利用者・家族の本音を引き出すコツ

ケアマネ相談室 第5回 『利用者・家族の本音を引き出すコツ』の記事アイキャッチ画像。笑顔のキャラクター『ススメちゃん』がアイデアの電球を手に持っているイラスト。

ケアマネジャーの皆さま、日々のお仕事お疲れ様です。現場の”困った”を解決する「ケアマネ相談室」です。

アセスメントやモニタリングの場面で、「本音が見えない」「遠慮されてしまう」と感じることはありませんか?利用者も家族も、それぞれに思いがあるからこそ、言葉にしづらい場面も多いものです。

今回は、利用者・家族それぞれの“本当の気持ち”を引き出すための関わり方のコツを解説します。

本日のご相談
利用者もご家族も、どこか遠慮しているのか、本音がなかなか聞けません。表面的な希望だけでケアプランを作ることに不安があります。どうすれば本音を引き出せるのでしょうか?

本音が出ないのは「関係性」と「遠慮」があるから

まず前提として、本音が出ないのは珍しいことではありません。

利用者は「迷惑をかけたくない」、ご家族は「ちゃんとしなきゃ」と思っているため、お互いに気を使い合っているケースが多いのです。

また、初対面や関係性が浅い段階では、

  • 本当の希望を言っていいのか分からない
  • 否定されるのではないかという不安
  • 「これくらいでいい」と自分の気持ちを抑える

といった心理も働きます。

つまり、本音を引き出すためには「質問の仕方」だけでなく、安心して話せる関係づくりが欠かせません。

現場で使える!本音を引き出す3つのステップ

本音を引き出すためには以下の点を意識してみると良いでしょう。

①「否定しない姿勢」で安心感をつくる

まず大切なのは、「何を言っても大丈夫」と感じてもらうことです。

例えば、

  • 「そう思われるんですね」
  • 「それは大変でしたね」

と、評価や否定をせずに受け止めることを意識します。

この“安心の土台”ができていない状態で本音を聞こうとしても、表面的な回答しか返ってきません。

②「本音を言っていい場」を意図的につくる

本音は自然に出てくるものではなく、環境によって引き出されるものです。

例えば、

  • 「正直な気持ちを教えていただいて大丈夫ですよ」
  • 「遠慮なく言っていただけると、より合った支援ができます」

と一言添えるだけで、心理的ハードルはぐっと下がります。

場合によっては、

  • 利用者と家族を別々に話す時間をつくる
  • 雑談を挟んで空気を和らげる

といった工夫も有効です。

個人的にはケアマネ自身の話をするのも重要だと思っています。相手を知るにはまずは自己開示も必要な時もありますので、

  • 自分もこういう経験をした
  • こういうことがあって大変だった

など、ケアマネ自身の話をすることで、相手も心を開いてくれることもあるでしょう。

③「選択しやすい質問」で本音に近づく

いきなり「どうしたいですか?」と聞かれても、答えにくいものです。

そこで有効なのが、選択肢を提示する質問です。

例えば、

  • 「デイサービスは週2回くらいがいいですか?それとももう少し増やしたいですか?」
  • 「自宅で過ごす時間を大事にしたいですか?それとも外に出る機会を増やしたいですか?」

このように選択肢を示すことで、利用者や家族は自分の気持ちを整理しやすくなり、本音に近づいていきます。

本音を引き出す鍵は「関係性」と「視点」

利用者とご家族、それぞれの言葉の奥には「本当はこうしたい」という思いが隠れています。その本音を引き出すには、テクニックだけでなく、安心できる関係性づくりが何より大切です。

「正解を聞き出す」のではなく、「気持ちを引き出す」という視点を持つこと。無理に聞き出そうとすると、相手も構えてしまいます。

会話を楽しむ延長上に、欲しかった本音が聞けることもあるでしょう。その積み重ねが、よりその人らしいケアプランにつながります。ぜひ、明日からの面談で意識してみてくださいね。

執筆者紹介 花俣

介護現場の「伴走者」。豊富な相談実績から、最適な選択肢を提案します。

介護老人保健施設(老健)や特別養護老人ホーム(特養)での相談援助職を経て、現在は多角的な視点から介護支援を行う。社会福祉士・精神保健福祉士・ケアマネジャーの3つの資格を保持し、制度の裏側から現場のリアルまでを熟知。これまで数多くの家族の悩みに向き合ってきた経験から、読者の「今、どうすればいい?」に対する的確な解決策を提示します。

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