介護の質をデータで可視化する「LIFE(科学的介護情報システム)」。令和8年2月18日、厚生労働省より最新の利活用実態調査が報告されました。この記事では、約1万事業所を対象とした調査(有効回答約5,050件)から見えた現場の「負担」と「効果」の現在地をわかりやすく整理します。
この記事でわかること
- LIFE関連業務で現場が負担に感じている項目と、利用者1人あたりにかかる時間の実態
- 加算の算定を見送る最大の理由と、算定に取り組む事業所で生まれているポジティブな変化
- 今後のLIFE普及に向けて求められる2つのカギ
目次
現場を圧迫する「アセスメントと入力」の負担
調査では、LIFE関連業務が現場の大きな負担になっている実態が改めて浮き彫りになりました。
負担の大きい項目

入力の負担が大きい項目は、施設系では「服薬情報」(43.9%)、通所系では「ADL」(32.9%)でした。

また、アセスメント(状態評価)の負担が大きい項目は、施設系では「生活・認知機能尺度」(38.7%)、通所系では「ADL」(37.1%)となっています。
費やされる時間
利用者1人・月あたりの中央値は50分。特に入力前の「状態評価(アセスメント)」に最も時間を要しています。
算定を阻む「壁」と得られる「効果」
多くの加算で、算定を見送る理由の第1位は「アセスメントの負担」でした。一方で、積極的に取り組む事業所ではポジティブな変化も起きています。
算定の効果
算定項目が多い事業所ほど「これまで気づかなかった利用者の状態を把握できた」「多職種連携がスムーズになった」と回答する割合が高いです。ヒアリング調査でも、定期的な評価更新により評価漏れがなくなった、排せつの回数や時間を見直すきっかけになった、利用者家族への状態説明にLIFEのデータを活用しているといった好事例が報告されています。
活用の課題
フィードバック結果を「どう具体的なケアに反映すべきか」に悩む現場が多く、今後はより実践的な指針が求められています。
今後の展望
今回の調査により、「事務負担の軽減」と「フィードバックの具体性向上」が普及のカギであることが改めて示されました。現場が”入力して終わり”ではなく、データを日々のケア改善に活かせる仕組みづくりが今後の焦点となりそうです。
参照元:厚生労働省 (2)令和6年度介護報酬改定におけるLIFEの見直し項目及びLIFEを活用した質の高い介護の更なる推進に資する調査研究事業(結果概要)(案)





