ケアマネジャーの皆さま、日々のお仕事お疲れ様です。現場の“困った”を解決する「ケアマネ相談室」です。
初回訪問の際、「自分はまだしっかりしてる!」「何も困ってない!」と強く拒否されてしまい、話が進まない…そんな経験はありませんか?
介護サービスの必要性を感じていても、ご本人にとっては「介護=できなくなった証拠」と感じてしまうこともあり、警戒心が強くなるケースは少なくありません。
今回は、初回訪問時の“拒否・警戒”の壁をやわらげ、ご本人に心を開いてもらうためのアプローチのコツを、ケアマネジャーがお答えします。
まずは「介護の話」をしないことが大切
初回訪問で最もやってしまいがちなのが、いきなり「困っていることはありませんか?」「サービスを使いませんか?」といった“介護の話”から入ってしまうことです。
しかし、ご本人にとっては「介護=できなくなった人が使うもの」というイメージが強く、いきなりその話をされると防衛反応が働いてしまいます。
その結果、「まだ大丈夫」「困っていない」と強く否定する形になり、会話の入口が閉じてしまうのです。
大切なのは、まず“支援する側”ではなく、“話を聞かせてもらう側”の姿勢で関わることです。
現場で使える!警戒心を解く3つのステップ
初回訪問時は以下のステップを意識してみましょう!
① 「人生の先輩」として教えを乞う
ご本人の警戒心を和らげるためには、まず自尊心を傷つけない関わり方が重要です。
例えば、
「お仕事は何をされていたんですか?」
「この辺りは昔どんな町だったんですか?」
といった形で、人生経験や得意なことについて教えてもらうスタンスで会話を始めます。
「教えてもらえる存在」と感じてもらうことで、ご本人の警戒心はぐっと下がります。
② 得意なこと・好きなことの話題を広げる
過去の仕事、趣味、地域の思い出など、ご本人が誇りに思っていることを話題にすると、自然と会話が広がります。
例えば、
「庭のお花きれいですね。昔から園芸をされているんですか?」
「この写真、旅行にいかれたんですか?」
といったように、家の中にあるものから会話を広げるのも効果的です。
この時間は、実は大切なアセスメントにもつながっています。
③ 少しずつ「生活の話」に移していく
会話の雰囲気が和らいできたら、少しずつ日常生活の話題へと移していきます。
例えば、
「お買い物は今もご自分で行かれているんですか?」
「お料理はよくされるんですか?」
といった形で、自然な流れで生活の様子を聞いていきます。
ここで初めて、困りごとや生活課題が見えてくることも少なくありません。
信頼関係づくりが初回訪問の第一歩
初回訪問で強い拒否がある場合、その多くは「介護を受ける人だと思われたくない」という気持ちから来ています。そこで助け舟を出そうとしてしまうと「この人は失礼な人だ!」と怒らせてしまい、信頼関係の構築から遠ざかってしまいます。
だからこそ、最初から支援者として関わるのではなく、「お話を聞かせてもらう」「人生の先輩に教えてもらう」という姿勢がとても大切です。
アイスブレイクの時間は遠回りに見えて、実は信頼関係づくりの1番の近道です。そして、アセスメントをするよりも情報を聞き出せてしまうこともあります。
まずは会話を楽しむことから始めてみてください。そこから少しずつ、本当のニーズが見えてくるはずです。
執筆者紹介 花俣
介護現場の「伴走者」。豊富な相談実績から、最適な選択肢を提案します。
介護老人保健施設(老健)や特別養護老人ホーム(特養)での相談援助職を経て、現在は多角的な視点から介護支援を行う。社会福祉士・精神保健福祉士・ケアマネジャーの3つの資格を保持し、制度の裏側から現場のリアルまでを熟知。これまで数多くの家族の悩みに向き合ってきた経験から、読者の「今、どうすればいい?」に対する的確な解決策を提示します。
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