ケアマネジャーの皆さま、日々のお仕事お疲れ様です。現場の“困った”を解決する「ケアマネ相談室」です。
インテークや初回訪問の際、「全部自分でできているから大丈夫」とおっしゃる利用者さんに出会うことは少なくありません。しかし、実際に訪問してみると、生活がうまく回っていないように感じる場面もあります。
限られた訪問時間の中で、ご本人の言葉だけでなく、生活のリアルな状況をどう把握すればよいのか悩むケアマネも多いのではないでしょうか。
今回は、言葉以外のサインから生活状況を読み取るための「観察のポイント」について解説します。
言葉だけで判断しない「生活のサイン」を見る
利用者さんの中には、「迷惑をかけたくない」「まだ大丈夫だと思われたい」という思いから、困りごとを口にしない方も少なくありません。
そのため、アセスメントでは言葉だけでなく、生活環境の中にあるサインを読み取ることが大切です。
特に初回訪問では、家の中を細かくチェックするというよりも、生活の様子が表れやすい場所をさりげなく観察することがポイントになります。
会話をしながら自然に視線を向けることで、生活状況のヒントを得ることができます。
現場で意識したい「3つの観察ポイント」
ご自宅では以下の点を観察してみると良いでしょう。
① 冷蔵庫の周辺を見る
冷蔵庫は、食生活や買い物状況を知るヒントが多い場所です。
例えば、
- 賞味期限切れの食品が多くないか
- 同じ食品ばかりが並んでいないか
- 食材がほとんど入っていない状態ではないか
といった点から、食事の状況や買い物の頻度が見えてくることがあります。
直接チェックするのではなく、
「お料理もされているんですか?」
「よく買われる食材はありますか?」
といった会話の中で自然に確認するとよいでしょう。
② 薬の保管場所を見る
服薬状況を把握するためには、薬の保管場所も重要な観察ポイントです。
薬がテーブルに置きっぱなしになっていたり、飲み残しが多く見られたりする場合は、服薬管理が難しくなっている可能性があります。
例えば、
「お薬はどこに置いていらっしゃいますか?」
「毎日ご自身で飲まれているんですね」
といった声かけをしながら、さりげなく状況を確認していきます。
③ ゴミ箱や郵便物の様子を見る
生活の動線や日常の管理状況は、ゴミ箱や郵便物の様子からも見えてくることがあります。
例えば、
- 郵便物が開封されずに溜まっていないか
- ゴミが長く溜まっていないか・生活動線に物が増えていないか
といった点は、生活の維持状況を知るヒントになります。
ただし、チェックするような見方ではなく、
「郵便物もたくさん届きますよね」
「整理するのも大変ですよね」
といった自然な会話を交えながら確認することが大切です。
観察は「チェック」ではなく「会話の延長」で
生活環境の観察は、決して“チェック”することが目的ではありません。
大切なのは、利用者さんとの会話の中で自然に生活状況を知り、必要な支援につなげていくことです。
あまりにもジロジロ観察をしてしまうと、後で「あの人は家の中を詮索してくるのよ」と言われかねないので、あくまでも会話をしながら、さりげなく触れていくことが重要です。
冷蔵庫や薬、郵便物など、生活の中の小さなサインに目を向けることで、ご本人が言葉にしていない困りごとが見えてくることもあります。
言葉だけで判断するのではなく、生活の様子を総合的に見る視点を持つことで、より丁寧なアセスメントにつながっていくでしょう。
執筆者紹介 花俣
介護現場の「伴走者」。豊富な相談実績から、最適な選択肢を提案します。
介護老人保健施設(老健)や特別養護老人ホーム(特養)での相談援助職を経て、現在は多角的な視点から介護支援を行う。社会福祉士・精神保健福祉士・ケアマネジャーの3つの資格を保持し、制度の裏側から現場のリアルまでを熟知。これまで数多くの家族の悩みに向き合ってきた経験から、読者の「今、どうすればいい?」に対する的確な解決策を提示します。
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