令和8年4月3日に、厚生労働省より「介護保険最新情報Vol.1491」が公表されました。
本通知では、介護保険施設における居住費の助成である特定入所者介護サービス費(いわゆる補足給付)に関する負担限度額認定証の様式変更について示されています。施行は令和8年8月1日からです。
目次
この記事でわかること
- 令和8年8月から補足給付の負担限度額認定証の様式が変わる理由と、その背景にある多床室の負担限度額見直しの内容
- 多床室Ⅰ(特養等)・多床室Ⅱ(老健・医療院)・多床室Ⅲ(老健・医療院等)で負担額がどう異なるのか
- 旧様式の認定証や用紙がいつまで使えるかなど、経過措置の具体的な取り扱い
なぜ認定証の様式が変わるのか
今回の様式見直しの背景には、令和8年3月13日に公表された「介護保険最新情報Vol.1481(厚生労働省告示第88号)」による居住費・滞在費の負担限度額の見直しがあります。
これは、社会保障審議会介護保険部会の意見書を踏まえ、「負担能力に応じた負担」を図る観点から実施されたものです。
従来、多床室は制度上は区分されていたものの、認定証の様式上は区別されていませんでした。
今回の負担限度額の見直しにより、施設類型ごとに負担額が異なることとなったため、認定証の様式でも区分を明確化する必要が生じました。
具体的な変更内容(負担限度額)
Vol.1481では、補足給付の対象となる低所得者について、食費および居住費の負担限度額が見直されています。特に重要なのは多床室の区分の明確化です。
- 多床室Ⅰ(特養等):530円/日(第3段階②)
- 多床室Ⅱ(老健・医療院で室料を徴収する場合):530円/日(第3段階②)
- 多床室Ⅲ(老健・医療院等のうち室料を徴収しない場合):430円/日(第3段階②)
このように、同じ多床室でも施設種別により負担額が異なります。また、食費についても所得区分(第1段階〜第3段階②)に応じて設定されており、基準費用額との差額が介護保険から給付される仕組みです。
※上記は第3段階②の例であり、実際の負担限度額は所得区分ごとに異なります。
経過措置について
今回の様式変更にあたっては、急激な切り替えによる混乱を避けるための経過措置も設けられています。
具体的には、施行時点で既に発行・使用されている旧様式の認定証については、改正後の様式によるものとみなして取り扱うことが可能です。
また、旧様式の用紙についても、当分の間は取り繕って使用することができる旨が示されており、実務上の円滑な移行に配慮された内容となっています。
確認しておきたいポイント
今回の改正は、「金額の見直し(Vol.1481)」と「様式の変更(Vol.1491)」が一体となっている点が重要です。
令和8年8月以降は、負担限度額認定証において多床室の区分が明記されるため、利用者への説明や請求事務に影響が生じます。
事業者としては、最新の負担限度額とともに、認定証の記載内容がどのように変わるのかを事前に確認し、適切に対応することが求められるでしょう。
参照元:厚生労働省 介護保険最新情報 介護保険法施行規則の一部を改正する省令の公布について(通知)Vol.1491 令和8年4月3日、介護保険法第五十一条の三第二項第二号に規定する居 住費の負担限度額及び同法第六十一条の三第二項第二 号に規定する滞在費の負担限度額の一部を改正する件 について(通知)Vol.1481 令和8年3月 13日

執筆者紹介
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介護老人保健施設(老健)や特別養護老人ホーム(特養)での相談援助職を経て、現在は多角的な視点から介護支援を行う。社会福祉士・精神保健福祉士・ケアマネジャーの3つの資格を保持し、制度の裏側から現場のリアルまでを熟知。これまで数多くの家族の悩みに向き合ってきた経験から、読者の「今、どうすればいい?」に対する的確な解決策を提示します。





