目黒区の高齢者の介護予防ニーズ|フレイル・社会参加・認知症の実態【令和7年度報告】

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目黒区では、令和9年度から11年度までの「第10期目黒区介護保険事業計画」、および令和9年度からの「地域福祉保健医療計画」「高齢者福祉計画」の策定資料とするため、「介護予防・日常生活圏域ニーズ調査」を実施しました。

本記事では、調査結果から見えてきた区内高齢者の生活実態と、今後の介護予防の方向性を解説します。

この記事でわかること

  • 目黒区の高齢者約3割に転倒リスクがあり、口腔機能や栄養面でもケアが必要な層が一定数存在すること
  • 認知症の相談窓口を「知らない」と答えた高齢者が66.5%にのぼり、周知が大きな課題となっていること
  • 介護予防事業への参加意向は半数以上が前向きだが、男女差や運営の担い手不足といった課題があること

1.回答者の属性と圏域別特徴

目黒区は5つの日常生活圏域(北部・東部・中央・南部・西部)で構成されています。

属性

構成は、75〜79歳が25.0%で最も多く、次いで70〜74歳が21.8%、65〜69歳が21.5%です。65〜74歳の前期高齢者(計)が43.3%、75歳以上の後期高齢者(計)が56.6%を占めています。

性別は女性が56.7%、男性が42.4%で、女性の回答が多くなっています。

圏域差

家族構成は「夫婦2人暮らし(配偶者65歳以上)」が37.4%で最も多く、「1人暮らし」が25.1%、「息子・娘との2世帯」が15.4%でした。

居住地区は西部地区が27.1%、中央地区が20.8%、南部地区が19.7%、東部地区が19.3%、北部地区が13.2%の構成です。

2.からだを動かすこと(運動・ロコモ度テスト結果)

高い運動意識を持つ層が一定数存在する一方で、日常生活に支障をきたす一歩手前の「ロコモ予備軍」への早期介入が課題となっています。

現状

階段の上り下りについては「できるし、している」が64.8%、椅子からの立ち上がりは81.2%、15分位の歩行は86.4%となっており、基本的な移動機能は多くの方に保たれています。

一方で、過去1年間の転倒経験は「1度ある」が24.0%、「何度もある」が6.4%で、合わせて約3割の方が転倒を経験しているといった結果です。

課題

一方で階段の上り下りで「できない」と回答した方は13.9%、椅子からの立ち上がりで「できない」が6.8%となっており、運動機能の低下が見られる層が一定数存在します。

リスク項目別出現率では「転倒リスク」該当者が30.4%まで上昇しました。屋外の歩行距離が短くなっている層への、早期の機能維持アプローチが重要です。

3.食べること・栄養(低栄養リスク)

口腔機能の衰えは自覚症状として現れやすく、低栄養状態を未然に防ぐための歯科健診や栄養指導の重要性が再認識されています。

口腔機能

半年前と比べて固いものが食べにくくなった方は23.1%です。お茶や汁物等でむせることがある方は26.3%、口の渇きが気になる方は26.3%で、口腔機能の低下が見られる層が一定数存在します。

リスク

リスク項目別出現率では「咀嚼機能リスク」該当者が23.1%、「口腔機能リスク」が20.6%、「栄養改善リスク」が11.8%となっており、口腔・栄養の両面でケアが必要な層が確認されています。

4.毎日の暮らしと閉じこもり傾向

閉じこもりリスクは独居高齢者や健康不安を抱える層に集中しており、孤立を防ぐための地域的な見守り体制が不可欠です。

リスク層

外出の状況は「週5回以上」が46.9%、「週2〜4回」が40.8%となっています。一方で、外出を控えている方は14.5%、外出回数が昨年と比べて「減っている(計)」は25.4%にのぼりました。

リスク項目別では「閉じこもりリスク」該当者が11.2%となっています。

外出を控えている理由としては「足腰などの痛み」が56.5%で最も多く、「トイレの心配(失禁など)」が19.8%、「外での楽しみがない」が14.7%と続いています。

影響

外出機会の減少はフレイル(虚弱)を進行させるだけでなく、認知機能の低下を招く一因となるため、地域での見守り活動との連携が鍵となるでしょう。

5.地域での過ごし方・社会参加

「誰かと活動すること」を好む目黒区の特性を活かし、健康寿命を延ばすための「通いの場」の多角的な充実が求められています。

意欲

趣味の有無については「趣味あり」が78.0%、生きがいの有無は「生きがいあり」が60.4%でした。地域活動への参加意向は、参加者として「参加してもよい」が46.9%、「是非参加したい」が5.4%で、合わせて半数以上が参加に前向きです。

一方、企画・運営側としては「参加したくない」が64.4%となっており、運営の担い手確保には課題が残ります。

相関

社会参加している人ほど健康状態や生活満足度が高いというデータが出ており、「通いの場」の充実が介護予防の要となっています。

6.認知症への理解と不安

認知症に対する社会的な理解は進んでいるものの、発症への不安を解消するための具体的な相談窓口の周知が急務です。

意識

自身や家族が認知症になることへの不安は依然として高い状態です。

ニーズ

認知症の症状がある方(家族を含む)の有無は「いいえ」が86.0%、「はい」が11.0%となっています。

一方、認知症に関する相談窓口の認知度は「いいえ(知らない)」が66.5%を占め、「はい(知っている)」は30.5%にとどまる結果に。相談窓口の周知が大きな課題となっていることが分かります。

7.介護予防事業への参加意向

既存事業への関心は高いものの、物理的な距離や心理的な障壁を解消する「より身近な場所」での展開が期待されています。

傾向

参加したい教室や活動は、「公園などのオープンスペースで、誰でも自由に参加できる体操などの活動」が21.3%が首位となりました。

次いで「介護予防や認知症予防などに関する講習会・イベント」が20.2%、「会場で参加する体操教室」が18.7%となっています。

障壁

性別で見ると、「会場で参加する体操教室」(男性9.4%、女性25.9%)、「公園などのオープンスペースで、誰でも自由に参加できる体操などの活動」(男性16.5%、女性25.0%)など、女性の方が参加意向が高い傾向です。

「住区センターなどで地域の住民が自主運営する体操などの活動」も女性が15.5%と男性5.6%を上回っています。

8.高齢者施策で優先的に取り組む必要があるもの

高齢者施策で優先的に取り組む必要があるものは、「在宅介護サービスの充実」が42.3%で最も多く、次いで「介護施設の充実」が26.1%、「ひとり暮らし高齢者などに対する見守りや安否確認」が23.3%、「調理・掃除などの生活援助サービスの充実」が22.5%、「介護している家族への支援」が22.0%、「自宅で長期療養するための体制整備」が20.3%となりました。

また「フレイル」という言葉の認知度は「知っている」が55.5%、「聞いたことはあるが、意味は知らない」が16.5%、「知らない」が25.5%となっています。

加齢による衰えを予防するために実践している取組がある方は66.2%にのぼり、その内容は「運動や体操をする」(70.8%)、「外出する」(70.5%)、「お口の健康を心がける」(66.5%)が上位を占めています。

【本調査に関するお問い合わせ】

  • 介護保険課 介護保険計画係 電話:03-5722-9840 / ファクス:03-5722-9716
  • 高齢福祉課 介護基盤整備係 電話:03-5722-9607 / ファクス:03-5722-9474

参考元:目黒区 介護予防・日常生活圏域ニーズ調査(101ページから186ページ)

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