ、自事業所での取り組みを検討する際の参考になりそうです。
フォローアップセミナー(講義形式)で実践方法を学ぶ
ビギナーセミナーの内容をさらに発展させた「フォローアップセミナー(講義形式)」も開催されます。
開催日程
- 8月21日(金)
- 8月24日(月)
- 9月2日(水)
- 9月4日(金)
いずれもZoomによるオンライン開催で、時間は13時30分から15時30分までです。参加費は無料です。
講義形式では、課題の見える化や因果関係図の作成、優先課題や生産性向上の取り組み(打ち手)の決定、実行計画の作成など、業務改善を進めるための具体的な手法について学ぶことができます。
フォローアップセミナー(ワーク形式)は実践重視
より実践的な内容として、「フォローアップセミナー(ワーク形式)」も開催される予定です。
開催日程
ワーク形式は全2回構成で、参加者は以下の4グループから1つを選択して参加します。
- グループA:8月18日・10月20日
- グループB:8月20日・10月22日
- グループC:8月27日・10月26日
- グループD:9月1日・11月9日
いずれもZoomによるオンライン開催で、時間は13時30分から15時30分までです。定員は各回50事業所(先着順)で、定員に達した場合は申し込みが締め切られます。
参加条件に注意
ワーク形式への参加にはいくつかの条件があります。
- 経営層1名と従業者1名以上の合同参加が必須
- 全2回のプログラムへの参加が必須
- 申し込み後のキャンセルは不可
- 事後課題(因果関係図・実行計画等)の提出が必須
- フォローアップセミナー開催前に案内されるビギナーセミナーの動画を受講済みであること。または、過去(令和2年度〜令和8年度)のビギナーセミナーに参加済みであること
これらの条件を満たす必要があります。
また、ワーク形式は双方向で進行するため、傍聴参加はできません。傍聴を希望する場合は、フォローアップセミナー(講義形式)への申し込みが必要です。
なお、全2回の参加および成果報告書の提出を完了した事業所には、事務局から修了証が発行される予定です。また、セミナー期間中は事務局による無料の個別相談も利用できます。
アーカイブ配信も予定
ビギナーセミナーおよびフォローアップセミナー(講義形式)については、開催終了後おおむね1か月後以降にアーカイブ動画が配信される予定です。
一方、ワーク形式は参加者同士の意見交換を行うため、原則としてアーカイブ配信は予定されていません。
自治体や関係団体も参加対象
対象となるのは介護事業所だけではありません。介護事業所のほか養護老人ホーム、軽費老人ホーム、地域包括支援センターも含まれます。
- 自治体(生産性向上に係る関係部署の方)
- 介護生産性向上総合相談センター
- 介護テクノロジー相談窓口
- 関係団体
- 生産性向上に関する伴走支援者
- デジタル中核人材養成研修のサブ講師など
なお、メイン講師は介護現場の生産性向上支援に長年携わる株式会社TRAPE代表取締役の鎌田大啓氏が務めます。
人材不足時代の介護経営を支える学びの機会
介護現場の生産性向上は、職員の負担軽減だけでなく、サービス品質の向上や人材確保にもつながる重要な取り組みです。
今回のセミナーでは、生産性向上の基礎から実践的な改善手法まで体系的に学ぶことができます。
特にワーク形式では、課題分析や実行計画の作成に加え、事務局による無料の個別相談も利用できるため、自事業所での取り組みを具体的に進めたい事業所にとって有益な機会となりそうです。
参照元:厚生労働省 令和8年度介護現場の生産性向上に関する普及加速化事業一式生産性向上ビギナーセミナー・フォローアップセミナー(講義形式・ワーク形式)参加案内・周知のお願い

執筆者紹介
「福祉現場の架け橋」として、20年の経験から心に寄り添うヒントを。
介護福祉士および保育士として、高齢者介護から障がい福祉、保育まで、世代を問わず20年以上福祉の最前線に携わる。現場での豊富な実践経験を活かし、単なる制度解説に留まらない「介護する側・受ける側」双方の気持ちに寄り添った発信が持ち味。複雑な介護保険制度も、家族の視点に立って分かりやすく紐解きます。
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