ケアマネジャーの皆さま、日々のお仕事お疲れ様です。現場の”困った”を解決する「ケアマネ相談室」です。
「毎月月末になると訪問が終わらない」
「月初は給付管理に追われ、新規相談が来ると正直しんどい」
「利用者都合もあるから予定なんて分散できない」
そんな声を現場でよく耳にします。
実は、経験豊富なケアマネほど「予定を埋める」のではなく、「あえて空ける」ことを意識していることが多いです。
今回は、月末・月初に追われないためのスケジュール設計についてお話しします。
「予定を埋めない勇気」が、結果的に利用者支援の質を上げる
多くのケアマネジャーを見ていると、忙しい人ほど予定表が隙間なく埋まっています。
一方で、いつも落ち着いているケアマネは、あえて予定を入れない時間を作っています。
ケアマネ業務は、医療機関の退院調整、緊急ショート、サービス変更、家族からの相談など、「予定外」が前提の仕事です。
予定を100%埋めてしまうと、急な対応が入った瞬間に、その後の予定がすべて崩れてしまいます。
つまり、余白は「暇な時間」ではなく、「緊急対応のためのバッファ」です。
現場で実践したい4つの考え方
以下の点を意識して予定を組むと良いでしょう。
① モニタリングは「期限」で考えず、「期間」で考える
モニタリングは、「◯月31日までに実施すればよい」ものです。
しかし、無意識のうちに「月末に行くもの」と決めつけてしまい、最終週へ集中させているケースが少なくありません。
例えば、
- 認定有効期間の満了が月初の利用者は第1週
- 中旬の利用者は第2〜3週
- 月末の利用者は第4週
といったように、期限内であれば柔軟に配置することで、業務量を均等にできます。
後輩へ指導する際も、「期限=月末」という思い込みを見直すことが重要です。
② 月末は「仕事をする週」ではなく、「崩れる週」と考える
ベテランほど、月末は崩れることを前提に予定を組みます。
例えば、
- 入院
- 退院
- 看取り
- 家族からの相談
- 実績修正
- サービス変更
これらは不思議なくらい月末・月初に重なることもあります。
だからこそ、「何も起きなかったらラッキー」くらいの感覚で、訪問件数を意図的に減らしておくのです。
予定どおりに進めることより、予定が崩れても対応できることの方が、ケアマネには重要です。
③ 「訪問件数」ではなく「考える仕事」を予定に入れる
予定表を見ると、訪問予定だけが並んでいるケアマネをよく見かけます。
しかし、実際に時間がかかるのは、
- ケアプラン修正
- サービス担当者会議の準備
- 医療連携
- 主治医への情報提供
- 認定更新の整理
- 記録作成
などの「考える仕事」です。
この時間を確保せずに訪問だけ入れてしまうと、結局すべて残業になります。
主任ケアマネほど、「デスクワークの時間」も予定としてブロックしています。
④ スケジュール管理は「個人」ではなく「事業所全体」で考える
スケジュール管理は、自分だけでなく事業所全体を見る視点も必要です。
例えば、
- 全員が月末にモニタリング
- 全員が月初に給付管理
- 同じ日に新規相談を受ける人が集中
では、事業所全体の対応力が落ちてしまいます。
担当ケースだけではなく、
- 誰が月末に余裕があるか
- 新規相談を誰が受けられるか
- 入退院対応を誰が担当できるか
まで考えて調整することで、組織全体が回るようになります。
もし主任ケアマネであれば、「自分の予定管理」から「事業所のマネジメント」へ視点を広げる役割も求められるでしょう。
余白が、より良いケアマネジメントにつながる
スケジュールの平準化とは、予定を均等に並べることではありません。
「予測できる業務」と「予測できない業務」を分けて考えることです。
ケアマネの仕事は、予定どおりに進まない専門職です。
だからこそ、予定を詰め込むのではなく、変化に対応できる余白を残すことが、結果として利用者支援の質を高め、自分自身を守ることにもつながります。
もしあなたが主任ケアマネの立場であれば、自分だけではなく、事業所全体が無理なく動けるスケジュール設計も意識してみてはいかがでしょうか。
執筆者紹介 花俣
介護現場の「伴走者」。豊富な相談実績から、最適な選択肢を提案します。
介護老人保健施設(老健)や特別養護老人ホーム(特養)での相談援助職を経て、現在は多角的な視点から介護支援を行う。社会福祉士・精神保健福祉士・ケアマネジャーの3つの資格を保持し、制度の裏側から現場のリアルまでを熟知。これまで数多くの家族の悩みに向き合ってきた経験から、読者の「今、どうすればいい?」に対する的確な解決策を提示します。
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