ケアマネジャーの皆さま、日々のお仕事お疲れ様です。現場の“困った”を解決する「ケアマネ相談室」です。
初回訪問(インテーク)の際、ご本人の希望を聞きたいのに、同席しているご家族が心配のあまり横からすべて答えてしまう…そんな経験はありませんか?
ご家族の気持ちも理解できる一方で、ご本人の本音がなかなか聞き出せず、アセスメントに悩む場面も多いものです。
今回は、ご家族の気分を害さずに、ご本人の「本当の気持ち」を上手く引き出すヒアリングのコツについて解説します。
本日のご相談
初回訪問時、ご家族がずっと横から話してしまい、ご本人の本音や希望が全然聞けません。ご家族の言葉を遮るわけにもいかず、いつも困ってしまいます。どうやってご本人から直接ヒアリングすればいいですか?
まずは「説得」ではなく、ご家族の不安を受け止める
ご家族が話しすぎてしまう背景には、「うちの親の状況をきちんと分かってほしい」「ケアマネに正しく伝えなければ」という強い責任感や不安があります。
介護を担っているご家族ほど、「自分が説明しなければ」という思いが強くなりがちです。
そのため、いきなり「ご本人に聞いていますので…」と会話を遮ってしまうと、「話を聞いてもらえない」と感じさせてしまい、関係性を損ねてしまう可能性があります。
まずは、ご家族の思いや状況をしっかり受け止めることが大切です。「いつも見ていらっしゃるのはご家族ですから、いろいろ教えていただけると助かります」と一度受け止めることで、ご家族の安心感につながります。
現場で使える!ご本人の声を引き出す3つのステップ
以下のステップを意識しながら、ご本人の本音を引き出してみましょう!
① ご家族を「承認」して安心させる
最初に、ご家族の関わりをきちんと認めることが大切です。
例えば、
「〇〇さんが普段からよく見てくださっているから安心ですね」
「いつも支えていらっしゃるんですね」
といった言葉をかけることで、ご家族の努力や気持ちを承認します。
この一言があるだけで、ご家族の「しっかり伝えなきゃ」という気持ちが少し和らぎ、会話の空気が落ち着いてきます。
② 「手続きのルール」を理由にしてご本人に矢印を向ける
ご家族が落ち着いたタイミングで、自然な形でご本人に質問を向けます。
その際は、
「実は手続き上、ご本人のお声も直接伺う必要があるんです」
といった“ルール”をクッション言葉として使うと効果的です。
「ケアマネが聞きたいから」という形ではなく、「制度上必要」という形にすることで、ご家族の気分を害さずに会話の方向を変えることができます。
③ 答えやすい「YES/NO」の質問から始める
急にご本人に話を振ると、戸惑ってしまう方も少なくありません。そのため、最初は答えやすい質問から始めることがポイントです。
例えば、
「お散歩は好きですか?」
「お茶はよく飲まれますか?」
といったシンプルな質問から始めることで、ご本人が話しやすい雰囲気をつくります。そこから少しずつ会話を広げていくことで、自然とご本人中心の会話に移していくことができます。
信頼関係を保ちながら本音を引き出す関わり方
ご家族からの情報や思い、ご本人の遠慮がちな本音は、どちらも重要なアセスメント情報です。大切なのは、ご家族の思いを尊重しながらも、ご本人の声にもしっかり耳を傾けることです。
「聞いてもらえた」「分かってもらえた」という事実は安心や信頼感を与えます。
「ご家族の顔を立てつつ、ご本人にスポットライトを当てる」という意識を持つことで、より丁寧なアセスメトにつながります。ぜひ次回の訪問から、こうした関わり方を意識してみてください。





