令和8年3月31日、厚生労働省は「介護員養成研修の取扱細則の一部改正について」を通知しました。あわせて、「新型コロナウイルス感染症にかかる介護員養成研修の臨時的な取扱いの廃止」も示されており、今後の研修実施方法に影響を与える内容となっています。本記事では、改正の概要と実務への影響を整理します。
目次
この記事でわかること
- 介護職員初任者研修・生活援助従事者研修におけるオンライン(テレビ電話装置等・録画動画)活用の正式な位置づけと実施要件
- 新型コロナウイルス感染症に係る臨時的取扱い(全課程通信学習)の廃止時期と経過措置
- 令和9年4月施行に向けて研修実施機関に求められる運営体制の整備ポイント
介護員養成研修の実施方法の見直し
今回の改正では、介護職員初任者研修および生活援助従事者研修の実施方法について、従来の通信学習の取扱いを見直し、テレビ電話装置等や録画動画の活用を含む実施形態が明確化されました。
今回新たに、テレビ電話装置等を活用した講義や録画された動画の視聴が実施形態として追加。従来の通信学習もあわせて、複数の形態で受講することが可能となっています。
一方で、対面以外の方法で実施する場合には、講師への質問機会の確保や受講状況の確認、試験やレポート等による理解度の確認が求められています。
また、実技を伴う演習や実習については、引き続き対面での実施が必要です。ただし、別会場に講師を配置して行う形態であって、対面と同様の効果が認められる場合も対面に含まれます。
通信学習の取扱いと上限時間
通信学習については、従来どおり実施することとされており、各科目ごとの上限を超えない範囲で介護職員初任者研修では最大40.5時間、生活援助従事者研修では最大29時間までとされています。
通信学習では実技を伴う演習や実習は対面実施が必要です。このため、全課程を通信学習のみで完結させることはできません。
新型コロナウイルス感染症に係る臨時的取扱いの廃止
新型コロナウイルス感染症の影響により認められていた、全ての課程を通信学習で実施できる臨時的な取扱いについては、今回の見直しに伴い廃止されることが示されました。この措置は令和9年3月31日をもって終了し、以降は改正後の基準に基づく運用が求められます。
制度改正の位置づけと今後の対応
今回の改正は、令和7年の地方分権改革に関する提案募集を受けた対応方針に基づき、受講しやすい環境整備を目的として実施されるものです。施行は令和9年4月からとされており、研修実施機関には新たな基準への対応と関係者への周知が必要です。オンライン等の活用範囲が広がる一方で、質問機会の確保や受講確認、理解度確認など、適切な運営体制の整備が求められるでしょう。

執筆者紹介
介護現場の「伴走者」。豊富な相談実績から、最適な選択肢を提案します。
介護老人保健施設(老健)や特別養護老人ホーム(特養)での相談援助職を経て、現在は多角的な視点から介護支援を行う。社会福祉士・精神保健福祉士・ケアマネジャーの3つの資格を保持し、制度の裏側から現場のリアルまでを熟知。これまで数多くの家族の悩みに向き合ってきた経験から、読者の「今、どうすればいい?」に対する的確な解決策を提示します。





