介護支援専門員(ケアマネジャー)の資格更新制度が大きく変わろうとしています。
社会福祉法等の一部を改正する法律案では、更新制の廃止や研修制度の見直しが盛り込まれ、現場の負担軽減につながることが期待されています。
一方で、専門職としての資質向上に向けた研修の重要性は今後も変わりません。法改正のポイントを整理します。
目次
この記事でわかること
- ケアマネジャーの更新制廃止の概要と施行スケジュール
- 廃止後の研修制度の仕組み(分割受講・時間数縮減・オンライン化)
- 事業者に新たに課される研修受講支援の義務
ケアマネジャーの更新制が廃止へ|法改正の概要
社会福祉法等の一部を改正する法律案では、介護支援専門員(ケアマネジャー)の更新制度が見直され、研修受講を要件とした更新制が廃止される予定です。
施行期日は令和9年4月1日とされていますが、ケアマネジャーの研修制度に関する見直し(研修受講を要件とした更新制の廃止等)については、公布後1年6か月以内に政令で定める日から施行される予定となっています。
なお、社会福祉法等改正法案には複数の施行期日が設定されており、項目によって公布日、公布後1年6か月以内、公布後2年以内、公布後3年以内など段階的に施行される予定です。
今回の見直しにより、研修を受講しなかったことだけを理由に資格を失い、ケアマネジャーとして業務を続けられなくなる仕組みはなくなります。
ただし、資格更新制度が廃止されても、専門職として継続的に学ぶことの重要性は変わりません。
現行の更新制度と課題
現在の介護支援専門員制度では、5年ごとの資格更新が必要となっており、更新には法定研修の受講が要件となっています。2回目以降の更新研修は32時間で構成され、概ね4〜9日程度の日程で受講することが必要です。
しかし、現場からは時間的・経済的負担が大きいという声が多く上がっています。特に人員不足が続く事業所では、研修期間中の業務調整が課題となっていました。
廃止後の研修制度はどうなる?
今回の見直しは、研修受講に伴う負担軽減だけを目的としたものではありません。ケアマネジャーの資質の確保・向上を前提としつつ、可能な範囲で時間的・経済的な負担を軽減する、という両立を図る改正です。
更新制度は廃止されますが、研修そのものがなくなるわけではありません。
ケアマネジャーとして必要な知識や技能を維持・向上させるため、専門職としての継続的な学びの一環として、引き続き定期的な研修受講が求められます。
見直し後は、一定期間(5年間等)の中で任意のタイミングで分割して受講できる仕組みが導入される予定です。また、研修時間数の縮減も検討されています。
さらに、国による教材の一元的な作成やオンライン受講の推進も予定されており、研修内容の質を均質化するとともに、受講者の負担軽減が図られる見込みです。
事業者にも新たな義務が課される
今回の見直しでは、ケアマネジャー本人だけでなく、事業者にも研修受講のために必要な措置を講ずる義務が新たに設けられます。
具体的な内容は今後省令で定められる予定で、現時点ではあくまで例示の段階ですが、研修未受講者への指導や受講の指示、研修受講時間の確保といった措置が検討されています。
事業所全体で職員の学びを支える体制づくりが求められることになるでしょう。
ケアマネジャーが安心して働き続けられる環境整備へ
ケアマネジャーの更新制廃止は、資格更新に伴う時間的・経済的負担の軽減につながることが期待されています。一方で、研修制度自体は継続され、専門職として継続的に知識や技能を磨く重要性は変わりません。
今後は、省令や通知によって具体的な運用方法が示される予定です。制度改正の最新情報を確認しながら、現場でも適切に対応していくことが重要になるでしょう。
※本記事は「社会福祉法等の一部を改正する法律案」の概要をもとに作成しています。
参照元:厚生労働省 社会福祉法等の一部を改正する法律案の概要

介護現場の「伴走者」。豊富な相談実績から、最適な選択肢を提案します。
介護老人保健施設(老健)や特別養護老人ホーム(特養)での相談援助職を経て、現在は多角的な視点から介護支援を行う。社会福祉士・精神保健福祉士・ケアマネジャーの3つの資格を保持し、制度の裏側から現場のリアルまでを熟知。これまで数多くの家族の悩みに向き合ってきた経験から、読者の「今、どうすればいい?」に対する的確な解決策を提示します。
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