月末・月初が毎月修羅場…ベテランほど実践している「スケジュール平準化」の考え方

『ケアマネ相談室 第16回 【スケジュールの平準化】月末月初にむけてのスケジュール調整』と書かれたボードの横で、ひらめき電球を持つキャラクターのススメちゃんが案内しているアイキャッチ画像。

ケアマネジャーの皆さま、日々のお仕事お疲れ様です。現場の”困った”を解決する「ケアマネ相談室」です。

「毎月月末になると訪問が終わらない」
「月初は給付管理に追われ、新規相談が来ると正直しんどい」
「利用者都合もあるから予定なんて分散できない」

そんな声を現場でよく耳にします。

実は、経験豊富なケアマネほど「予定を埋める」のではなく、「あえて空ける」ことを意識していることが多いです。

今回は、月末・月初に追われないためのスケジュール設計についてお話しします。

本日のご相談
担当件数が増え、月末・月初になると毎月仕事が集中しています。モニタリング、担当者会議、給付管理、新規相談、認定更新などが重なり、予定どおり進まないことも多く、結果として残業が続くことが多いです。「スケジュールを平準化した方が良い」と言われますが、実際には利用者やご家族の都合もあり、思うように調整できません。 ベテランの皆さんは、どのようにスケジュール管理をしているのでしょうか?

「予定を埋めない勇気」が、結果的に利用者支援の質を上げる

多くのケアマネジャーを見ていると、忙しい人ほど予定表が隙間なく埋まっています。

一方で、いつも落ち着いているケアマネは、あえて予定を入れない時間を作っています。

ケアマネ業務は、医療機関の退院調整、緊急ショート、サービス変更、家族からの相談など、「予定外」が前提の仕事です。

予定を100%埋めてしまうと、急な対応が入った瞬間に、その後の予定がすべて崩れてしまいます。

つまり、余白は「暇な時間」ではなく、「緊急対応のためのバッファ」です。

現場で実践したい4つの考え方

以下の点を意識して予定を組むと良いでしょう。

① モニタリングは「期限」で考えず、「期間」で考える

モニタリングは、「◯月31日までに実施すればよい」ものです。

しかし、無意識のうちに「月末に行くもの」と決めつけてしまい、最終週へ集中させているケースが少なくありません。

例えば、

  • 認定有効期間の満了が月初の利用者は第1週
  • 中旬の利用者は第2〜3週
  • 月末の利用者は第4週

といったように、期限内であれば柔軟に配置することで、業務量を均等にできます。

後輩へ指導する際も、「期限=月末」という思い込みを見直すことが重要です。

② 月末は「仕事をする週」ではなく、「崩れる週」と考える

ベテランほど、月末は崩れることを前提に予定を組みます。

例えば、

  • 入院
  • 退院
  • 看取り
  • 家族からの相談
  • 実績修正
  • サービス変更

これらは不思議なくらい月末・月初に重なることもあります。

だからこそ、「何も起きなかったらラッキー」くらいの感覚で、訪問件数を意図的に減らしておくのです。

予定どおりに進めることより、予定が崩れても対応できることの方が、ケアマネには重要です。

③ 「訪問件数」ではなく「考える仕事」を予定に入れる

予定表を見ると、訪問予定だけが並んでいるケアマネをよく見かけます。

しかし、実際に時間がかかるのは、

  • ケアプラン修正
  • サービス担当者会議の準備
  • 医療連携
  • 主治医への情報提供
  • 認定更新の整理
  • 記録作成

などの「考える仕事」です。

この時間を確保せずに訪問だけ入れてしまうと、結局すべて残業になります。

主任ケアマネほど、「デスクワークの時間」も予定としてブロックしています。

④ スケジュール管理は「個人」ではなく「事業所全体」で考える

スケジュール管理は、自分だけでなく事業所全体を見る視点も必要です。

例えば、

  • 全員が月末にモニタリング
  • 全員が月初に給付管理
  • 同じ日に新規相談を受ける人が集中

では、事業所全体の対応力が落ちてしまいます。

担当ケースだけではなく、

  • 誰が月末に余裕があるか
  • 新規相談を誰が受けられるか
  • 入退院対応を誰が担当できるか

まで考えて調整することで、組織全体が回るようになります。

もし主任ケアマネであれば、「自分の予定管理」から「事業所のマネジメント」へ視点を広げる役割も求められるでしょう。

余白が、より良いケアマネジメントにつながる

スケジュールの平準化とは、予定を均等に並べることではありません。

「予測できる業務」「予測できない業務」を分けて考えることです。

ケアマネの仕事は、予定どおりに進まない専門職です。

だからこそ、予定を詰め込むのではなく、変化に対応できる余白を残すことが、結果として利用者支援の質を高め、自分自身を守ることにもつながります。

もしあなたが主任ケアマネの立場であれば、自分だけではなく、事業所全体が無理なく動けるスケジュール設計も意識してみてはいかがでしょうか。

執筆者紹介 花俣

介護現場の「伴走者」。豊富な相談実績から、最適な選択肢を提案します。

介護老人保健施設(老健)や特別養護老人ホーム(特養)での相談援助職を経て、現在は多角的な視点から介護支援を行う。社会福祉士・精神保健福祉士・ケアマネジャーの3つの資格を保持し、制度の裏側から現場のリアルまでを熟知。これまで数多くの家族の悩みに向き合ってきた経験から、読者の「今、どうすればいい?」に対する的確な解決策を提示します。

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