国立市のグループホーム(認知症対応型共同生活介護)とは、認知症の診断を受けた高齢者が1ユニット最大9名の少人数で共同生活を営みながら、専門スタッフから24時間の生活支援と認知症ケアを受けられる、介護保険制度上の地域密着型サービスです。
入居には「医師による認知症の診断」「要支援2または要介護1〜5の介護認定」「国立市に住民票があること」の3要件を同時に満たす必要があります。
市内のグループホームは現在5か所程度が運営されており、月額費用は介護サービス費の自己負担分(1割負担・要介護3の場合で月約2.6万円)に家賃・食費・光熱水費などの生活費を加えた15万〜20万円程度が目安です。なお、グループホームは介護保険の負担限度額認定(補足給付)の対象外となるため、食費・居住費の軽減制度は適用されません。
本記事では、国立市の公的情報をもとに、入居条件・費用の仕組み・申請手続き・施設選びのポイント・相談窓口を体系的に解説します。
目次
国立市のグループホーム(認知症対応型共同生活介護)とは

グループホームは、住み慣れた地域を離れることなく認知症の方が安定した生活を続けられるよう設計された、地域に根ざした居住型の介護サービスです。国立市では谷保・青柳・西・富士見台・中エリアなどに施設が点在しており、大学通りの桜並木や谷保天満宮といった国立ならではの環境と地続きの暮らしが実現できます。
高齢者向けグループホームの特徴:認知症に特化した少人数制の地域密着型サービス
国立市のグループホームは、市区町村が運営管理を行う「地域密着型サービス」の一種であり、原則として国立市に住民票を置く人だけが利用できるという地域限定性が大きな特徴です。
大規模な介護施設とは異なり、1ユニット最大9名という少人数の環境で、固定スタッフが一人ひとりの生活歴や好みを把握した個別ケアを提供します。
入居者はスタッフとともに食事の支度や洗濯など日常の家事を担い、生活そのものをリハビリとして活用することで、認知症の進行を穏やかに保つことが期待されています。豪華な設備よりも「自宅に近い感覚」を優先した環境づくりが、精神的な安定につながりやすいと評価されているのです。
また、施設は地域住民や家族と定期的に連携する「運営推進会議」を通じて、地域の中での透明性ある運営を行う仕組みが義務付けられています。
入居条件は3つの公的要件で明確に定まっている
グループホームへの入居を検討する際、最初に確認すべきは「入居できる対象者の要件」です。医療・行政・生活の3つの観点から条件が設定されており、いずれか1つでも満たされない場合は入居対象外となります。
①認知症の診断が必要
まず医療面では、かかりつけ医または専門医療機関による「認知症」の診断が必要です。認知症の疑いがある段階では受診のうえ診断書を取得することが求められます。
②要支援以上の認定を受けている
介護保険上の認定として、要支援2または要介護1〜5のいずれかの認定を受けていることが前提です。要支援2の場合は「介護予防認知症対応型共同生活介護」として、要介護1以上は「認知症対応型共同生活介護」としてそれぞれ利用できます。
未申請の場合は、国立市役所 健康福祉部 高齢者支援課 介護保険係(TEL:042-576-2122)または地域包括支援センターが申請手続きを代行します。
③国立市に住民票がある
居住要件として、国立市の介護保険被保険者証を持つ住民票保有者であることが必要です。他市区町村への転出後は原則として国立市の施設は利用できなくなるため、転入・転出の予定がある場合は事前に窓口へ相談することをおすすめします。
国立市のグループホームで受けられるケア・サービス内容
グループホームでは、認知症のある高齢者が地域の中で暮らしを続けながら、日常生活に必要な支援を受けることが可能です。以下では、実際に提供される具体的なサービスを項目ごとに整理します。
1.生活リハビリを重視した日常支援
グループホームのケアの大きな特徴は、日々の暮らしそのものをリハビリの一環として位置づけている点です。食事の支度や配膳、洗濯物のたたみ、居室の整理といった家事に、声かけや見守りを通じて参加してもらいます。
こうした取り組みは「生活リハビリ」と呼ばれ、役割を持ちながら生活することが認知症の進行を穏やかにし、自立した暮らしの維持につながるとされています。
2.食事・入浴・排せつ・服薬管理のサポート
日常の基本的な支援として、食事の介助や見守り、入浴時の安全確保、排せつの介助やトイレ誘導、服薬の確認・管理などを提供。ただし、何もかもを職員が行うのではなく、本人の残存能力を活かしながら必要な部分だけを補う「過介護を防ぐ支援」が基本的な姿勢です。
3.医療機関との連携・健康管理
グループホーム自体は医療機関ではありませんが、協力医療機関との連携は施設選びの重要な判断材料です。
多くの事業所では、定期的な往診やバイタルチェックによって持病の経過を見守る体制を整えています。体調の急変時には、医療機関への連絡と家族への報告を含む緊急対応フローに沿って迅速に対応されます。
4.レクリエーション・地域との交流
生活意欲の維持や閉じこもり防止を目的に、体操・音楽活動・手工芸・回想法・季節行事・誕生日会など、多彩なレクリエーションを実施。
また、地域住民やボランティアとの交流、近隣の散歩、町内行事への参加といった取り組みも特徴的です。住み慣れた地域とのつながりが保たれることで、精神的な安定にもつながっています。
5.外出・外泊の支援
入居後も、外出や外泊が一律に制限されるわけではありません。事前の申請と調整に基づき、散歩・買い物・家族との面会・外泊なども柔軟に対応してもらえます。あくまで暮らしの延長として、地域の中で生活の継続性が尊重されています。
6.家族との連携・相談支援
入居後も、家族への状態報告や定期面談を実施。認知症の進行や体調の変化に応じて、ケア内容の見直しや医療機関との連携も実施されます。不安がある場合は、施設やケアマネジャー、稲城市の地域包括支援センターに相談することで適切なサポートを受けられます。
特別養護老人ホームといった他の高齢者介護施設などとの違い

グループホームは「認知症対応型共同生活介護」という地域密着型サービスに分類され、認知症のある方を対象とした少人数制の施設です。特別養護老人ホームや有料老人ホームなど、他の介護施設とはいくつかの点で異なります。
【比較表】グループホームと他施設の違い
| 項目 | グループホーム | 特別養護老人ホーム | 有料老人ホーム | 介護老人保健施設 |
|---|---|---|---|---|
| 対象者 | 認知症の診断あり・要支援2以上 | 要介護3以上 | 施設により異なる | 要介護1以上 |
| 定員規模 | 5〜9人/ユニット | 数十〜100人以上 | 施設により異なる | 数十〜100人程度 |
| 入居期間 | 長期(終身も可) | 長期(終身も可) | 長期(終身も可) | 原則3〜6か月 |
| 費用目安(月額) | 12〜18万円程度 | 8〜15万円程度 | 15〜30万円以上 | 8〜15万円程度 |
| 入居一時金 | 不要〜少額が多い | なし | 0〜数百万円以上 | なし |
| 認知症ケア | ◎ 専門特化 | ○ 対応可 | △ 施設による | ○ 対応可 |
| 医療体制 | △ 限定的 | ○ 看護師配置あり | △〜○ 施設による | ◎ 医師常駐 |
※費用は地域・施設により異なります。目安としてご参照ください。
特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設)との違い
特別養護老人ホームは要介護3以上の方を対象とし、認知症の有無にかかわらず入所できる施設です。規模が大きく、数十名から100名以上が生活する施設も多いため、グループホームのような家庭的な雰囲気とは異なります。
一方、費用面では特別養護老人ホームのほうが比較的安価な傾向です。特に多床室のある従来型特養は月額費用を抑えやすく、所得に応じた負担軽減制度も充実しています。ただし、待機者が多く入所までに時間がかかるケースも少なくありません。
グループホームは認知症ケアに特化しており、少人数環境で個別対応を受けやすい点が強みです。「認知症があり、まだ要介護度が比較的軽い段階から専門的なケアを受けたい」という方に向いています。
有料老人ホームとの違い
有料老人ホームは、介護付・住宅型に大きく分かれ、施設によってサービス内容や費用に大きな幅があります。入居時に数百万円以上の一時金が必要な施設もあれば、月額費用のみで入居できる施設もあり、選択肢が多い点が特徴です。
グループホームは費用体系がある程度統一されており、入居一時金が不要または少額の施設が多い傾向にあります。また、有料老人ホームは認知症の方の受け入れに対応していない施設もあるため、認知症ケアを重視する場合はグループホームのほうが安心して選びやすいといえます。
介護老人保健施設(老健)との違い
介護老人保健施設は、病院での治療を終えた方が在宅復帰を目指してリハビリを行う施設で、入所期間は原則3〜6か月程度が目安です。医師や看護師、理学療法士などの医療スタッフが常駐しており、医療ケアが必要な方に適しています。
グループホームは在宅復帰を前提としておらず、長期間にわたり生活の場として利用可能です。リハビリ体制は介護老人保健施設ほど充実していませんが、日常生活の中で役割を持ちながら穏やかに暮らしたい方に向いています。
東京都国立市エリアのグループホーム(認知症対応型共同生活介護)特集一覧
国立市内には6か所のグループホームがあることをご存知でしょうか。以下では、市内のグループホーム情報をご紹介します。(2026年2月時点の情報です)
医療法人社団つくし会グループホームやがわ
| 所在地 | 東京都国立市富士見台4丁目8番地2 |
| 電話番号 | 042-571-8501 |
高齢者グループホームウェルケア国立
| 所在地 | 東京都国立市中2丁目13番地57 |
| 電話番号 | 042-580-2238 |
グループホームcarna国立
| 所在地 | 東京都国立市西1丁目10番地の6 |
| 電話番号 | 042-501-3051 |
花物語くにたち
| 所在地 | 東京都国立市谷保7丁目12番12号 |
| 電話番号 | 042-580-4011 |
医療法人社団国立あおやぎ会グループホームあおやぎの家
| 所在地 | 東京都国立市青柳1丁目19番地の16 |
| 電話番号 | 042-523-0302 |
やがわ荘
| 所在地 | 東京都国立市矢川3丁目16番の1 |
| 電話番号 | 042-575-1837 |
国立市のグループホームの費用相場

グループホームの月額費用は「介護保険の自己負担分」と「施設への生活費」の2本立てで構成。国立市は介護報酬の地域区分が3級地(上乗せ割合12%)に設定されているため、グループホームの1単位あたりの単価は10.54円となります。
介護サービス費の自己負担額(1割負担の場合)
介護サービス費は介護度によって異なります。以下は1ユニット事業所・1割負担の場合の月額目安です(令和6年度改定後)。
| 介護度 | 1日あたり単位数 | 月額自己負担(目安) |
|---|---|---|
| 要支援2 | 752単位 | 約23,800円 |
| 要介護1 | 760単位 | 約24,000円 |
| 要介護2 | 796単位 | 約25,200円 |
| 要介護3 | 818単位 | 約25,900円 |
| 要介護4 | 835単位 | 約26,400円 |
| 要介護5 | 852単位 | 約26,900円 |
※介護度が上がるにつれて自己負担額はわずかに増加します。2割・3割負担の方は上記金額の2〜3倍となります。
生活費と初期費用の相場
介護サービス費に加えて、以下の生活費が毎月必要となります。家賃は5万〜8万円程度、食費は3食とおやつを含めて4万〜6万円程度、光熱水費・管理費が2万〜4万円程度が一般的な目安で、月額合計は15万〜20万円前後になります。
初期費用については、多くの施設で入居一時金の設定がなく、敷金・保証金として家賃数か月分程度(0〜20万円)のみ必要な場合が多い傾向です。退去時には清掃費等を差し引いた金額が返還される仕組みとなっています。なお、個人の医療費・理美容費・おむつ代などは別途実費負担となります。
利用できる費用軽減制度
グループホームは介護保険の負担限度額認定(補足給付)の対象外であるため、食費・居住費の軽減は受けられません。一方で、高額介護サービス費制度は利用可能です。同一月の介護保険自己負担額が一定の上限を超えた場合、超過分が払い戻されます。
主な上限額は、一般(住民税課税世帯)で月額44,400円、住民税非課税世帯で月額15,000円〜24,600円、現役並み所得者は月額44,400円〜140,100円です(詳細は国立市役所窓口にご確認ください)。
高額介護サービス費の申請先は、国立市役所 健康福祉部 高齢者支援課 介護保険係(TEL:042-576-2122)です。
国立市のグループホームに入居するまでの手順
グループホームへの入居は、「介護認定の取得→施設の検討・見学→申し込み・契約」という流れで進めます。認定申請から認定結果が出るまで通常1か月程度かかるため、住まいの検討を始めた段階で早めに手続きを進めることが大切です。
まずは要介護認定・認知症の診断から|ケアマネジャーへの相談
グループホームの利用には、認知症の診断と要支援2以上の要介護認定が必要です。まずは医療機関で診断を受け、認定がまだの場合は、高齢者支援課介護保険係または地域包括支援センター・地域窓口を通じて申請を行います。
認定後は、担当ケアマネジャーが施設探しのサポートをしてくれます。ケアマネがいない場合は、地域包括支援センターに相談すると良いでしょう。
施設探し・見学・申し込みの流れ|複数のグループホームを見比べる重要性
希望のエリア・費用・医療対応などを整理し、候補の施設を選びます。グループホームは地域密着型サービスのため、市内のグループホームしか申し込めません。また、グループホームは少人数制のため、1つの施設にこだわると空き待ちになる場合があります。複数施設の見学・相談がおすすめです。
見学では、建物よりも生活の雰囲気、スタッフの声かけ、利用者との関わり方などを確認しましょう。申し込み後は、本人の状態確認や生活面のヒアリングを経て、正式な契約へ進みます。「空きがあるか」ではなく「本人に合うか」を基準に選ぶことが大切です。
入居契約前に確認すべき書類・重要事項説明書のチェックポイント
契約前には、重要事項説明書(重説)と契約書を必ず確認します。特に以下の項目は、後々のトラブルを防ぐために重要です。
- 生活費(家賃・食費・光熱水費・日用品費)の詳細
- 介護保険以外の追加費用(理美容・レクリエーション・介護用品など)
- 医療連携の方法・看取り対応の可否
- 外出・外泊、面会のルール
- 退去となる条件(医療的ケアの増加など)
書面で説明されていれば安心ですが、「口頭だけ」「曖昧な説明」には注意が必要です。わからない点はその場で質問し、納得したうえで契約しましょう。契約は「書面での確認」が鉄則。希望や不安は遠慮せず事前に伝えましょう。
国立市でグループホームを選ぶためのポイント
施設を探す際は、複数の情報源を組み合わせて比較することが重要です。見た目や立地だけで判断するのではなく、ケアの質や将来的な対応力まで視野に入れた選び方が後悔のない選択につながります。
複数施設の比較と公的情報の活用
国立市の地域密着型サービスの情報は、国立市役所の地域包括支援センター(市役所内・各地区窓口)で入手するのが最も確実です。市が運営する「国立市介護保険べんり帳」にも施設一覧や費用目安が掲載されており、窓口で無料配布しています。
厚生労働省が公表する「介護サービス情報公表システム」では、各施設の職員研修の受講率や第三者評価の結果なども確認できます。
施設を絞り込んだうえで見学予約を入れ、スタッフの言葉遣い・施設の清潔感・入居者の様子を自分の目で確かめましょう。特に「本人が施設内で自然にくつろいでいるか」という点は、実際に同行しないとわからない判断材料です。
将来の状態変化への対応力を確認する
認知症が進行しても多くの施設では継続入居が可能ですが、常時の点滴管理や頻繁な医療処置が必要になった場合は、病院や介護老人保健施設への転居が必要となることがあります。
入居前に「どの状態まで対応できるか」を施設側と具体的に確認しておくことが、将来の安心につながります。看取りに対応している施設については、看取り介護加算の算定有無を確認することが1つの目安です。
国立市のグループホームに関するQ&A
入居を検討している方から寄せられる代表的な疑問に対して、国立市の制度にもとづいてお答えします。
Q.認知症の診断はあるが介護認定をまだ受けていない場合はどうすればよいですか?
A.まず国立市役所 高齢者支援課 介護保険係(042-576-2122)または地域包括支援センターに連絡し、要介護認定の申請を行ってください。認定調査から結果通知まで約1か月かかるため、施設の見学と並行して進めるのが効率的です。
Q.生活保護を受給している場合も入居できますか?
A.生活保護受給者でも入居できる施設は存在しますが、「生活保護指定」を受けている施設に限られます。また、居室の家賃(住宅扶助)が国立市の生活保護基準の上限内に収まることも条件です。ケースワーカーとの連携が必要になるため、事前に市役所の生活福祉課にも相談したうえで施設に問い合わせてください。
Q.夜間に急変した場合の対応はどうなっていますか?
A.多くのグループホームでは夜間も介護スタッフが1名以上勤務し、協力医療機関への電話連絡体制を確保しています。ただし看護師の夜間常駐は施設によって異なるため、見学時に具体的な体制を確認することをおすすめします。
Q.有料老人ホームとの違いは何ですか?
A.グループホームは認知症の診断と介護認定が必須で、少人数の共同生活を通じて残存機能を活かすケアが基本です。有料老人ホームは認知症がない方も対象で、規模が大きく設備面が充実している反面、生活スタイルがより集団的になる傾向があります。
本人が「大勢の環境は落ち着かない」と感じる場合には、グループホームの環境が適している可能性が高いです。
国立市でグループホームを探す方へ

国立市のグループホームは、大学通りの緑や谷保の田園風景に囲まれた落ち着いた環境の中で、認知症のある方が住み続けてきたエリアの空気を感じながら暮らせる場所です。少人数制ならではの丁寧なケアと地域の医療・福祉との連携が、本人の心身の安定を支えます。
入居を考え始めたら、まず国立市の地域包括支援センターや高齢者支援課に相談し、費用の試算・施設の空き状況・介護認定の手続きを一括して確認することからはじめてください。焦らず複数施設を比較検討することが、後悔のない選択につながります。
参照元:厚生労働省 認知症対応型共同生活介護(認知症グループホーム)、令和6年度介護報酬改定における改定事項について 、7. 認知症高齢者グループホーム(認知症対応型共同生活介護、東京都福祉局 介護保険制度パンフレット、国立市 介護保険べんり帳


執筆者紹介
医療と介護をつなぐ「安心のサポーター」。現場のリアルな知恵を届けます
看護師・ケアマネジャー:訪問看護やデイサービス勤務を通して、介護の現場に携わってきました。また、病院で看護師として勤務した経験を持ち、医療と介護の両方の視点から、現場で得た知識や経験をわかりやすくお届けします。





